SENDA MEDICAL CLINIC BLOG

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リスクゼロの手術なんてない

医療になぜか求められるリスクゼロと成功率100%の不思議

今日、ローライズパンツによる腰痛の患者さん(結構いらっしゃいます)に疾患説明をしていて、その方の他科の疾患について意見を求められました。
婦人科系の疾患に対する手術ですが、ここで定番とも言える質問がでました。

『手術のリスクはゼロでしょうか?』
『成功率は100%でしょうか?』


誤解がないように申しますが、この方はごく普通の女性で特に神経質と言うわけではありません。
専門分野ではないので、一般的なお話をし詳細は専門医にお尋ねになるようにお話をしました。
最後は笑顔でお帰りになったのですが、こうしたことは実は医療の現場ではよくあります。

『その治療は危険性はゼロか?』
『必ず良くなるのか?』

ご自分の命や体に関わることなのでお気持ちはよくわかるのですが、これってちょっとおかしくありませんか?

人が生きていく上で、リスクゼロなんてものは実は存在しません。

道を歩いていれば、常に交通事故の危険性はありますし、
食事をすれば、食中毒の可能性だって有ります。
化粧品にはアレルギーのリスクがありますし、
あなたが乗っている飛行機が落ちる可能性だってあるわけです。
そんなことは皆判っているので、誰も『リスクはあるのか?』なんて質問はしないのです。

医療は、メディケーション(薬物療法)・オペレーション(手術)・リハビリテーションなど、
そのすべてに常にリスクがあります。
また、その治療効果は100%などということはありえません。
ただ、私たちは少しでもそのリスクを減らし、
その効果を100%に近づけるよういつも努力しているのです。
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医療は常にリスク(危険性)とベネフィット(得られるもの)のバランスで出来ています。
患者さんにとってのベネフィットがリスクを上回る、だからこそ医療がおこなえるのです。
そのリスクとベネフィットのバランスは、病気の質や重さによって異なります。
癌などの悪性疾患ではリスクの比重は重く、より軽症の疾患では軽くなります。

そのリスクを背負うのは私たち医療者だけではありません。
患者であるあなたも背負うのです。

リスクは常にあります。
でもそれを極限まで減らし、より高いベネフィットを得るために日々努力をしていくのです。
それは私であり、患者であるあなたでもあるのです。


リスクゼロの手術、
成功率100%の手術、
そんな時代がいつかくればいいですね。


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by ccr-net | 2012-02-28 23:09 | 医療

なぜ素直に輸入しないのか?インフルエンザワクチン用新型注射器の不思議。

国産にこだわるインフルエンザワクチン

猛威をふるったインフルエンザも大分下火になってきましたが、今日のCareNetに面白い記事が出ました。
痛み抑えるインフル注射開発へ…深く刺さない針と題されたこの記事、次のようになっています。
第一三共と医療機器大手のテルモは23日、通常より短い針で皮膚の上層部に薬剤を投与し、痛みを大幅に抑えるインフルエンザワクチン用注射器を共同開発すると発表した。
テルモが注射器を、第一三共が注射器に適した感染症予防ワクチンを開発する。国内初の試みで、2016年頃の実用化を目指す。
通常のワクチン接種では長さ13ミリ・メートル程の針を皮下組織まで刺すが、両社は長さ2ミリ・メートル程の短い針を使う。針を深く刺す必要がないため痛みを大幅に抑えられる上、従来以上のワクチン効果が期待できるという。

〝なかなかよいね〟と一瞬思いましたが、この話どこかで聴いたことありませんか?
実は昨年11月に本blogでもインフルエンザワクチン接種は皮内が効果的?!という内容で取り上げています。

皮内マイクロインジェクションといわれる方法でのインフルエンザワクチン接種(Fluzone Intradermal )は、オーストラリア・カナダ・ヨーロッパ諸国など世界40カ国以上で承認されています
Sanofi Aventis社の開発したこの方法の優れているところは、少量(1/5)で従来と同等の効果が得られることです。
ー 中略 ー
また、通常の方法では接種に25mm~40mmの針を用いますが、
Fluzone Intradermal の針はわずか1/10の1.5mm!!

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今回の発表は、まさにこのSanofi Aventis社のFluzone Intradermal の日本版!
パクリとまではいいませんが、なぜ素直に輸入しないのでしょう?

既に世界40カ国以上で認可されているFluzone Intradermal 、
できれば来年度には認可されていればと思います。


国産にこだわるよりも、ワクチンラグと言われるタイムラグの解消を・・・
そう願うのは私だけでしょうか?


