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生きる勇気、逝く勇気

さようなら高村さん、またネ

今日はあなたのお通夜でした。
昨日夕の急報に
以前から気持ちの準備はできていましたが、思わず全身の力が抜けてしまいました。

あなたが突然の難病に罹ってから4年
私の専門領域でありながら、なぜもっと早く・・・と幾度悔やんだことでしょう。
病気休職となって1年半、その後退職されてから8ヶ月
早いですね・・・

当初は働きながら、
その後は遠いご自宅からご主人とともにリハビリテーション目的で通院されていましたね。
ともに働けなくても、毎日のように見えるあなたのお顔が
私を含めどれだけスタッフ全員の支えとなったことでしょう。
凄いです!

土曜日の夕方の訃報にもかかわらず
今日の通夜には多くの方々が詰めかけて来られました。
私たちのクリニックや法人のスタッフはもちろん、数年前に退職したものも来ています。
済生会からも看護部長を始め、多くの方々がやってきました。
人は会場に溢れ、後ろに立ち、玄関にまで溢れています。
人気者ですね!

もうずいぶん前のことです。
済生会で整形外科が遣り手の看護師長からあなたに変わってから3ヶ月
あまりの環境の変化に看護スタッフが私に直訴しました。
〝こんなに温くてはやってられない!〟
驚いたことに、優しいあなたではやってられないと、おもだった看護スタッフが離反したのです。
普通と逆ですね!
困った私は当時の看護部長に相談しました。
すると看護部長は私にこう言ったのです。

〝先生。私を信じてくださいよ。
今の整形には高村が必要なんです。 少し待てば変わりますから!〟

それから、2ヶ月ほどすると反乱は嘘のように収まりました
そのときのおもだった看護師たちが数年後にはあなたと大の仲良しになったのは驚きです。
どんな魔法を使ったのでしょう・・・

この病気だと判ったとき
あなたは一つの決断を下しました。

それは、〝逝く勇気〟です

一切の救命措置をおこなわない
呼吸管理も栄養管理もおこなわない・・・

それは、呼吸や嚥下が困難になるこの病気にとって、
まさに死を選ぶ、〝逝く勇気〟です。

生きること
死ぬこと
どちらも勇気がいります。

あなたは最後まで〝逝く勇気〟を貫きました。
でも、もう少し生きることにこだわってもよかったのじゃないか・・・
そう想うのは臆病な私の我が儘でしょうか。

多くの方が
あなたを想い
あなたを偲び
あなたの儚さに涙しました。

さようなら、高村さん
またいつかきっと会いましょうね。
でも、臆病な私は当分会えそうにありませんが・・・





by ccr-net | 2017-08-06 23:22 | その他
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