SENDA MEDICAL CLINIC BLOG

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映画オーケストラ LeConcertが素晴らしい

大切のなのはコンチェルトとハーモニー

先ほどスターチャンネルで映画『オーケストラ』を観ました。
映画の舞台はロシアとパリ。
ボリショイ交響楽団の主席指揮者だったアンドレイ・フィリポフは、ブレジネフ政権時代にユダヤ人排斥に反対し解雇され今は劇場の掃除夫として働いている。ある日、彼は劇場に届いたパリ・シャトレ座からの出演依頼に昔の仲間をさそい、ボリショイ交響楽団としてパリに乗り込む。そこにはチャイコフスキーのバイオリン協奏曲に対する深い思い入れと、ソリストとして指名したスターバイオリニスト、アンヌ=マリー・ジャケへの想いがあります。
フランス映画らしいユーモアとラストの演奏シーンの圧倒的迫力があります。

この映画、1980年代にボリショイ交響楽団でユダヤ人団員をかばったために指揮者が解雇された事件と2001年に偽ボリショイ交響楽団が香港でコンサートツアーを行ったエピソードを参考にしたものだそうです。
リハーサルなしのぶっつけ本番で公演に挑むという設定には批判の声もありますが私自身はそこが大好きです。

邦題ではなぜかオーケストラという題に変更されてしまいましたが、原題はLE CONCERT・・・
コンサートと訳されていますが、本来はCONCERT=CONCERTOです。
勿論、チャイコフスキーのバイオリン協奏曲(コンチェルト)ですが、ここにはコンチェルト本来の意味があるように思えます。
コンチェルト(concerto)は本来ラテン語の「競う」「争う」を意味する「concerto」が語源です。
そこから同じつづりのイタリア語となりますが、意味は「一致させる」「協力する」です。
リハーサルなしで最初ばらばらだった団員の演奏がアンヌ=マリー・ジャケの演奏(伏線があるのですが)に引き込まれるように昔を思い出し、一つの方向にまとまり素晴らしいハーモニーを奏でていきます。
音楽フアンでなくてもラストの10分間は圧巻です。



大切なのは皆のコンチェルトとハーモニー・・・
医療も一緒ですね。
まだご覧になってない方は是非ご覧あれ。


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by ccr-net | 2011-08-22 00:17 | その他

皮膚に貼るシールで生体情報を検知

今そこにある未来
昨日のヘルスデージャパンに皮膚に貼る「タトゥー」型電子機器で心拍数などの身体機能を追跡という記事が出ました。
原文は研究室のLinkをどうぞ。
タトゥー(tattoo)シールのように皮膚に貼ることができ、心拍数、脳波、筋活動などを検知、送信できるパッチ(2インチ [約5センチ]平方)が開発された。この“装着型電子機器wearable electronics”によって、邪魔な配線や電極がいずれ不要になる可能性がある。米科学誌「Science(サイエンス)」8月12日号に掲載された論文の著者である米イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校のJohn Rogers博士によると、このパッチには高度な電子機器(デバイス)が埋め込まれているにもかかわらず、装着しているのがほとんどわからないという。

わずか30μm ( 0.03 mm)という信じられないくらいの厚さのこのチップ、まずは下の図をご覧ください。
b0102247_22554593.jpg
ちょっと吃驚です。
この機器の使用法は無限です。
開発者のJohn Rogers, Ph.D.はこの可能性について次のように語っています。
目に見えないので、この機器により睡眠を妨害せずに睡眠パターンのモニタリングを行うことや、未熟児の監視、粘着テープや配線の使用が適さない状況など、あらゆる応用が可能だとRogers氏はいう。また、言葉を認識して筋肉の運動に結びつけることもでき、人工装具のコントロールや、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの神経疾患患者のコミュニケーションにも有用なものとなる可能性があるほか、電気刺激を用いて創傷の治癒を促す“賢い(スマート)”バンドエイドの基礎となる可能性もあるという。

こんな機器が商品化されれば素晴らしいですね。
ちょっとわくわくしませんか?