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by ccr-net | 2012-02-27 23:21 | インフルエンザ

素敵なコラボレーション

新しいチーム医療とは

今日は午後2時から鶴田朋子さんによるフットケア・ワークショップをクリニックでおこないました。
鶴田さんはFROM PEDIを拠点にフットケアをおこなう熊本では一番のスペシャリスト、その鶴田さんにフットケアの実践的講義をしていただきました。
参加したのは私を含むナース16名、3時間におよぶワークショップはとても楽しくあっという間に過ぎました。
その内容は『わあ凄い!』と思えるものから『え?そうなの?!』という目から鱗の事まで盛りだくさん。

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私たちは、当然知ってると思っていることが実は間違っていたりいい加減であったりすることがよくあります。
私自身、救急病院で働き心肺蘇生についてはきちんと理解し実行してきたつもりでした。
けれどもAHAのBLS2005研修をはじめて受講した時、それまでの自分の心肺蘇生に対する理解がいかに不十分だったかを知り愕然としました。
また爪切りやフットケアは本来看護業務の基本であるはずですが、きちんと理解している方はいったいどれくらいいるでしょうか。

今日の講義で鶴田さんから私たちが学んだのは、
〝実はフットケアについて私たちはほとんど知らない〟ということでした。

それは、
医療者は医療の専門家ではあるけれれど、その分野のスペシャリストには敵わない
という当たり前のことです。

チーム医療が提唱されて随分経ちました。
確かに私たちは以前よりだいぶ他職種との連携が上手になってきました。
でも、それは医療者の中でという狭い世界でのこと、広い外の世界にはけっして目を向けてはいません。

外の世界には素晴らしいスペシャリストが沢山います。
そうしたスペシャリストとの連携が新しいチーム医療なのです。

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鶴田朋子さん、ようこそ私たちのチームへ!


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by ccr-net | 2012-02-25 23:00 | 医療

PPIはNSAIDの救いの神か?

NSAIDsからアセトアミノフェン・オピオイドへの変更はいかが

NSAIDs(非ステロイド消炎鎮痛剤:ロキソニンなど)潰瘍の予防投与ではプロトンポンプ阻害薬(PPI)がガイドライン上第一推奨(グレードA)ですが、PPIの長期使用にリスクがあるのは本blogでも既出の通りです。
PPI使用は諸刃の剣かPPIと骨折リスクについて考えてみる

ガイドラインではグレードAの推奨薬になぜこんなリスクがあるのかというと、答えは簡単、NSAIDs使用に際して『長期使用』という観点が抜けているからです。
日本は先進国の中でNSAIDs使用が圧倒的に多く、しかも使用期間が長いのが特徴です。
ということは、当然併用するPPIの使用期間も長くなります。

2月20日の日経メディカルオンラインにそうしたPPIの長期使用に対する警鐘が出ました。
PPIを長期服用する閉経女性の股関節骨折リスクは3割上昇と題されたこの論文はBMJ誌電子版に2012年1月31日に掲載されたものです。
米国では、PPIがOTC薬になった03年以降、使用者が急増している。PPIは、短期的に使用した場合の忍容性は高いが、カルシウム吸収を阻害する可能性や、破骨細胞の機能に影響を与える可能性があるため、長期にわたって服用すると骨折リスクが上昇するのではないかと考えられている。だが、これまでに行われたPPI使用と骨折の関係を調べた研究は、いずれも質が高くなかった。
そこで著者らは、閉経女性を対象として、PPIの長期的な使用と股関節骨折の関係を調べる前向きコホート研究を実施した。加えて、過去に行われた研究の結果と今回得られたデータを合わせて系統的レビューとメタ分析も行った。
ー 中略 ー
プロトンポンプ阻害薬(PPI)を日常的に2年以上使用している閉経女性は、そうでない閉経女性に比べて股関節骨折のリスクが35%高いこと、喫煙女性の場合のリスク上昇は50%を超えることが、米国で行われた前向きコホート研究で明らかになった。

これをみるとやはりPPIの無為な長期連用は危険です。
かといってPPIの効果はやはり絶大ですから悩ましいところです。

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ということで、結論は3つ!
1)PPIおよびNSAIDsの長期連用はしない
2)PPIを用いずサイトテックを併用する
3)アセトアミノフェンまたはオピオイドを用いる

 
取りあえずクリニックではロキソニンなどのNSAIDsからアセトアミノフェンへのシフトを開始し始めました。
果たして、その効果は?



