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疾患説明とカルテ開示

疾患説明の難しさ

せんだ整形外科では、説明と指導にかなりの時間を割いています。
わかりやすく丁寧な説明を心掛けているいるつもりですが、本日は非常にショックなことがありました。
前回初診で半年ぶりに来院された方なのですが、理解されている内容とこちらのカルテの記載内容に大きな違いがあるのです。
その方には前回かなり時間を割いて説明していましたので、最初は“前回ご説明いたしましたよね”とお話をしたのですが、“そんなことは聞いていない”と話は平行線です。それで、結局前回以上に時間をかけた説明となりました。

こうした、医療者と患者の理解の乖離は多くの場合、“医療者側の説明能力の不足”と“患者の理解しようとする意識の低さ”の両方に問題があります。
また、一般に医療上の重症度の低い方ほど理解して頂けない傾向にあります。
クリニックに来られる患者様の中には“自分は重症だ、あるいは重症なのかもしれない”という想いが強く“何か重大な問題が隠れているのではないか”とお考えの方がおありです。そうした場合“あなたはたいしことはない”と医療者側から告げられると“ちゃんと自分をみてくれていない”という想いが先にたち、その後の説明が全く頭にはいっていない場合があります。
今回の症例は、前回はXP上軽度の年齢的変化がありますが(XPにて説明、カルテにも記載)、実際の症状は筋疲労によるもので他覚的には大きな異常がなく、内服は処方せず理学療法士によるストレッチ指導にて加療をおこなったものでした。
患者様には、この“大きな異常がない”という部分だけが記憶として残り、ストレッチ指導についても受けた記憶はあるものの間違ったストレッチ方法をその後おこなっておられました。
本日再度十分にご説明し、最後は笑顔でお帰りただいたと理解しています。
5分の説明と30分の説明とあまり説明効果が変わらないとしたら・・・医療者にとっては疲労感がのこるばかりです。

さてどうしましょう?

一つは、説明のスキルを磨くこと、もう一つはカルテ開示です。
当院は電子カルテですので、前回のカルテをお見せしたのですが“書いて有るけど聞いていない”といわれました。
解決方法は、只一つ、初診時、このような症例にはカルテを印刷しお渡しすることです。

せんだ整形外科では、2003年に電子カルテ導入以来、希望されるかたにはカルテ開示をおこなっています。

あなたも一度ご自分のカルテをご覧になってみませんか?
あなたの理解された内容とカルテ内容は同じでしょうか?

カルテを閲覧すること、それにより医療者と患者の新しい相互理解が生まれると思います。

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by ccr-net | 2007-11-08 22:31 | 医療
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