SENDA MEDICAL CLINIC BLOG

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医療における成果主義 中編

個人の成果主義のピットフォール

さて、昨日に続き医療における成果主義です。
今日は、“医療者個人のアウトカム”について考えてみます。
実はここに誤った成果主義が最も現れています。

“医療者の成果”とは、本来“どのくらい患者個人や地域のヘルスケアに貢献したか”で評価されるべきで“自分の属する施設の利益にどのくらい貢献したか”ではないはずです。
100歩譲って“施設への貢献”が成果だとしても、それは個人の“売り上げ”ではないのです。

個人の売り上げとは“何例手術した”とか“何人外来を見た”とかを競うことです。
成果主義を掲げる病院では、年度初めにその年の科別の目標売り上げや目標手術数を設定します。
勿論、個人での目標設定もおこないます。
その達成度で人事考課をおこないます。
いわゆる企業型成果主義の医療への導入です。

こうして生まれた医療での“目標売り上げ”“目標手術件数”“対前年10%増”はなんとなく変ですね?
私が勤めていたのは企業型病院でしたから、毎年こうした目標設定をし人事考課もおこなっていました。
“良い医療をおこなうためにはきちんとした経済的裏付けが必要”という大義名分のもと、当時は当然。
でもやはりおかしいですね。
なにが違うのかというと、目標の設定の仕方が間違っているのです。

きちんと患者を診る・診療の過程での非効率な部分を除く・無駄な待ち時間や待機時間を除く・手術や処置は円滑におこなう・労を厭わない・・・そうしたことの結果として最終的な売り上げがあります。
目標設定は売り上げや手術数・外来数ではなく、徹底した無駄の排除と合理化にあります。
円滑に診療や手術・検査をおこなうためのシステムの変更・無駄な待ち時間の短縮するシステムの考案・・・その結果が患者数の増大や臨床アウトカムの改善に繋がります。

少し話がずれてしまいました。
間違った目標設定が個人間の間違った成果の比較・誤った競争を招きます。
“俺、今月これだけ。お前いくら?”なんて考えるだけでぞっとします。

もう一つの誤った成果主義は直接お金を生まない部門・赤字の部門を“不採算部門”と位置づけることです。
現在では、検査部門がその筆頭でしょうか?
(多くの病院で不採算部門と位置づけられアウトソーシングされています。)
リハビリテーション部門やサイコセラピストでさえ一時期そう位置づけられていました。
また、診療科目毎にその採算性は大きく違います。
最近では内科が不採算部門に近づきつつあります。
医療は一種のバリューチェーン(付加価値の連鎖)で成り立っています。
トータルで全体としての価値を生むもので、決して個々の採算部門・稼ぎ頭だけでは成り立ちません。

つまり医療においては“不採算部門”や“稼ぎ頭”などは本来存在しないのです。
勿論、そうした組織の中で効率性を追求することは必要ですが・・・

誤った成果主義はスタッフを疲弊させディスカレッジメントし、組織を弱体化させます。
まず個々の仕事を正当に評価すること・適切なエンパワーメントをおこなうこと、
スタッフの活性化は組織を活性化させ、それが組織に最大の成果をもたらします。

医療はチームでありバリューチェーンです。
チームのどの部署が欠けても付加価値はなくなり、そこに成果は生まれません。

明日は、医療における成果について考えてみます。


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by ccr-net | 2010-05-31 22:37

医療における成果主義

プロフェッショナルの条件:P・F. ドラッカーから考える医療における成果主義の是非

今日は休日ですので午後から街へ食事に出かけ、書店で本を沢山購入しました(クリニック分)。
小さい頃から書店が好きで、沢山本があるとなんだか幸せになります。
そうして本をあれこれ眺めていると、ハーバード・ビジネス・レビューが目にとまりました。
今月号は、P・F. ドラッカーの特集で彼のHBR全論文が載っています。
有名な『プロフェッショナルの条件』もその中にあるかと思えば、ありません。
『プロフェッショナルの条件』は、数多くあるドラッカーの論文の中から自己マネージメントについて書かれた論文を中心にまとめたものだからです。

