SENDA MEDICAL CLINIC BLOG

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カテゴリ:熊本地震( 12 )

震災後の対応は現場情報の一元化とサプライチェーン

そろそろ疲れてきたかも

昨日は午後3時から訪問看護師2名と、避難所3カ所を回りました。
前日と打って変わって良い天気です。
最初の避難所は前日高齢者を1/3しか診ることができなかったところです。
まずは陣頭指揮を執られる校長先生にお薬を届け(足関節炎と静脈鬱滞性皮膚炎)しました。
勿論、巡回診療ですのでお金は発生しません。
校長先生から思わぬニュースがありました。
午前中にDMATが入り6名ほどの医師ですべて回診されたとのこと、
早い対応にほっとしました。

実際に、巡回してみて驚いたのは、避難者の数が半数以下になっていること、
比較的お元気な方は勿論ですが、ようやく動けていた方や熱発していた方もいらっしゃいません。
お天気がよいので、環境の良い自宅に一時帰宅されているようです。
夕方6時くらいにはまたほとんどの方が戻ってくるとのこと。

これが家屋損壊の酷い益城や阿蘇と、損壊はあまりないが屋内が散乱していたり不安が強い市の中心部との違いです。
怖いので避難されている方やライフライン(特に水道)がなくて避難されている方が多いのです。

その後、2校を回りましたが、同様の状況でした。
ここもはっきりはしないのですがDMATが入ったようですので、一安心。
巡回回診の初期の目的は、DMATのおかげでほぼ果たしたようです。

クリニックに帰り、訪問看護から要請のあった在宅の方の外傷処理に出かけました。
対象は50代の男性でパーキンソン病、在宅独居でもともと転倒の多い方ですが、今回震災で散乱した荷物に躓いたとのこと。
大きな家に一人で住んでおられ、丁度飲み物をこぼされ着替えをしようとされていました。
この方は私の患者さんではなく、大きな病院から訪問リハビリテーションの依頼を受けています。
予想していたよりずっとADLが悪く、お一人では大変だなあと思いました。
創傷そのものは挫滅創で、ハイドロサイトとフィルム処置をおこないました。
比較的頻回に転倒されるので、スポーツ用のニープロテクターを着用されるよう指導しました。

在宅の現場は、震災前と大きな変化はありません。
ただ十分なサポートが入っていないところは、生活用水や飲料水の問題があり、明らかに劣化しています。
難しいですね。

帰りに、多くのゴミ集積所でゴミが満杯になりそろそろ悪臭を発し始めているのに気づきました。
震災ゴミでなく生活ゴミなのに、ゴミ収集車が動いていないようです。
クリニックは契約している業者ですので、普通に動いています。
市で動けない理由があるのでしょうか・・・

避難所は皆さんよく頑張っていらっしゃると思います。
けれども共通していえるのは、情報の1元化ができていません。
先ほどのDMATについても、何名でどこのDMATが来たのか、結果はどうだったのかということが判りませんでした。
これは、支援物資のサプライチェーンが上手く機能していないのと同じです。
この部分に関しては、今後の大きな課題であり、プロフェッショナルな対応が望まれます。

自宅に帰り、昼食を摂ると、一度に疲れが襲ってきてそのまま3時間ほど眠ってしまいました。
震災から1週間が過ぎ、避難所も落ち着きつつあります。
逆に張り詰めていたものが少し緩み、疲れもでてきました。

さて、明日日曜日、どうしましょう?



by ccr-net | 2016-04-23 23:11 | 熊本地震

被災したって医療はできる 5

仕事するって楽しい、非日常から日常の勧め

本日からクリニックでの診療を再開しました。
午前10時〜午後5時の限定ですが、取りあえず現状での当院の実力です。
しかも本日はたまたま水曜日で、もともと13時までしかみていません。
ということで午前10時〜午後1時までの3時間
怒濤の時間でした。
現在のスタッフの体力的な限界で看護師は4名いて比較的余裕があるのですが、クラークはわずか一度に2名で大変です。
頻繁に鳴る電話対応は途中から看護師に任せ、ロビーの交通整理は2名の理学療法士がおこないました。
非日常から日常への変化、避難生活を送っているスタッフも生き生きとしています。

いつもとは異なり、本当に簡単な診療に終始しましたが、その中で大変難渋した方がおられます。
七十代後半の女性、震災当日に受傷(受傷機転不明)、左下肢全体の皮下出血と下腿の腫大があります。
この方は以前から高血圧と狭心症、陳旧性の静脈血栓があります。
震災で住んでいたアパートが破壊され、当日から避難所暮らし、心的外傷後ストレス障害があり言動に落ち着きがありません
クリニックまでどうやって来たのかさえ覚えていません。
下腿は両側打撲ですが、特に左側が強く新鮮血栓と思われるものはありません。
行動範囲は非常に狭くほとんど臥床しておられます。

ここまでは、簡単でした。
問題は、これから。

静脈血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)のハイリスク群ですから、入院での加療が必要です。
けれども、どこも空きがありません。
5カ所の医療機関に断られ、ようやく6件目に入院を引き受けて頂きました。
本当に震災時は入院が困難です。

その後、往診へ行き、熊本市立五福小学校へ。
ここは700名の避難者がいて、市内では最大規模の避難所になっています。
ご高齢の方が沢山おられるとの報告を前日からボランティアで入っている当院スタッフ受けていました。
その方々の状態を確認したいと思ったのですが、流石に最大規模の避難所、把握されていません。
ただ、震災以後医師の検診はおこなわれていません。

ということで、明日の午前中急遽ラウンドと検診(栄養検診と血栓症チェック)をおこなうことにしました
ケアマネージャー・医師・看護師・理学療法士のチームで行きたいのですが、
まだスタッフの了承をとっていません。

どうしましょう?




by ccr-net | 2016-04-20 21:07 | 熊本地震
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