病院や診療所に行くとよくお花や観葉植物があります。これは心を和ませ、見た目もいいのですが、果たして医療機関にあることは本当に良いことなのでしょうか?
今回は医療機関における観葉植物について考えてみます。
せんだ整形外科では2年前より院内の観葉植物や切り花の設置を一切廃止しています。これには、2つの意味があります。一つは感染管理におけるクリーンメンテナンス、もう一つはアレルギー対策です。
感染管理におけるクリーンメンテナンスとは、感染源となる可能性のあるものを徹底的に排除することです。それは、床のクリーニングに始まり展示物(絵や掲示物まで)や観葉植物などにも及びます。展示物についてはクリーニングをおこなうことで、感染リスクの軽減を図ることが可能ですが、観葉植物についてはそうはいきません。観葉植物には母床となる土があります。この中には様々な微生物や昆虫が生息し、これが大きな感染源となります。この点で絵などの掲示物とは大きく異なります。それでは生花(切り花)はどうでしょうか?切り花においては、水を頻繁に交換しておけば大きな感染リスクとはならないとCDCのガイドラインにもあります。従って、感染管理にかぎっては、観葉植物×・切り花○ということになります。
次に2番目のアレルギー源について考えてみましょう。これについては、疑いの余地もなく2つとも×です。
従って、少なくともこの2つの観点からは、観葉植物や花などの展示は医療機関内では好ましくないと言えます。
先日、インテリアショップで買い物をしていた時に、他のお客さんの“感染管理の観点からお祝いには花は贈れない”という会話を小耳に挟みました。会話の主は看護師の方のようでしたが、時代はもうここまできているのです。
院内の掲示物や観葉植物・・・もう一度見直してみませんか?