で、『プロフェッショナルの条件』といえば成果主義もその一つですが、この本を読むといかに日本の成果主義が矮小化されて導入されているか、よく理解できます。
と長い前振りでしたが、『医療における成果主義』について考えてみました。

『医療における成果主義』には大きく分けると2つあります。
一つは“医療施設全体としてのアウトカム”、もう一つは“医療者個人のアウトカム”です。

“医療施設全体としてのアウトカム”には臨床アウトカム(臨床成績)・在院日数などがあります。
このどちらも一見客観的指数のようですが、実は少しも客観的ではありません。
まず、在院日数について考えてみましょう。
現在、急性期特定機能病院では、在院日数は2週を切っており先端病院ではすでに10日を切っています。
これ、一見客観的ですね。
でも実は全く客観的数字ではありません。
平均在院日数は、“その施設にいる期間”であって“自宅退院までの期間”ではないからです。
早く転院させれば、在院日数は減少する・・・・ところてん式に押し出していけば、どんどん短くなります。
そもそも参考にした欧米の在院日数自体が自宅退院までの日数ではありません。
欧米は入院費が非常に高いので、退院後サテライトホテルやナーシングホームなどの施設に移るのです。
平均在院日数の短縮は、あくまでも入院後検査や無駄な空き時間を短縮したコンパクトな医療で評価されるべきものですから、現在のような単純な日数の比較はほぼ無意味です。

それでは、臨床アウトカム(臨床成績)はどうでしょうか?
これも一概には比較は難しいです。
一見同じ症例でも、合併症が多く全身状態が悪かったり重傷の患者の治療成績は当然良くないからです。
誤解をなさらないように、これはあくまでも医療保険や統計レベルの話で学会レベルではありません。
こうした部分は統計は勿論、医療保険では評価できないからです。

いいアウトカムを得ることは簡単です。
簡単な症例を選び、難しい症例は避けることです。
これって、医療の原則に反しませんか?

現在リハビリテーションの世界にアウトカムを求める動きがでてきました。
手術成績でさえアウトカムの評価が難しいのに、どうやってリハの世界にアウトカムの客観的評価を持ち込むのでしょう?
FIMの改善度? %FIM?
馬鹿げています。
急性期や軽傷者はともかく、慢性期や高齢者のリハビリテーションではFIM改善が実際のADLとパラレルでないのは、リハビリテーション関係者であれば誰でも知っていることです。

長くなりました。
“医療者個人のアウトカム”と『本来、医療における成果とは何なのか』については、次回書きたいと思います。

今回はなんだか難しい話になりました。
でも医療にとってはとても大切なことなのです。

医療における成果主義_b0102247_2322825.jpg

経営学の巨人  P・F. ドラッカー

2005年 95歳で永眠しました


“ドラッカー 365の金言”に代表される名言集は、とても素敵です。


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by ccr-net | 2010-05-30 23:27 | 医療

足関節捻挫後の早期治療は?

足関節捻挫後の従来の治療法を見直す時期です

足関節(足首)の捻挫から1~2週間に積極的なリハビリを行うと関節機能の回復が早まることが、無作為化試験で明らかになった。アイルランドUlster大学のChris M Bleakley氏らがBMJ誌2010年5月22日号に報告した。

 筋骨格系の外傷で最も多いのが足関節の捻挫だが、最適な治療法は明らかではない。
一般には、保護(Protection)、安静(Rest)、冷却(Ice)、圧迫(Compression)、挙上(Elevation)からなるPRICE処置またはRICE処置が広く用いられているが、これらは炎症を抑制するためのもので、積極的な治療とは言えない。反対に、早期に患部を積極的に動かし、体重負荷を与える機能的治療を行った方が回復は早まる可能性も示唆されていた。
               詳細は日経メディカルの該当ページへ