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by ccr-net | 2011-08-19 23:06 | 医療IT

誕生日にまつわるエトセトラ

生きることは楽しい

今日は私の誕生日、57歳になりました。
ついこの間18歳になったというのに、月日のたつのは早いものです。
57回目の誕生日、別にこの歳になって祝ってもらっても・・・とひねてみても、祝ってもらうと何となく嬉しいものです。

今日だけはあなたがヒーロー・・・
そんな気持ちにさせるのが誕生日


幼い頃、祖母から『あなたが生まれたのは地獄の釜が開いて閉まる日だから』と言われて育ちました。
小学生になり本の虫だった私は、すぐにそれが誕生日前日の16日のことだと気づきました。
私が生まれたのは『なんでもない日』、
地獄の釜と関係なくて良かった、と胸をなで下ろしたものです。

私が生まれたのは真夏の正午過ぎ、午前中に母が産気づき産婆さんを呼び産湯をつかる盥がなかったので末っ子の叔母が買いに行ったそうです。
その日は朝から良い天気でしたが、盥を買って帰る途中急に雷雨になり、叔母は盥をかぶって帰ってきました。
それで幼い頃は、〝雷さんの生まれ変わり〟と言われて育ちました。
(子供にとってはあまり嬉しい例えではありませんね)

自衛隊が発足した1954年に生まれた私は、文字通り高度成長期を過ごしてきました。
(高度成長期:1954年(昭和29年)12月から1973年(昭和48年)11月までの19年間)
そのせいかお誕生会はよく開いてもらった記憶があります。
大きくなり大学生になり『誕生日は何の日?』と聞かれると『パイナップルの日』と答えていました。

そんな誕生日を何度も迎え、とうとう57回目を迎えました。
感想は?ときかれれば、『人生は楽しい!』という一言です。
これは、ゲーテの次の言葉の影響があるのかもしれません。

人が旅をするのは、
到着するためではありません。
それは旅が楽しいからなのです。


医師になったとき60歳になったらリタイヤして自分の好きなことをしようと思っていました。
けれども、あと3年となった今、とてもリタイヤなんてできません。
だって、医療が好きだから・・・

今年の誕生日は多くの新しい友人たちに祝ってもらいました。
中にはHAPPY BIRTHDAYを歌ってくれた方も・・・

お誕生日ありがとう!
変ですか?



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by ccr-net | 2011-08-17 22:11 | その他

閑散としたお盆のクリニックもまた良し

今年のお盆はなぜか雨・・・

昨日の休日診に引き続き今日も診療をおこないました(例年お盆休みはとりません)。
いつものことですが、さすがにこの時期のクリニックは閑散としています。
通常の70%くらいでしょうか・・・
5時半以降はばったり来院も途絶え、さながら開店休業状態。
お盆に加え昨日から熊本は豪雨・・・午後9時現在で尚大雨警報が出ています。
昨日午後は雨風ともに強くまるで嵐のよう、今日も強い雨でした。

今までお盆にこんなふうに雨が降っていた記憶はないなあ・・・
そう思って早速ネットで調べてみました。

するとどうでしょう?
8月13日〜15日の熊本市の過去の天気は2005年〜2010年まですべて晴れです!
子供の頃もあまりお盆が雨だった記憶がありません。
1964年(私が10歳時)の福岡の天気・・・やはり3日間とも晴れです。
13日の迎え火、16日の送り火、
ほとんど雨は降りませんでした。

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今年はやはりなんか変ですね。
たまにはこんな日もよいかも、
おかげでゆっくりスタッフと雑談することができました。


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by ccr-net | 2011-08-15 21:26 | CLINIC

銅の殺菌効果

先人が教える暮らしの知恵

今日はお盆、
診療終了後昼食を済ませると妻と墓参りに出かけました。
私の墓所は自宅から車で1時間ほどのところにあります。ちょっとしたドライブです。
窓の外は目の覚めるような青空と入道雲!
夏ですね・・・
墓につくと早速お寺からバケツを借り受け、墓を洗い、花受けの水を替え、新たな花を供えました。
久しぶりの墓所の花はすっかり枯れ、花受けの水もこの暑さで干上がっています。
子供の頃は祖母とよく墓参りをしましたが、花の水が汚れるので10円玉を入れていました。
10円入れると水が濁らない・・・おばあちゃんの知恵です。

