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外科医が減っている

研修後の若手医師、大学病院敬遠 脳神経外科も不人気

上記のような記事が最近の新聞報道でみられます。
また、産婦人科医の減少も深刻なようです。
asahi.comの“研修後の若手医師、大学病院敬遠 脳神経外科も不人気”と言った記事をみると整形外科も大きく減少しているのが分かります。
この原因には、2つあると思います。
一つは、外科系医師が割にあわないこと、もう一つは大学病院に魅力がないことでしょう。
では、なぜ整形外科を含めた外科系が割にあわないのでしょう?
それは、要求される責任と質に見合った報酬がないからです。
よく、マスコミで「アメリカの医療・看護はずっと手厚い」「少しでもミスがあれば訴訟される」という報道がありますが、これはあまりにも一面的な見方といわざるおえません。
なぜなら、日本の医療費は非常に廉価だからです。
例えば、盲腸手術の入院費用をみてみましょう。
<盲腸手術入院の都市別総費用ランキング>  2000年AIU調べ
 順位  都市名       平均費用  平均入院日数
  1  ニューヨーク    243万円   1日
  2  ロサンゼルス    194万円   1日
  3  サンフランシスコ  193万円   1日
  4  ボストン      169万円   1日
  5  香港        152万円   4日
  6  ロンドン      114万円   5日

  11  グアム        55万円   4日
一方日本は、手術料は六万数千円程度、入院費は1日あたり1万2千円程度ですから、通常は1週間で30万円程度、3割負担であれば9万円と言った計算になります。入院費が、ニューヨークでは7万円〜15万円することを考えると、日本と比較し入院日数が短いのは当然と言えるでしょう。
こうした、高い医療費の上に、高い責任(リスクヘッジ)と厚いケアの提供(アメリカでは日本の5.5倍の医師と、5倍の看護師)がなりたっているのです。
例えば、私が専門の脊椎外科の手術では、ヘルニアの手術は麻酔も含め約20万円ですが、これには執刀医・助手・麻酔医・器械取り看護師・外回り看護師・ガーゼなどの消耗品・器材の使用料(減価償却費)・手術室使用料など全てのものが含まれています。
この金額を、高いと思うか安いと思うかはその方しだいでしょうが、車の修理費とほぼ同額といった事実には私自身愕然とします。
こうしたなかで、私たちは高い質と安全の確保に努力をしているのですから、若い医師が魅力を感じなくなるのも仕方がないのかもしれません。
目的意識と理想だけで仕事をしていくのは限界があるのです。
私自身、現状の医療費を上げた方が良いとは必ずしも思いませんが、マスコミの皆様にはこうした外科医の現状の正確な報道を望みたいと思います。
なーんていいながら、今日も国立病院で手術をおこなった患者の方をみにいくのですが・・・
勿論、無償です。
義務ではなくて、私自身の責任とよろこびでもあるのです。
医師は医療が好きであること・・・それが第一条件です。

玖珂中央病院 吉岡春紀先生のアメリカの医療費を参考にさせて頂きました

by ccr-net | 2006-05-21 13:23 | 医療
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