非常に興味深い結果がでました。
この研究によると、stage2までの捻挫では、外固定なしの早期の(1週以内)リハビリテーションが非常に効果があるようです。
一般に足関節捻挫はstage1(軽度損傷)satge2(中程度損傷)stage3(重度損傷)の3段階に分類されます。

現在一般的には、stage2の場合では3週間の外固定をおこないます。
私の場合かなり短いのですが、それでも1週間外固定します。

Accelerated Rehabilitation!
加速的リハビリテーション・・・昔から大切なことです。
足関節捻挫後の早期治療は?_b0102247_22544385.jpg
安静よりも早期からきちんとしたリハビリを、

多くの整形外科的疾患に共通のことですが、
何故か疎かになっています。


さて、来週はスタッフ全員で
この件について検討する必要がありそうです。



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by ccr-net | 2010-05-29 23:06 | 整形外科

エラーの解決法は?

おいおい、そんなに複雑にして大丈夫か?

クリニックでは、毎朝ラインナップと呼ばれるミーティングをおこなっています。
どこの施設でもしているような、昨日起こった事柄に対するごくごく普通の情報交換(かっこよく言えば情報共有)ですが、時々“ちょっといい話”や“失敗談”が出てきます。

さて、今日のラインナップですが、失敗談がでてきました。
昨日診察後リハビリテーション予定の女性がおられました。
私の診察が終わると同時に診察室の看護師がインカムで連絡を入れます。
インカムですから着用しているスタッフ全員に同時に伝わります(現在13台使用しています)。
“○○さま、診察終わりました”
“わかりました。PTに伝えます”
通常は、これでスムースに流れて行くのですが、昨日は違いました。
インカムをつけたリハの責任者が忙しさの中で、担当のPTに伝えることを忘れてしまったのです。
リハ予定の女性は20分間待合室に放置されていました。

うーん、いかんですね。

このあとのフォローは適切だったので、ここでは省きます。
さて、本日のラインナップでは今回のエラーについての対応策が発表されました。

なるほど、迅速な対応ですね・・・

“このようなことがないよう、今後すべての診察後リハのケースで担当ナースが処置カードをリハビリテーション室に持参します”

え?

胸を張って発表されたこの予防策にへそ曲がりの私は疑問を呈しました。
『今回のようなことは、施設移転以来何回起きましたか?』
『今回を含めて2回だと思います』
『なるほど。1年で2回というのは多いですか?』
『いえ、少ないと思います』
『今回のエラーはクリティカル・エラーですか?つまり患者様に健康被害を与えるようなものですか?』
『いえ、クリティカルではありません。でも、いけないことです。』
『そうですね。では、予防策は必要でしょうか?個人的にはいらないと思いますが』

今回のエラーには3つの原因があります。
1)受けたリハの責任者が伝達を忘れた
2)混んでいない時間帯での患者の放置に、フロントクラークが気づかなかった。
3)担当のPTが遅れた患者の確認をリハクラークにおこなうのが遅れた
一言でまとめると“それぞれのスタッフの感性が鈍くなっていた”ということです。
そこに、エラーに対する予防策が出てきました。
でてきた予防策はオーソドックスなもので、けして間違ってはいません。

でもこの予防策は必要ですか?

めったにないエラーに対して予防策を講じる・・・
一見きちんとした対応ですが、結果としてシステムが複雑になります。
業務も煩雑になります。
するとそこに、別のエラーがでてきます。

以前もブログでお話ししましたが、医療の流れはできるだけシンプルな方が問題がおこりません。
めったにないクリティカルでないエラーに予防策を講じると工程は複雑になり、逆にエラーの確率が増えます。

simple is best・・・
医療にかぎらず何事もシンプルが一番!
怠け者の私は複雑なことが嫌いです。

今回のエラーの解決策は簡単・・・

疲れているけど、みんなしっかりアンテナを張って仕事しようね、
ただそれだけ。

めげることはないじゃない、
あとの対応は迅速で素晴らしかったのだから・・・

そう思っている楽観的な私です。


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by ccr-net | 2010-05-28 22:11 | 医療