家に帰りネットをみていると、CareNetに国際感染症予防・抑制学会で成果報告、銅が院内感染軽減という面白い記事が出ています。
銅を集中治療室(ICU)の接触面に用いることで、院内感染のリスクが40%減少したという研究成果が、第1回国際感染症予防・抑制学会で発表された。米国防総省の助成金を受け、銅の殺菌力を利用することにより、病室内の病原体を減少させられるかどうかを調査した研究。銅製品を設置した病室では、表面の病原体を97%減少させることができた。これは患者が退院時に病室を空ける際の清掃で要求されるレベルに匹敵する。
銅と銅合金は米環境保護庁(EPA)から、病原性のある微生物を殺菌できる固形素材として唯一認可されている。研究を行うなかで、銅が院内感染率そのものを低減させるのではと考えられ、米国の3医療施設の協力の下で研究・実験が発展した。3施設ではベッドの手すりやトレイテーブル、ナースコール用ボタン、点滴支柱台の表面など、患者がよく触れる場所が銅製品に取り替えられた。

10円玉の知恵が、科学的に実証され、医療の現場で応用されているのです。

銅の殺菌作用については昔から広く知られています。
住友軽金属CopperWorldのページを見ると、次のようなデータが掲載されています。
銅イオン濃度0mg/L  0.1mg/L1mg/L  10mg/L
レジオネラ菌数7.0×10 5 3.0×10 5 1.8×10 5 1.4×10 4 (CFU/ml)
(100倍に希釈した試験溶液を0.1ml接種、35度・4日間培養後のBCYEα培地)

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銅イオン溶液の殺菌抗力試験(3時間作用後)

Legionella pheumophila が劇的に減少しています。




下は、病原性大腸菌O-157への銅の抗菌力効果をみたものです。
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では早速我が家も銅の導入を!といいたいところですが、銅には2つの欠点があります。
一つは高価なこと、もう一つは美観を保つには手入れが大変なことです。

さて、どうしましょ?


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by ccr-net | 2011-08-13 21:03 | 医療

日本で医療機器産業が伸びない理由

金は出さないが口を出す国は?

優れた工業製品を生み出す日本、当然医療機器もそうだろうと数多くの一般の方が思っています。
けれども現実はそうではありません。
日本の医療機器の市場規模は世界のおよそ10%の約2兆円です。医療機器はMRI・CTなどの検査系とペースメーカーなどの治療系でなりたっています。検査系の国内シェアは国産が優位に立っていますが、治療系はその約9割が輸入品でまかなわれているのが現状です。
ではなんで技術立国日本で医療機器産業がのびないのでしょう?

その疑問に答える形で、今日のCareNetに日本の医療機器産業の競争力を問うという化学工業日報社の記事が出ました。
米国医療機器・IVD工業会(AMDD)はこのほど、「日本の医療機器産業の競争力を問う」と題したメディアレクチャーを開催した。モノ作り大国とされる日本で、なぜ医療分野でのイノベーションが起きないのか。プライスウォーターハウスクーパーズ(PwC)が実施した「世界9カ国の医療技術のイノベーション力比較調査」と、AMDDがグローバル医療機器メーカーを対象に実施した「アジアにおける医療技術-日中韓における重要度調査」から、日本の課題を分析した。

さて、その答えは?

医療機器イノベーションを分析する柱として、「強力な金銭的なインセンティブ」「イノベーション創出の源泉」「規制当局の協力体制」「要求に厳しい患者」「協力的な投資環境」の5指標を挙げた。

金銭的なインセンティブでは、適用範囲の広い保険や高度医療への保険適用が医師に新しいイノベーションの採用を促すとし、各国の医療機器の保険償還請求の容易さなどを調べている。保険償還請求の容易さでは、イスラエルが6・9ポイントと最も高く、米国が6・6ポイントと続いた。日本は最低の3・4ポイントだった。
イノベーション創出の源泉では、各国の研究開発費合計を予測しており、米国が2020年でも先頭に立ち続けるが、中国が急速に伸びており、20年には現在2位の日本を上回るとみている。
規制当局の協力体制では、医療機器の薬事承認取得の容易さを調べた。承認取得が最も難しいのが日本で、取得までの期間は中国の2倍、米国の4倍、欧州の8倍。中国よりも承認プロセスが難しいのは日本だった。
ベストな解決を求める患者の存在がイノベーションの促進には不可欠であり、要求に厳しい患者では、1人当たりの病床数や医師数を調べた。日本の1人当たりの病床数は欧州の2倍、米国の4倍。1日当たりの入院コストは日本は欧州と同等で、米国は日本の5倍かかっている。日本は病床数や医師の密度が極めて高く、「医療アクセスに問題がないため、イノベーションの中でもモバイルの医療技術の普及は最も遅くなるだろう」と予測した。
協力的な投資環境では、初期段階の起業家活動とベンチャーキャピタル投資のGDPに占める割合を調べた。アーリーステージの起業家活動が盛んなのは中国、ブラジル、インドで、日本は最下位。GDPに占めるベンチャーキャピタル投資額ではイスラエルが1・2%で最も高く、日本とフランスが最低だった。ワズデン氏は「医療機器のイノベーションはスタートアップ企業から起きている。もし日本がイノベーションを促進したいのなら、ベンチャーキャピタルと起業家活動をもっとサポートすべきだろう」と指摘した。