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by ccr-net | 2012-02-23 22:41 | 医療

20,000人のカルテ

ひとつから始まった多くのカルテ

平成14年4月に開業し、もうすぐ10年になります。
月日が経つのは本当に早いものですね。
そんなクリニックでは、スタッフの間で密かに数日前からカウントダウンが始まりました。
それは20,000人目の患者さんの来院です。

19,990人目くらいから大騒ぎ、
『20,000人目の患者さんはどんな人だろう』
そうした不謹慎ともいえる想いが皆の胸にありました。

そして、20,000人目・・・
なんとインフルエンザA型の若い男性でした!
整形外科がメインのクリニックに、インフルエンザの方が記念すべき20,000人目になるなんて・・・
ちょっと面白いですね。
でも、この方、実は他にもここには書けないような色んなエピソードが今日クリニックであり、
全員の胸に深く刻まれる事になりました。
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20,000人・・・
開業した当初、想像できなかった数字です。
カルテが1,000を越えると、皆でお祝いをしたのがつい昨日のことのようです。

この10年、多くの方にご来院いただき、
少しずつ地域に愛され、根付いたクリニックになれたような気がします。
そして、これからも、いつもベスト・エフォートの出せるクリニックであり続けたい、
それが私たちの想いです。

次の目標?
それは勿論30,000人ではなく、
22,222人です!

このキリ番ゲット、
ちょっと難しいですよ。
だって、それまで私たちのクリニックには来院できないのですから・・・



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by ccr-net | 2012-02-21 22:11 | CLINIC

分厚くなった肥厚爪、放置していませんか?

正しい爪の処置を知ろう

今日は在宅患者さんの肥厚爪の処置のため往診に出かけました。
白癬(水虫)などで分厚くなった爪は普通の爪切りでは切れません。
そこで通常はニッパーを使って切っていきます。

これは魅力的な声から判断すると、おそらくフットケアのエキスパート石橋理津子さんの指導だと思います。
何気なくニッパーを使用されていますが、実際には結構難しいので初心者はご注意を。
このビデオの中でされているようにあまりにも爪が厚くなるとニッパーでも無理です。
そうするとここでグラインダーの出番です。
通常ここで使用されているようなポータブルタイプのグラインダーを用いますが非力なので時間がかかります。
当然、医療用の専門のグラインダー(ドイツ Unitronic社など)もあるのですが、高価です。
そこで私は、ガラス加工用のルーターを使っています。
プロクソン ミニルーターセットなんと驚きの3,546円です。
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また高価なダイヤモンドバーも工具なら各種30本セットで6,000円という安さ。
(医療用ならこの10倍はかかります)
このルーター、コンセントに繋がなければいけないのですが、強力です。
あっというまに爪も削れる優れもの!

というわけでちょっと本題からはずれましたが、爪の処置はとても大事です。
webにはこの他にも幾つもの『出直し看護塾』のビデオが出ていますので、是非ご覧下さい。

クリニックでは、今週末FROM PEDIの鶴田 朋子さんにワークショップをお願いいたしました。
エキスパート・セラピストの鶴田さんと、またお会いできるのがとても楽しみです。

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by ccr-net | 2012-02-19 19:00 | 医療

最低限の検査とは?

やっぱり怖い合併症

一昨日、嘔吐・下痢・発熱で来院された男性、一見ウイルス性感染性腸炎(ロタウイルス)のような症状でしたが、前日に卵料理を食べその後の発症ということもあり細菌性感染性腸炎(サルモネラ)を疑い直ぐに緊急採血をおこないました。
結果はWBC・CRP共に高値(なんとCRPは20!!)で細菌性腸炎だったのですが、脱水症と著明なALT・ASTの上昇(なんと1000越え)を認め肝炎を併発していました。
これだから感染症には採血が必要なのです。
すぐに、近医に緊急入院していただいたのですが、翌日担当の先生からお電話をいただきました。
『入院時の心電図で異常があり、追加検査で心筋梗塞がおこっているようです。すぐに熊本医療センターの循環器に搬送したいと思いますがいいでしょうか?』
これには、ちょっと吃驚!
来院時、そうした兆候は全くなかったからです。
元来循環器疾患の既往のない方ですので、著明な脱水から二次的に血栓症を併発したのかもしれません。
やっぱり、決めつけずに最低限血液検査は必要ですね。
何もせずに単なる感染性胃腸炎と決めつけていたら・・・と思うとぞっとします。