医師の礼節、医療者の矜持

素晴らしい医学生との出会い

最近Twitterにはまりつつあるのは、以前ご報告した通りですが、Twitterの素晴らしさは自分と全く違う価値観・環境の方と出会うことにあると思っています。
ここでいう“出会う”とは、“お友達になる”ことではなく、文字通り出会ったりすれ違ったりすることです。
そこで、多くの方の考えに触れ、共感したり、驚いたり、感動したり・・・毎日が新鮮です。

そうした中で、一人の医学生のtweetに出会いました。
まだ若い彼女は医師の無礼や礼節のなさについて嘆いていました。
twitter上での礼儀についても発言しています。
自分が学生の時こんな風に考えただろうか・・・ふとそう考えました。

医学生の頃、医師としての先輩たちの姿にあこがれ、でも他の仕事となんか違うなあと感じていました。
社会人だけど社会人じゃない、自由で素敵だけれど、学生との区別がつかない・・・
他の学部を経験して医学の世界に転身した私にはちょっと不思議な世界でした。

この感覚は医師になってもずっと続きました。
外科系ですので、当然、先輩後輩の厳しい徒弟制度・・・上をみて学んでいきます。
これほど序列のあるきちんとした世界はないのでは、と思うくらい縦社会です。
ところが一歩、職種をはずれると、そうした規律は一気にぐずぐずになります。

コメディカル(この言葉は嫌いです)やMRなどに対する非礼な態度は、たびたび目にします。
何様?と思うくらい高圧的な態度をとる医師がいます。
えー・・・と思いながら、いつの間にかその中に染まっていったような気がします。

自分ではフラットな対応・礼儀ある態度をとっていたと思っていた私ですが、実は非礼であったことを思い知ったのは、大学病院から急性期特定機能病院に赴任したときでした。
そこで私は目の回るような忙しさの中、スタッフ(看護師や薬剤師)としょっちゅう衝突していました。
朝早く病棟に行き、外来を午前中みてそのまま手術室へ・・・病棟に戻るのは夜です。
その後も山ほどの会議と急患、帰宅するのは毎日午後10時過ぎ、その後も急患呼び出し・緊急手術。
短い病棟での滞在時間に、スタッフは私を捉まえ質問し・指示をもらい・患者へフィードバックします。
“今、忙しいから” “時間がないから”が常套句、
“ここだけでなく、外来でも手術室でも呼ばれてるんだから、時間がない!!”
こうした今考えると顔の赤くなるような言葉を当たり前のように言っていました。
当然、他職種とぶつかります。

そんな私の間違いに気づかせてくれたのは、ある看護師のひとこと・・・
“あのね、先生一人で医療はやっているのではないんだから。忙しいのは、一生懸命なのは皆一緒”
チーム医療を唱えながら、その本質を判っていない私への厳しい警鐘でした。

現在の私は非常に忙しい職場で、毎日朝から終業まで走り回っています。
診療の待ち時間も油断するとすぐに2時間を超えます。
こうしたときに、いつもスタッフに話します。
“混んでいるから忙しいから仕方がないというのは、私たち施設の都合。お待ちの方には関係ない話”
“卑屈になる必要はないけれど、いつも待たせて申し訳ないという気持ちで働こう”

私たち医療者は時々勘違いをします。
“忙しいから仕方ないじゃない”
“こっちだって、疲れているんだから”
でも、それはこちら側の理由であって、相手には何の関係もないこと。
普通のお仕事でもそれはいけないこと、
まして相手は病んでいる人ですから、尚更です。

こうした勘違いが、時々私たちの礼節のなさに繋がっていくのでしょう。
私たち医療者は、もともと皆、人が好きで、人の手助けをしたくてこの職に就いたと信じています。
けれども、時々“こちら側の理由”を相手に押しつけてしまうことがあります。
勿論、最低限の社会人としてのトレーニングができていない人も時にはいますが・・・

ときどき“内輪の論理”がまかり通ってしまう医療の世界・・・
普通の人がみて“変だよ”と思う私たちの世界・・・・

これって、凄く悔しくはありませんか?