こんな形では伸びようがありません。
お金を出さないのであればせめて口出しするなと思うのは私だけでしょうか?
この構図は、医療機器だけでなくそっくり医療業界全体にあてはまります。
もちろんその責任は、国だけでなくすべての医療関係者およびその受益者である私たち日本人全体にあります。
一概に規制が悪いとは思いませんが、過度な規制は産業の萎縮を招きます。

こんなふうに医療費抑制がおこなわれたのは、『医療費はこのままではとんでもないことになるよ!』という政府の試算に基づいています。
その代表選手の平成6年21世紀福祉ビジョンでみてみましょう。
これによると、予測では、平成12年度38兆円・平成22年度68兆円というとんでもない数字になっています。
では、実際はどうだったでしょう。
平成16年度31.4平成17年度32.4平成18年度32.4平成19年度33.4
平成20年度34.1平成21年度 35.3
まだ平成22年度はでていませんが、現実とは大きく乖離しているのは明白です。
なんでこんなことになるのかなあと思っていたらやはりそこは統計の難しさ(トリックともいいます)、計算の仕方で大きく変わってくるのです。
この部分は、これきわ雑記さんのグラフで見る 医療費の将来推計がとてもよくわかります。
統計のお好きな方はご覧あれ!

とにかく日本の財政事情が大変なのは誰の目にも明白です。
であれば、選択肢は2つしかありません。
他の予算を減らして医療福祉予算に回すか、医療を縮小するかです。
もちろん医療の縮小には、問題となっている救急や終末医療も含まれます。

今の流れは、選択と集中です。
(その前に医薬品・医療機器の内外価格差をどうにかして!)
もし、機能を目的とする私のような整形外科医がいらないとなれば、潔く在宅医療に特化しましょう。
それが、日本の選択であれば仕方ないでしょう。
でもその時には、多くの優秀な外科医が海外に消えていきそうな気もします。

昨日友人のDNR (Do Not Resuscitate:蘇生措置拒否)に関するTweetをみながらこんなことを考えました。


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by ccr-net | 2011-08-11 21:29 | 医療

震災食を作ってみよう

楽しく料理ができればいいな

今日のYOMIURI ONLINEに誰でも作れる「震災食」という楽しい記事が出ました。
金沢市の管理栄養士乙川味巧さん(45)が考案した「震災食」が注目を集めている。県内外の小中学校などで料理教室を開いており、乙川さんは「誰にでも簡単に作れるのが震災食。レシピを覚え、いざという時に活用してほしい」と話している。
金沢の栄養士考案
手軽においしくレシピ50種

鍋にビニール袋を入れて金時草やツル豆を一緒にゆでる
 震災食は、災害でガスや水道が止まっても身近な道具と手軽な材料で作れる食事のこと。乙川さんは都内で調理師専門学校講師をしていた約20年前、災害に備えて防災グッズをそろえようとしたが、おいしそうな非常食が見つからず、値段も高いと感じ、災害時に誰でもがおいしいものを食べられるようにするのはどうすればいいか考え始めた。

b0102247_20542182.jpg
リンク先の記事を見ると実際には結構手間がかかりそうですが、
作っている子供たちはとても楽しそう。

「災害のときは大変だと思うけど、
今回みたいに楽しく料理ができればいいなと思った」

子供たちの言葉が、とても光っています。

楽しくできればいいね!