一方今日のヘルスデージャパンに訴訟への不安から整形外科医は不要な医療を実施という面白い記事が出ました
米国の整形外科医のほとんどが、訴訟を避けるために本来必要のない「防衛的医療(defensive medicine)」を実施していることが全国的な調査によって示された。研究著者の1人である米バンダービルトVanderbilt大学メディカルセンター(テネシー州ナッシュビル)のManish Sethi博士は、「全米にわたり整形外科医は標準的な医療から離れ、訴訟を恐れて行動するようになっている」と指摘している。
米サンフランシスコで開催された米国整形外科学会(AAOS)年次集会で発表された今回の研究では、AAOS登録簿から無作為に選択した整形外科医2,000人を対象にウェブ調査を実施し、61%の回答が得られた。1,241人のうち96%が、主に医療過誤訴訟を避けるためにスキャン、臨床検査、専門医への紹介、入院などを指示する防衛的医療を実施したことがあると回答。平均すると、検査全体の24%が防衛を目的とするものであった。

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無駄な検査は勿論不要ですが、最低限の検査は必要です。
でも、最低限の検査ってなんでしょう・・・
難しい問題ですね。

ちなみに当院の症例では、感染性胃腸炎の80%はノロウイルスではなく細菌性の食中毒です。


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by ccr-net | 2012-02-17 22:04 | 医療

進化する痛みの治療

終焉を迎える消炎鎮痛剤の長期投与

今日は診療終了後、大急ぎでトラムセットの勉強会に出かけました。
先週はリリカを中心とした慢性頭痛のワークショップに東京まで出かけていましたので、ここのところ疼痛管理の勉強でいっぱいといったところでしょうか。
今回のお目当ては、仙台ペインクリニックの伊達久先生、伊達政宗の17代目の末裔にあたるという吃驚の血筋ですが、最先端のペインクリニックを仙台でおこなっておられる今もっとも注目すべき医師です。

仙台ペインクリニックは単なるペインクリニックとはちょっと違います。
4名の麻酔科医・1名の整形外科医・1名の精神科医、それに理学療法士や心理療法士を擁したまさに痛みのトータルケアができる全国でも例をみない有床診療所です。
ここでは以前当ブログでも腰痛治療の新しい波他でご紹介した認知行動療法も行われています。
今回はそうした伊達先生の医療の一部である薬剤による疼痛管理について、トラムセットの使用法を中心としたご講演でした。

内容の多くはすでに理解しているものでしたが、細かな使用法・留意点など非常にためになるものでした。
先週のワークショップとはまた異なる視点からのものでしたので、1+1=3となったような気がします。
この2つの勉強会は、今後の私自身の疼痛治療の方向性を決めていく一つの転換点となりそうです。

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痛みの治療は常に進化しています。
もちろん私たちのクリニックも。
これからの1年、その進化がとても楽しみですね。



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by ccr-net | 2012-02-16 22:45 | 医療

チョコレートは食べたいけれど・・・

チョコレートの健康効果と肥満への影響・・・それが問題

昨日はバレンタインデー、
チョコレートはいかがでしたか?

美味しくて美しいチョコレートですが、食べ過ぎると太ってしまう、そんな悩みが誰にもありそうです。
一方、チョコレートの健康効果については以前も当ブログでご報告したとおり、いろいろな報告があります。
チョコレートは体にいいのか参照
一度食べ出すとついつい沢山食べてしまうチョコレート。本当に悩ましいことです。

そんなあなたにちょっといい知らせが出てきました。
ウォーキングでチョコレートへの渇望が抑えられると題された面白い記事が少し前のCareNetに出ています。
短時間のウォーキングによって、仕事中に食べるチョコレートなどの軽食の量を軽減できることが、英国の新しい研究で示された。
今回の研究は、普段チョコレートを食べているが、2日間チョコレート断ちした78人を対象とし、職場を模した作業環境で実験したもの。被験者を4群に分け、2群はトレッドミルを用いて早足で15分間歩いた後、机に向かい比較的易しくストレスの少ない課題か、難しくストレスの大きな課題のいずれかに取り組んだ。残りの2群は、課題の前に歩かず休息した。課題に取り組む間、全被験者の机にはチョコレートの入ったボウルを置いた。
その結果、課題の前に運動した群は、課題前に休んでいた群に比べ、チョコレートを食べる平均量が半分であった(15g対28g)。15gは小型の一口サイズ(fun-size)のチョコレートバーに相当する。課題の難易度によるチョコレート摂取量への影響はみられなかったことから、ストレスは渇望に影響を及ぼさないことが示されると、英エクセターExeter大学の研究グループは、医学誌「Appetite(食欲)」オンライン版に11月10日掲載された報告で述べている。

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短時間の運動でチョコレートの摂取量が半分に減らせるとすると、これは一石二鳥かもしれませんね。
熊本城マラソンや東京シティーマラソンに向かって練習をされているみなさん、
今年のチョコレートの摂取は半分以下で大丈夫ですか?