だって、私たちは医療という最高のサービスを提供しているはずなのだから・・・

こうしたことをTwitterで知った一人の医学生のつぶやきから考えました。

柴田さん、有り難う。
あなたのおかげで、未来の医師に大きな希望が持てました。

あなたはもう既に知っているんですね・・・
医師の礼節・医療者の矜持を。


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by ccr-net | 2010-05-27 22:11

MRIは万能ではない

画像だけで手術をおこなうのは、少なくともヘルニアではナンセンス

本日、あるスポーツアスリートの方から手術について相談をうけました。
この方は、2年前に腰椎椎間板ヘルニアによる下垂足(2-)でMEDによる手術をおこない、現在粗大筋力は完全に回復しています。
最近の問題点は、過大な負荷をかけ続けると力が抜けたり(アスリートのいう“抜ける”というのは脱力感です)、時々筋肉の小さな痙攣(fasciculation)がおこることです。
近医でMRIを撮り、ヘルニアを見てほしいとのことで来院されました。

MRI上はL5/S1ほぼ正中に小さな輝度変化を伴った椎間板の突出があります。
axialではかすかに左の神経根を圧迫しているようにもみえます。
でも、これは経験からいうと術後瘢痕+硬膜外静脈叢でヘルニア塊ではありません。
MRI特有のアーチファクト(画像の乱れ)もあります。

椎間板ヘルニア再発を心配されての来院ですが、これは上記の理由でヘルニアではありません。
百歩譲ってヘルニアだとしても、悪さをしていません。
理由は、それに伴う神経所見がないからです。

最近よくあるのが、こうしたMRIの過剰信仰(もう信仰と言ってもいいくらい・・・)によるご相談です。
まず、MRIは質的診断は得意としますが形態診断はあまりあてになりません。
特に脊椎sagittalでの椎間板の単なる膨隆は、精度の低いMRIではヘルニアのように描出されます。
また、画像上の変化は脊椎の場合、腫瘍以外は年齢的変化もありある程度当たり前です。
大切なのは、エピソードと身体所見・神経所見です。

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画像所見は、あくまでも身体所見・神経所見の補助的な役割を担うもの・・・

とても大切なことですが、陥りやすいピットフォールでもあります。


MRIは、最上の環境(良い機種・技師・放射線科医)でおこないましょう。


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by ccr-net | 2010-05-26 15:04 | 医療

凄い、クルム伊達公子!!

全仏オープンでシード選手破り2回戦へ

全仏オープン第3日は25日、パリのローランギャロスで行われ、女子シングルス1回戦で世界ランキング72位のクルム伊達公子(39)(エステティックTBC)が、過去2年準優勝で第9シードのディナラ・サフィナ(ロシア)と対戦し、3―6、6―4、7―5で逆転勝ち。

クルム伊達公子(敬称略)がついに四大大会で勝利し、2回戦へ進みました。
今回の伊達は3週前にふくらはぎを痛め、出場も危ぶまれていましたが、ついに念願の勝利を挙げました。

凄い!の一言です。

24日の錦織圭に続いての逆転勝利ですが、やはりテニスに対する執念の違いと集中力の差を見せつけられたように思います。

全快は無理でしょうが、下腿の怪我の回復を願っています。



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by ccr-net | 2010-05-26 13:54

マッケンジー法の不思議

腰を大きくそらしたら痛みが悪化するって誰が言ったんだ?!

せんだメディカルクリニックでは、少し前より腰痛の方にマッケンジー法による治療をおこなっています。
勿論、マッケンジー法は数多い治療法の一つでこれだけをクリニックでおこなっているわけではありません。
このマッケンジー法について今日朝のテレビで放送があったようです。
『とくダネで、マッケンジー法について最新の腰痛治療法として放送があったのよ』と珍しく昼の休息をもらった私に妻がやや興奮気味に言いました。
『ふーん。前からあるのに・・・』
と、聞き流していましたが、さすが全国放送!すぐに問い合わせの電話がありました。

さて、本日センセーショナルな登場をした“マッケンジー法”ですが、はたしてどんな治療法なのでしょう?