もちろん私たちの仕事も!




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by ccr-net | 2011-08-10 20:57 | その他

BLS(一次救命処置)について知ろう

元サッカー日本代表DFの松田直樹選手が本日亡くなられました。
心からご冥福をお祈りします。


松田選手は2日、グラウンドで15分間のランニングを終え、脈拍を計測中に突然倒れたといわれています。
現在報道されている経緯は下記のようになっています。
9時42分  ランニング開始
 9時57分  ランニング終了
 9時58分  脈拍を測りながらストレッチの最中、突然体調不良を訴えその場に倒れ込む。
10時03分  救急車を要請(救急車到着までに人工呼吸・心臓マッサージを行う)
10時13分  救急車到着(出発までの12分間に、人工呼吸・心臓マッサージ・AED処置
10時25分  グランドを出発(途中でドクターカーに乗り換える)
10時50分  信州大学付属病院救急救命センターに到着 →ICU(集中治療室)に移動
有名選手の訃報を契機として、その後の救急救命措置について多くの報道がなされています。
不謹慎と思われるかもしれませんが、今回の松田選手の件について時系列を追って分析してみたいと思います。

心肺停止後5分以内に救急車を呼び、発症から15分で救急車が到着し、直ぐにAEDを用いた救命措置に取りかかっています。 病院到着はそれから37分後です。
問題は救急車が到着するまでの15分です。
この間人工呼吸・心臓マッサージによる一次救命措置が関係者によってなされています。
その後の報道で『AEDがあれば!』と多くの方が言われていますが果たしてそうでしょうか?

CPA(心肺機能停止)の場合、その発症から蘇生術開始までの時間が問題となります。
蘇生術開始がおくれると蘇生率は加速度的に低下するからです。

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蘇生術開始時間と蘇生率の関係にについては、
左の『ドリンカーの救命曲線』が有名です。
米国のドリンカー博士が、1966年にWHOに報告したものです
蘇生率は、蘇生術開始までの時間が、
1分で97%
2分で90%
3分で75%
4分で50%
5分で25%
10分を越えると0%となります。


ただこの蘇生術開始は人工呼吸を始めるまでの時間で、今回はすぐに始められているようです。
勿論、AEDがあるにこしたことはありませんが、絶対ではありません。

今朝テレビを視ていたら、『AEDを使えば良い』という論調と実際にスタジオで使ってみるパフォーマンスがありました。
確かに現在のAEDは、音声ガイダンスに従えば誰でも使用できるように設計されています。
でもきちんとした救命措置をおこなうにはやはり最低限のトレーニングと知識が必要です。
まず心臓マッサージ・・・いったいどれだけの人が正しい方法でおこなうことができるでしょうか。
続いてAEDの使用。
確かに簡単になりましたが、幾つかの注意点があります。
身体が濡れていたら、湿布が貼ってあったら・・・あなたはどうしますか?
今日の朝の報道では『みんな離れて!!』というBLS研修ではお馴染みの台詞もありませんでした。

今回の訃報がきっかけにAEDは急速に普及するものと思われます。
でもそれと同じ位BLS(Basic Life Support:一次救命処置)の普及が望まれます。

BLSは数時間の簡単な研修であれば市民講座などで無料で受けることができます。
もし時間とお金があればAHAのBLS研修がお勧めです。
まる1日かかりますが、しっかりとした技術と知識が身につきます。
b0102247_2132981.jpg

あなたも受講してみませんか?
せんだメディカルクリニックではクラークまでスタッフ全員がAHAのBLSを受講しています。


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by ccr-net | 2011-08-04 21:42 | 医療

救急医療について考えよう

データで理解できる日本の救急医療の大変さ

先日当ブログに救急搬送について書きましたら、昨日たまたま古巣の病院(済生会熊本病院)から最新の病院情報が送ってきました。その中に救急医療情報も含まれていました。
そこで、今日は日本の救急医療の現状について数の上から考えてみましょう。
総務省消防庁が発表した平成22年度実績は、救急搬送人員4,985,632人で重症以上548,678人にのぼります。
これ500万人ですからちょっと吃驚しますね。
まだまだ驚いてはいけません。実際には救急患者は搬送以外にも自分でやってきますから(ウオークイン)、その数は2.5倍、つまり1300万人くらいでしょうか。
これは日本の人口の一割、10人に一人が年に1回救急外来を受診していることになります

