SENDA MEDICAL CLINIC BLOG

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見逃されやすい難病  ALSとギランバレー症候群

疑うことから始まる医療

最近、不思議なことにALSやギランバレー症候群の患者さんを見つけることが多くなりました。
どちらも統計学的には10万人に年間一人か二人と言われています。
つまり人口74万人の熊本市では、年間それぞれ10名前後ということになります。
ところが、ここ1年間でそれぞれ2名の患者さんがクリニックからの紹介で確定診断となりました。
整形外科と内科を主に標榜する無床診療所としては異例の事態です。

なぜでしょう?

実はこれは別に今年に始まったことではありません。
ここ数年の傾向なのですが、以前より少し大きく網をかけできるだけ見逃さないようにしています。
ということは、実はALSやギランバレー症候群の方はもっと多いのではないかと考えてしまいます。

先月は2名のギランバレー症候群を疑い、1例目は心因性、2例目はすぐに治療を開始し回復しています。
いずれの症例も、片側上下肢の軽度の麻痺で来院されました。
こうした場合、信頼できる神経内科医と優秀な臨床検査技師(電気生理検査)の存在が不可欠です。

まずは疑う、そこから全てが始まります。

見逃されやすい難病  ALSとギランバレー症候群_b0102247_22335895.jpg


ALSの場合はmotor neuron diseaseを疑い、より慎重に診断を進めていきます。
多くの場合、専門医からさらに専門医療機関を受診し確定診断に至ります。
結構ハードルが高いのです。
したがって、見逃しも出てきます。

現在、在宅で数名のALSの方を診ていますが、2名の方が診断前に整形外科的手術を受けておられます。
間違えやすい疾患なのです。

大切なことは、まずは疑うこと、
そこから全て始まるのです。


医療の基本ですが、難しいことでもあります。

何でも全てというわけにはいきませんが、疑わしいものはしっかりと診断する努力が必要です。



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by ccr-net | 2015-07-30 22:34 | 医療

シェイプアップ?シューズに注意

あなたのシューズは大丈夫?

先日、足の痛みで来院された方(足底筋膜炎)が、今日久しぶりに来院されました。
前回シューズサイズが合っていなかったので、26.0cm4Eのサイジングと足底筋膜炎のストレッチを指導。
さて、その後シューズを買い直されたのですが、痛みが再燃しての来院です。

なぜでしょう?

早速シューズを見てみました。
サイズは26.0cmの4Eで合っています。
履いていたのはこの靴!(写真を撮り損ねたのでWEBから)
シェイプアップ?シューズに注意_b0102247_2125189.jpg

これはダンロップのARSというシェイプアップシューズです。
アクティブローリングシステムとバランスサポーターでシェイプアップがおこなわれるのが特徴です。
この不安定なヒールがそれを物語っています。
床に置いてみると、前後左右にグラグラ揺れます!

ん?
何かに似ていませんか?!

そう、リーボックのイージートーン。
クリニックにみえる方で結構多い足の障害の原因となっているシューズです。
シェイプアップ?シューズに注意_b0102247_21382996.gif

でもABCストアでは今でも、”美脚”で売っています。
不安定なので自然に筋肉を使い美脚効果があるとのことですが・・・
実はこの効果、アメリカエクササイズ協会のページで完全に否定されています。
参照ページ
シェイプアップ?シューズに注意_b0102247_21444347.jpg


安定性の悪いシューズは、足の機能を悪化させることがあります。

くれぐれもシューズ選択は慎重に・・・ね!!





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by ccr-net | 2015-07-21 21:49 | フットケア

ポケットの多い医療者になろう

大切なのはメニューとポケットの多さ

昨日、私たち夫婦の友人である渡部須美子さんが一人の若い医師を伴ってクリニックに遊びにきました。
ゴルフのいや大切なお仕事のついでに寄ってくれたのですが、以前から紹介したがっていた方です。
まだ若い彼の目はキラキラし、希望に燃え、それでいて地に足がしっかりとついているのです。

かつて若い頃の私も、今のような濁り目でなく、目がキラキラしていたような気がします。
ねえ、松嶋先生!

今の若い先生たちにお会いして感じるのは、彼らの医師としてのベース(基本的知識)の広さです。
これは、明らかに在学中と卒後教育の賜物です。
一部で評判の悪い現在の医師研修制度ですが、私は素晴らしいと思っています。
だって、私たちの頃は卒業したらすぐに医局に入り、専門馬鹿になってましたから・・・

さて、立派な教育を受け、医師として専門分野に踏み出した彼らはどうしたらいいのでしょう?
それは、できるだけ多くの症例と真摯に接し、多くの経験を積むことです。
その経験の一つ一つが、明日のあなたの医師としてのポケットやメニューの多さにつながっていくのです。
自分の専門分野は深く狭くでもいいでしょう。
でも、それ以外の広範な知識があなたの医師としての未来を形作るのです。
そしてそのポケットの多さメニューの多さが良医に繋がるのだと思います。

ポケットの多い医療者になろう_b0102247_2312057.jpg


最近は珍しい症例が多く、
今週はギランバレー症候群疑いが2件、
今日のお知り合いの方の電話とライン添付写真での医療相談の結論は回帰性リウマチでした。
想像力豊かな私の診断ですから、ハズレかもしれませんが・・・

あなたのポケットはいくつあるでしょうか?



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by ccr-net | 2015-07-17 23:01 | 医療

病院とは何か?