でも、やっぱりそんなことは考えずに食べるチョコレートがやっぱり一番!
余計なことは後回しにしましょうね。


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by ccr-net | 2012-02-15 21:49 | 健康

痛みの治療は誰の仕事?

整形外科の役割はどこにある

先週末、東京へ痛みのワークショップに行ってきました。
『整形外科医における神経障害性疼痛の実践的アプローチ』と題されたこのプログラム、
〝はるばる休みの日(建国記念日)に出かけてきてよかった〟と実感させる素晴らしいものでした。
6名の先生方の講演とディスカッションからなるこのプログラム、それぞれ有意義でしたが、
そのなかで山口大学教授の田口敏彦先生の講演は素晴らしいものでした。
まず、1986年国際疼痛学会の提唱した痛みの定義についてのお話。
An unpleasant sensory and emotional experience associated with actual or potential tissue damage, or described in terms of such damage.
(痛みとは)不快な感覚性・情動性体験であり、それには組織損傷を伴うものと、そのような損傷があるように表現されるものがある。
そして侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛の違いについて、判りやすいアニメーションを使っての説明。
痛みの機序やそれに対応するにはどういう薬剤を使うべきか、非常に判りやすくお話をいただきました。
疼痛の機序と治療についてはあるていど理解していた私ですが、まさに目が覚める想いでした。

けれども、もっとも心打たれたのは実は大阪南医療センター病院長の米延策雄先生のお話です。
「痛み止めを出しておきましょうか?」
「それは病気を治す治療ですか?」
「いいえ、直接には炎症を抑え、痛みを和らげる作用を果たす薬です」
「では要りません。胃を悪くすることもあるので」
運動器の傷みを訴える患者の診療でありそうな会話です。
ここに診療側にも、受療側にも、対症療法は根治療法に劣り、鎮痛剤は副作用が大きく、それなら痛みを我慢するとの考え方が浸透していることが窺われます。
痛みを軽減することから始まった医術が科学に基盤を置く医学へと発展するにつれ、原因病理の解消を通じての治療が本流となりました。
そして、対症療法は劣位に置かれるようになりました。

米延先生のお話は、「いかに痛みを軽減することが大切な事か」「その中で整形外科医の果たす役割は何か?」ということに続いていきます。
ご講演でも、座長としてのお話でも度々先生が口にされたのは以下の言葉です。
『今、整形外科医は忙しく多くの患者の診療に追われている。
しかしだからといって、痛みの問題をおろそかにしてはいけない。
これからの10年、私たちは痛みに対するきちんとした実践的研究を続け、現状に留まらないことが大切だ。
痛みの治療、それをペインクリニックを標榜する麻酔科医や内科医がおこなうのか、あるいは私たち整形外科医がおこなうのか、今が大きな分岐点なのです。』

私たち整形外科医は、本来痛みのプロであるはずです。
理由は簡単、私たちにはいくつもの武器があるからです。
正確な診断、的確な薬物療法、ブロックを含むペインクリニック的治療、電気やレーザー治療などの消炎鎮痛、そしてリハビリテーション・・・これだけいくつもの選択肢を持つ診療科は他にはありません。
けれども多くの整形外科医はあまりにも薬物療法に無理解で、漫然としたルーティンの治療を続けています。

『整形に行っても治らないから、整骨院に行った。』
『ペインクリニックに行ったらよくなった』
私たちが日常よく耳にする会話です。
この言葉を私たちは漫然と聞き流していないでしょうか?
ライバルは整骨院でありカイロプラクターでありペインクリニックなのです。
その自覚が私たち整形外科医にあるでしょうか?
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私たちはメニューの豊富なレストランです。
多くのレシピの中からあなたの症状にあった料理を提供します。
もちろんお味は抜群・・・
そんなお店が他店に負けるはずはありません。

『先生、痛みをとるのはその場しのぎでしょ?』
『いいえ、痛みを取ることこそがあなたにとっての最善の治療であり根本的治療なのです』
今日の私は患者さんとそんな会話を交わしています。

整形外科医は痛みの治療のプロです、
あなたの治療、誰にも負けるはずがありません。



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by ccr-net | 2012-02-14 22:05 | 整形外科
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