マッケンジー法の考案者は、ニュージーランドの若き理学療法士 Robin McKenzieです。
ある日彼はとても忙しい中、Mr.Smithという腰痛・坐骨神経痛の治療にあたることになりました。
このSmithさん、これまでどのような治療を行ってもなかなかよくなりませんでした。
この日、PT RobinはMr.Smithに「治療ベッドに俯せになって寝ているように」と伝え数分間留守にしました。
しかしたまたまそのベッドは、前の患者の治療で背もたれを起こした状態になっていました。
PT Robinが診察室に戻ってくるとMr.Smithは腰を大きくそらした過伸展肢位で治療ベッドに寝ています。
それを見てPT Robinはびっくり!
なぜなら50年前のニュージーランドでは、その姿勢は腰痛患者に最も悪い姿勢と考えられていたからです。
(今の日本でもそう考えている医療者は沢山いますが)
PT Robinが尋ねてみると、なんとMr.Smithは今までで一番調子がよいと答えたのです。
翌日、数分間また同じ姿勢をとってもらうと、わずかに残っていた腰の痛みも完全に消失しました。
これが、マッケンジー法の始まりです。

誤解しては、いけません。
マッケンジー法は腰椎伸展エクササイズではありません。

まず、きちんとした問診と理学検査を十分時間をかけておこないます。
これをもとに、良い反応を引き出せる運動方向を見つけ出します。
ここが一番大切です。
この運動方向を見つけ出すことが出来れば、その方向への反復運動、または持続的姿勢保持を行わせることで疼痛を緩和し、機能を改善させていくことが可能となります。

少し難しいですか?
マッケンジー法で大切なのは「Centralization(良い反応)」を示す運動方向と「Peripheralization(悪い反応)」を示す運動方向を見つけることです。
良い方向は反復し、悪い方向は避けます。

またマッケンジー法は患者主体の「self treatment(自己治療)」を基本的な治療方針として取り入れています。
再発を繰り返しやすい問題にたいして「医療者に依存する治療」を行っていては、その場しのぎの治療から抜け出せません。
自分自身で治療する術を身につけ、再発を繰り返さず腰痛をコントロールしていくことが可能になります。



こうした治療法は、現在当クリニックで取り組んでいる行動変容プログラムの一つです。

あなたは、いつまでも治療をおまかせにしていませんか?

治療に参加すること、

それもあなたの行動変容のひとつです。


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by ccr-net | 2010-05-25 22:54 | 医療

最良の医療とはなにか?

独りよがりにならないこと、それが大事

本日一人の腰椎椎間板ヘルニアの方が来院されました。
来院時、左下肢の麻痺(下垂足・中殿筋麻痺)がおこっています。
筋力は、2- levelで重力に抗しては動きません。
この方は5月初旬に来院され、麻痺はありませんが徐々に疼痛が増悪するため、手術前提でMRIの検査を本日おこなう予定となっていました。病状の急激な悪化に備え、私の個人携帯番号も渡していました。
麻痺がおこったのは先週金曜日・・・既に3日経っています。
ご連絡がなかったのは、遠慮なさったからでしょうか。
MRIでは、巨大なヘルニアが神経を圧迫しています。

緊急手術が必要なのですが、手術が立て込んでおりいつもお願いしているH先生も手術の予定がたちません。
(厳密には緊急ではなく可及的に早くですが)
そこで、一度は他施設での手術を検討しました。
けれども、それには患者様も不安で快諾とはいきません。
本来は、ここに選択肢はないのです。
最初の案が駄目であれば、次の案・・・これが次善の策です。