さて医療の現場はどうでしょう。
済生会熊本病院の場合を見てみましょう。
昨年度データは下のようになっています。

救急患者数 22,280人( 61人/日 )
救急搬送数  8,448人( 23人/日 )
緊急入院数  6,886人( 19人/日)

毎日400床の病院に61名が訪れ(内23人が救急搬送)19名が入院しています。
同病院の平均病床稼働率は95%ですから毎日の空きベッドは20床、ほぼすべてが緊急入院で埋まります。

つまり、空いているベッドなどないのです。
また救急患者の24時間以内緊急手術数 2143例(5.9例/日)で、毎日6例の緊急手術をおこなっています。
年間手術数が4959ですが内2143がなんと緊急手術です。
当然空いている術者などいなくなります。

総務省の発表では、重症以上で照会回数4回以上16,381件(3.8%)11回以上727件(0.2%)です。
これを『たらい回し』と新聞等では言っていますが、実際はどうでしょう?
727件というと多いようですが、実際には0.2%にすぎません。

受け入れに至らなかった理由としては以下の4つです。
①手術中・患者対応中21.1%
②処置困難20.8%
③ベッド満床19.2%
④専門外11.9%
つまり、人がいない・ベッドがないのがそのほとんどの理由なのです。

現場は遊んでいるわけではありません。
実際には上に述べたような状況で、フル回転しています。

現場滞在時間(救急搬送開始まで)・照会回数の多い地域は宮城県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・大阪府です。
具体的な数を見てみましょう。
東京都 622,782人( 内重症以上57,638人 )受け入れ率73.69%です。
全国平均受け入れ率は92.9%ですから、ちょっと低いように見えます。
でも実際には受け入れ可能な二次・三次救急病院は一杯で受け入れが出来ないのです。
ちなみに熊本県は 68,689人( 内重症以上8,086人 )受け入れ率98.56%で優秀です。
これは受け入れ体制の違いもありますが、熊本はまだ東京と比較するとベッドが少しゆったりとしているのかもしれませんね。

救急医療の現場の実情、少しお判り頂けたでしょうか。
b0102247_2251244.jpg

目の回るような忙しさ、
しかも基本的に救急医療は赤字です。
これについては以前救急医療の未来は・・・としてアップしています。

私自身は一線から遠ざかり約10年、
今この瞬間、救急医療に携わる医療者の皆さんに心から感謝しています。
でも果たしてこの無理な体制・・・いつまで保つでしょうか。

一緒に考えてみませんか?
救急医療について、医療の未来について・・・


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by ccr-net | 2011-08-02 22:54 | 医療

イルカの治癒力を人間に

イルカの傷はなぜ治るのか
テレビでみる野生のイルカは傷が多いと思っていたら、今日のヘルスデージャパンに面白い記事が出ました。
イルカの優れた治癒力がヒトでの恩恵をもたらす可能性
と題された記事はJournal of Investigative Dermatology7月21日号に掲載された米ジョージタウン大学メディカルセンター研究チームによるものです。
Michael Zasloff氏は、「イルカの治癒過程に関する報告はまだほとんどなく確認されていない。イルカはなぜ、サメによる咬傷で出血死に至らないのか。なぜ激痛に苦しまないのか。重度の損傷による感染が生じないのはなぜか。ヒトならば同様の損傷は致命的になる」と述べている。
これらの疑問を解決するため、同氏は世界各地のイルカ調教師および海洋生物学者にインタビューを行い、入手可能な研究をレビューした。その結果、同氏は、イルカの感染に対する耐性がその脂肪層と関係する可能性があると結論付けた。イルカの脂肪層には天然の有機ハロゲン化合物(organohalogen compound)が含まれ、抗生物質のように作用し、抗菌特性を持つという。同氏は以前に、カエルと小型のサメの皮膚から抗菌化合物を同定している。
b0102247_2038173.jpg

サメに噛まれた傷がイルカに何カ所も残っていることはよく知られたことですが、まさかこんな風に治癒していくとは知りませんでした。

この研究が進めば欠損した組織の修復がうまくできることになります。
続報が楽しみですね。


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by ccr-net | 2011-08-01 20:41 | 医療
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