チーム医療だけではない大分岡病院の素晴らしさ

先週水曜日は創傷ケアセンターの見学目的で大分岡病院へ伺いました。
メンバーは4施設計7名、途中予想以上に時間がかかり予定の時刻より1時間遅れで到着しました。
事前にきちんとした研修プログラムを立てていただきながら大幅に遅れ、ちょっとパニックです。
そうした私たちを、岡病院の方々は暖かく迎えてくださいました。

それからの6時間、ほぼ休みなく至福の時間が過ぎました。
1時間の遅れは、お弁当の時間にランチョンセミナー風特別講義までしていただきました。

病院とは何か?_b0102247_22392714.jpg
病院とは何か?_b0102247_22385740.jpg

フットケアは、チーム医療です。
大分岡病院には完璧にそのチームが機能していました。
医師・看護師・理学療法士・作業療法士・MSW・臨床心理士・検査技師・・・素晴らしいチームです。

形成外科の古川雅英先生、理学療法士の大塚未来子さん、
お二人は以前から存じ上げていましたが、チーム全体が素敵なのです。

岡病院の創傷ケアセンターについて、私にはある程度の予備知識がありました。
ですから、それが素晴らしいのはある意味予想の範囲です。

けれども、病院そのものが予想を超えていました。
それは、古川先生の出された”鄙には稀な・・・”という一枚のスライドがよく物語っています。

病院とは何か?_b0102247_23135777.jpg

この写真何かお判りになりますか?
病院のエントランスを入りすぐ左手に設置された連携病院の一覧です。
そんなの珍しくないでしょ?!

そうですね、ただの連携病院の一覧ならね。

これは、各病院のパンフレットです。
全てB5二つ折りの同一の様式で作られています。
しかも全て岡病院のスタッフの手で作られているのです、掲載された写真も出向いて撮影されています。

信じられません!!

患者さんに他の医療機関を紹介するときにその病院のパンフレットや情報を渡す・・・
そこまでやるから医療サービスだとずっと思っていました。
けれども患者さんにとっては、同じ様式の方がずっと見やすく、必要な情報を得るのは簡単です。
でも、ここまでやるか?!

こうしたサービスの徹底はおそらくこの病院の基本なのでしょう。
それは、当日の私たちの研修プログラムの臨機応変な変更にもあらわれています。
細やかな配慮と実行・・・
凄い病院です。

当日のコーディネイトをしていただいた岡田八重子さん、
本当に素晴らしい病院をお作りになりました。
やっぱり病院は人です!



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by ccr-net | 2015-07-12 23:33 | 医療

医療麻薬について知ろう

進化する疼痛治療

6月18日に医療用麻薬の海外持ち出し持ち込みに注意!というタイトルで、〝トヨタのオキシコドン騒動〟について書きました。
このオキシコドンについては騒ぎの後、あちこちで書かれていますが、ハーバード大学の大西睦子先生の書かれたものが判りやすいでしょう。
参照:トヨタ役員逮捕「オキシコドン」報道に対する米国での反応

ただ、大西睦子先生は日本を離れてだいぶ経ってらっしゃるので、現在の日本の状況について書いてみます。

まず、現在がん以外の強い疼痛(非がん性慢性疼痛)に日本で認められている麻薬には以下のものがあります。
① リン酸コデイン 、塩酸モルヒネ : 以前から認可 麻薬免許必要
② デュロテップMTパッチ   : 2010年認可 麻薬免許 + e-laearning 必要
③ ワンデュロパッチ  : 2011年認可 麻薬免許 + e-learning 必要
④ トラムセット      : 2011年認可 
⑤ ノルスパンテープ    : 2011年認可 e-learning必要
*①〜④は1ヶ月処方可能、⑤は2週まで


医療用麻薬にも麻薬免許のいるものといらないものがあります。
面白いですね。
また、貼付剤はすべてe-learningが必要です。
*麻薬免許は基本的に診断書(精神機能の障害・麻薬及び覚せい剤の中毒がない)があれば申請でOKです。

さて、医療用麻薬について理解して頂くには、まずWHOの除痛ラダーを知ることです。
医療麻薬について知ろう_b0102247_225567.jpg

さて、上記の①〜⑤のうちリン酸コデインやトラムセットはステップ2で、②③⑤はステップ3です。
話題のオキシコドンは量によってステップ2と3の両方に位置します。
逆に麻薬免許のいらないノルスパンテープはステップ3です。
不思議ですね!
ステップ1の薬剤には従来の消炎鎮痛剤や抗うつ剤や安定剤などが含まれます。
日本は以前はほとんどの医師がこのステップ1の薬剤のみを使用してきました。
でも、ステップ2のトラムセットやステップ3のノルスパンテープは麻薬免許なしでも使用できます。
非常に垣根が低くなったのです。

さて、オキシコドンはというとステップ2と3に位置するので、実はそんなに危険な薬剤ではありません。
ただし適応は癌性疼痛のみです。
オキシコドンは乱用が危惧される薬剤ですので、通常の非がん性慢性疼痛には日本では認められていません。
ここが、今回の問題点の一つなのです。

こうしたオピオイド性の薬剤は慎重に使用する必要があります。WHOもそれを推奨しています。
医療麻薬について知ろう_b0102247_22275549.jpg

また、医療用麻薬は適正使用すれば中毒性がないことも判っています。
医療麻薬について知ろう_b0102247_22294194.jpg


医療麻薬は今や日本でも特殊な薬剤ではありません。
日本では癌性疼痛にしか処方できないオキシコドンは、私も2名の患者さんに処方しています。
特別な医療機関しか処方できない薬剤ではないのです。

今回のオキシコドン騒動は残念な結果になりましたが、多くの方が医療用麻薬を知るよい機会でした。

医療用麻薬は適正使用すれば、とても有効な薬剤です。



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by ccr-net | 2015-07-06 22:36 | 医療
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