でも、これが本当に現時点での最良か?
自分の中に迷いがあります。

そこで思い直し、もう一度H先生にお願いしました。
今度はかなり強引だったかもしれません。
反則に近い禁じ手です。
最終的に、時間外の緊急手術を本日おこなっていただきました。

これが最良だったか・・・
それは、わかりません。

手術予定が決まったとき、患者様と交わした会話です。
『先生、有り難うございます。本当に心から感謝しています』
『その言葉は私にではなく、H先生にですよ』
『そうですか?』
『そうです。大きな病院の中で無理に手術を入れていただく。それに快く答えて頂いたのは、H先生です。』

私が今日おこなったのは、ルールから逸脱した一種のスタンドプレイ・・・
例え今日は最良の策だとしても、次からは使えない方法です。

最良の医療とはなにか?_b0102247_22325446.jpg
一つの我が儘が、他の多くのものを壊してしまう・・・

そんなことが医療の世界では時々あります。


自分が最良であると信じることをおこなうこと、

それが独りよがりでないこと・・・

それが今日の私への教訓。


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by ccr-net | 2010-05-24 22:36 | 医療

若い男性と結婚した女性は早く死亡する

若い女性と結婚した男性は長生きするなんて、ちょっと不公平?

『若い男性と結婚した女性は早く死亡する』という興味深い報告が、Demography5月号に掲載されました。
自分よりも7~9歳若い男性と結婚している女性は、早く死亡するオッズの高いことがドイツの研究で明らかになり、医学誌「Demography(人口統計学)」5月号に掲載された。デンマークの夫婦約200万組のデータをベースにして行った今回の研究では、大幅に年齢が開いた若い男性と結婚すると女性の死亡リスクが20%高まるほか、大幅に年上の男性と結婚することも女性の寿命を縮めることが判明。最も健康的な選択肢は年齢の近い男性と結婚することであることがわかった。
報告者のドイツ、Max Planckマックスプランク人口統計研究所(MPIDR、ロストク)のSven Drefahl氏によると、考えられる理由の1つとしては、若い男性との結婚は社会規範に反するとみられ、社会的支援をあまり受けられず、ストレスの多い生活に苦しめられるなどの社会的制裁を受けることになり、その結果として健康面が悪化する可能性があるという。
ただし、全体としては男女ともに結婚している人は未婚の人に比べて寿命の延長がみられた。また、これまでの研究から、女性は一般に年齢の近い男性を好むことがわかっており、今回の知見による影響を受ける女性は少ないと考えられる。米国では、新郎の年齢は新婦より平均2.3歳上であるという。一方、今回の研究では、年上の女性と結婚した男性では死亡リスクが増大していたが、7~9歳若い女性と結婚した男性では死亡リスクが11%減少していた。
このような性差がみられる理由はまだ明らかにされていない。Drefahl氏は「長年、若いパートナーと結婚した人は男女ともに平均よりも健康であり、寿命が長いとする説があったが、今回の知見から、この説について再考する必要がある」と述べている。
                        [2010年5月13日/HealthDayNews]
                        Copyright (c) 2010 HealthDay. All rights reserved.


若い人と結婚するとパワーをもらって長生きすると言われていましたが、全く逆の結果が出ましたね。
女性は若いパートナーと結婚すると年齢に伴う衰えで、男性の浮気を心配し心労によるストレスが蓄積するという説もありますが、通常は男性の方が短命なのでちょうどいいはずなのですが・・・
“社会規範に反するとみられ、社会的制裁を受けることになる”というのは、日本ではどうでしょう?

一方男性は長生きするみたいですね。
若い女性と結婚すると気持ちが逆に活性化されるのでしょうか?

若い男性と結婚した女性は早く死亡する_b0102247_22251949.jpg

全く対照的な結果が男女で出た今回の調査結果ですが、今後の反論が待たれるところです。

個人的には、年齢などはどうでもいいこと・・・

二人が幸せなら、それでいいじゃないか、と思うのですが。


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by ccr-net | 2010-05-23 22:30
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