SENDA MEDICAL CLINIC BLOG

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礼儀と礼節

礼節を知る難しさ
松本龍復興担当相の宮城県知事に対する態度が物議をかもしています。
この様子がウオール・ストリート・ジャーナル日本版にマナーが悪いのはどっち?とちょっと面白く掲載されています。
その直後、村井知事が笑顔で現れ、松本復興相に握手を求めた。だが松本復興相は、それをぞんざいに振り払った。「お客さんが入って来るときは自分が入って来てからお客さんを呼べ」と村井知事に対してぴしゃりと言い放ち、さらに前世代の礼儀を重んじる姿勢を引き合いに出し、次のように続けた。「長幼の序がわかっている自衛隊ならやるぞ」。(「長幼の序」という言葉は現在、グーグルの日本の検索キーワード急上昇ランキングで上位にランクインされている)
侮辱されたと感じた松本復興相のいら立ちは、それでもまだ収まらず、依然県内で議論のまとまっていない復興関連の県の要求事項についても、「県でコンセンサスを得ろよ。そうしないと我々は何もしないぞ。ちゃんとやれ」としかり飛ばした。
だが、ここで周囲の緊張感を察した松本復興相は、報道陣がその場にいたことから、そのままではまずいと感じたようで、「今のはオフレコです。書いたらその社は終わりだから」と報道陣に向かって言った。
俄に信じがたいような話ですが、YouTubeをみるとまさに凄いの一言!!



おまけに『九州生まれのB型だから語気荒い』と言ったものですから、B型九州人の我が家の妻も怒っています。
さて、この話、どこに問題があるのかというと、かの人には『礼節』がないのです。

ここで礼儀と礼節について調べてみました。
デジタル大辞泉では下記のようになっています。
礼儀:人間関係や社会生活の秩序を維持するために人が守るべき行動様式。特に、敬意を表す作法
礼節:礼儀と節度。

これではよくわかりません。
Yahoo知恵袋で調べて見ると次のように書かれています。
相手を尊敬し、自分を謙遜し、行いを丁寧にすることが「礼」です。この「礼」を時に即し、場合に応じて、自分の行動ができるように、わきまえる事が「節」です。「礼節」を知って初めて一人前の人間といえるのです。と言うことです
きわめて明快な答えです。
今回の復興担当相の言動にはこの礼も節もなかったことになります。
それで前述のWSJのような『マナーが悪いのはどっち?』という記事になるのでしょう。

先日クリニックに見学者(2名の事務の方)がおみえになりました。
事前の連絡はぼろぼろ、経営者や上司からの依頼状もなく1本の当人たちからの電話のみ。
来院時もきちんとした挨拶もできず名刺も所有せず・・・
でもこの方たちにはハートがありました。
施設見学をする場合の礼儀作法をご存じないだけで、礼はあったような気がします。
失礼な言い方ですが、教育が悪いだけで本人たちに責任はないのです。

礼儀と礼節・・・
私たち日本人の基本です。
今回の騒動で多くの日本人がそれを忘れていないことが明らかになりました。
やはり日本は礼節の国ですね。


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# by ccr-net | 2011-07-04 21:16 | その他

レストレスレッグス症候群治療の決め手となるロチゴチン投与

ロチゴチン投与でレストレスレッグス症候群の症状が改善!
昨日のMT Proにレストレスレッグス症候群の4割が無症状に,パーキンソン病治療薬rotigotineの5年投与でという記事が出ました。
これはLancet Neurol 6月27日オンライン版に出た独フィリップス大学の研究者の発表です。
いわゆる“むずむず脚症候群”として知られるレストレスレッグス症候群(RLS)。これまで,特発性RLS治療における非麦角系ドパミン受容体作動薬の短期投与による安全性および有効性は確認されている。独フィリップス大学のWolfgang Oertel氏らは,二重盲検ランダム化比較試験(RCT)の参加者を対象とした長期延長非盲検試験により,RLS治療における非麦角系ドパミン受容体作動薬rotigotine※の最長5年にわたる長期投与の有効性を検討。その結果,国際RLS研究グループ(IRLSSG)によるRLS診断基準(IRLS)スコアは,ベースラインの27.7(SD 6.0)から9.0(同9.2)に改善し,およそ4割の患者で無症状が認められたと発表した

レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)は日本では治療に決め手を欠く難病で、私のクリニックにも同疾患に苦しむ方が数名おられます。
以前からロチゴチン投与の有効性は言われていましたが日本では未発売で(また?)その有効性に疑問を持つ声もありました。こうした難病の4割が無症状になるという発表は凄いことです。
さて、日本の開発状況はどうかと調べて見ると、ありました!
6月8日付けで大塚製薬のホームページに大塚製薬 経皮吸収型貼付剤として開発中の「ロチゴチン」に関し、パーキンソン病への治療効果を国内臨床第III相試験で確認というプレスリリースが発表されています。
第III相試験をクリアし年内に申請ですから、来年には一般に使用できそうです。

がんばれ、大塚製薬!!

でもいつもながらのこのドラッグ・ラグ・・・どうにかならないものでしょうか。


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# by ccr-net | 2011-07-02 07:19 | 医療

梅雨なのに猛暑

熱中症に注意
7月になりましたが皆様いかがお過ごしでしょうか?
熊本では朝方雨が降りましたが日中は曇り、最高気温も26度とあまり高くありませんでした。
一方一昨日は日本全国猛暑!
YOMIURI ONLINEでも全国74地点で猛暑日を記録…熱中症4人死亡という記事が6月30日にでました。
日本列島は29日、太平洋高気圧が広がった影響で気温が上昇し、山梨県甲州市で38・5度を観測するなど、6月としては全国的に記録的な猛暑となった。
読売新聞のまとめでは、同日の熱中症とみられる死者は千葉、長野、愛知、奈良県で4人に上った。
気象庁によると、全国の観測点920地点のうち、秋田県をのぞく46都道府県の511地点で30度以上の真夏日になった。
このうち20都府県の74地点では35度以上の猛暑日だった。
甲府市でも38度台となったほか、三重県桑名市、静岡県浜松市、群馬県館林市、岐阜県多治見市などでも37度台まで上がった。東京都心は35・1度を観測し、今年初めての猛暑日となった。都心で6月に猛暑日を記録したのは、1875年に始まった観測史上、3度目。

この中で熊本は33.9度・・・全国でも涼しいほうになりました。
でも33.9度もあるんです。
さて、猛暑と言われた昨年はどうだっただろうと思い、『熱中症』という言葉で自分のブログを検索してみました。
検索結果は以下の3つです。
猛暑がやってきた 2010/07/21
水分補給の不思議 2010/07/22
熱中症ってなあに? 2010/07/27
いずれも7月下旬で、今年のこの時期の暑さがいかに異常かよくわかります。
(熱中症については上記記事をお読み下さい)

さらにこの暑さの中、今年は『節電』という重い目標があります。
はて困ったものです・・・
涼しい生活に慣れているので、なかなか冷房から離れることができません。

昔冷房がなかったころどうしていただろうと考えてみました。
高校時代鹿児島に下宿していましたが、扇風機だけでした。1971年7月1日32度です。
東京の等々力に住んでいた頃、冷房はありませんでした。1973年7月1日27.2度です。
勿論窓は開け扇風機を使い冷たいものを食べたり、シャワーで水浴びをしたりしていました。

梅雨なのに猛暑_b0102247_22465710.jpg
考えてみたら鹿児島でも冷房なしでやっていけたのだから
できないことはないのでしょうね。

慣れとは怖いものです。

まだ夏の前段階、

なんとか今年の夏を元気で乗り越えましょう。

ちなみに夜間は電力は余っていますので

誤解なさらないように。




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# by ccr-net | 2011-07-01 22:49 | 医療

小児の重症感染症の診断に役立つのは?

白血球数よりもCRPとプロカルシトニン(PCT)の値が大切
最近感冒や不明熱など感染症の症例が増えて来たと思っていたら、今日の日経メディカルオンラインに発熱で救急受診の小児の診断に有用なのはCRPとプロカルシトニンという面白い記事が出ました。
小児の重症感染症は急速に進行する危険性があるため、迅速かつ正確な診断が欠かせない。そのために役立つのは、白血球数や炎症マーカーなどの臨床検査値の中のどれなのか。この疑問に基づき系統的レビューとメタ分析を行った英Oxford大学のAnn Van den Bruel氏らは、発熱により救急部門を受診した小児の重症感染症の診断には、白血球数よりもCRPとプロカルシトニン(PCT)の値が有用であることを明らかにした。論文は、BMJ誌2011年6月11日号に掲載された。
原文は「Diagnostic value of laboratory tests in identifying serious infections in febrile children: systematic review」をご覧下さい。
これを見て、『おおこれは凄い!明日からプロカルシトニン(Procalcitonin:PCT)』を計測しようと思ったあなた、本当にそうでしょうか?
PCTは重症の細菌感染症で上昇しウイルス感染症にはほとんど反応しません、しかもCRPより鋭敏で迅速です。
けれども本来必要なのは重症の細菌感染症でルーティンで検査するものではありません。
濫用してはいけません。
あくまでも『重症感染症の診断』に必要なのです。

これって感染症の権威青木眞先生の『熱・白血球・CRPから自由になろう』と矛盾しない?という声が聞こえそうですが、そんなことはありません。
青木先生が言われているのは、『感染症が発熱やWBC,あるいはCRPの増加といったプレゼンテーションを呈するとは限らない』ということで、それのみを偏重することに対する警告なのです。

小児の重症感染症の診断に役立つのは?_b0102247_21315529.jpg

私のクリニックでPCT検査をおこなうことはなさそうですが、

小児の重症感染症には必須なようです。


感冒や不明熱が比較的多くなるこの時期、

最低限白血球分画はとりましょうね。




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# by ccr-net | 2011-06-29 21:34 | 感染管理

がんばれ保健師!!

震災地から始まるPHR(Personal Health Records)

今日のYOMIURI ONLINEに仮設住宅孤独死防止、病状などデータベース化…岩手という興味深い記事が出ました。
沿岸被災地で高齢者の病状悪化や孤独死を防ごうと、岩手県は仮設住宅などの住民の病状や通院歴をデータベース化する方針を固めた。市町村と情報を共有することで、被災地に必要な医療・介護チームを効率的に派遣できるようになるほか病院間連携もスムーズになる。県によると、津波で大きな被害を受けた東北の3県では、初の取り組み。
対象となるのは、仮設住宅や被災地の自宅で暮らす高齢者や障害者ら在宅支援が必要な人。独り暮らしはもちろん、家族と同居の場合も含む。データベース化する項目は、住所、氏名、病状、通院歴などで、さらに市町村と協議を進め、服用薬や既往症などより詳細な項目も含めるか検討する。

いつもの医療機関間の医療情報の共有か・・・と思い読んでみるとどうも違います。
担当保健師がデータの聞き取り作業をおこない基本情報を入力しデータベースを作成するようです。
つまり行政が動いているのです。
一見当たり前のようですが、こうした取り組みは日本では前例がありません。
今までのPHR(Personal Health Records)の取り組みは、どちらかというと行政が絵を描き民間が取り組む形でした。
地域の保険福祉センターや保健所が中心となり動けば最低限の情報の共有は可能となります。
こうした電子記録で大切なのはデータの共有と互換性ですから、行政で基本仕様を統一して頂けばそこに参入する患者や医療機関・介護施設も増えてくるでしょう。
このPHRについては以前PHR(Personal Health Record)について考えようで取り上げました。
ここで必要なのは、やはり全国で統一された住民番号や個人番号です。
この基本的な番号が“個人情報”の名の下に日本ではまだ存在しません。
国民皆保険で原則として皆保険加入者のはずなのに、なんだかいびつな制度ですね。
(勿論様々な理由で無保険の方も存在しますが・・・)

兎に角、被災地での今回の取り組みが全国的なPHRの展開のきっかけになれば思います。

がんばれ、岩手県の保健師!!
がんばれ保健師!!_b0102247_23171758.jpg

無名の語り


素敵な本です。


一度読んでみませんか?









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# by ccr-net | 2011-06-25 23:20 | 医療
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医療と健康について


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