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スポーツ障害について考える

野球肘の原因は肘ではない

4月も3週目に入り、スポーツ障害の子供たちが増えてきました。
11歳のお男の子、
右肘の痛みと運動制限でお父さんと共に来院されました。
1ヶ月前から肘が痛くなり、あまり動かせなくなったのです。
さて、診察してみると可動域は20〜100度、伸展・屈曲共に制限され、上腕骨内上顆に圧痛があります。
典型的な内側型野球肘です。
可動域がかなり制限されており、きちんとした治療が必要です。
XPでは上腕骨内上顆の炎症像があり、離断性骨軟骨炎を呈しています。

ここで大事なことは、野球肘の原因は肘ではないということです。
症状がでるのは肘ですが、それは結果であって原因ではないのです。

肘は被害者なのです。

野球肘の原因は、下肢の筋硬直・股関節や足関節の拘縮・肩甲骨の拘縮などにあります。
ですから、肘だけをみてもきちんとした治療はできません。
もっとも大きい原因は、肩甲骨の拘縮・足関節の背屈制限・股関節の内旋制限・ハムストリングや大腿四頭筋の拘縮です。
治療は安静(ノースロー)と拘縮のある部分のリハビリテーション、それに投球モーションの修正です。
安静だけではよくなりません。

子供たちは、病院に来るのが好きではありません。
だって、ノースローなどいろんな制限をされるから・・・
けれども、原因は別のところにあるのですから、それを修正すればもっと野球が上手くなるのです。

治療をすること=上手くなること

多くの子供たちに最初に話すこと
それは、〝上手くなるために治療をしようね!〟ということです。

スポーツ障害の多くが、悪くなった場所に原因はありません。
悪者は別のところにいます。
だから、安静だけでは治らないのです。

あなたのスポーツ障害の治療はいかがですか?





by ccr-net | 2017-04-17 22:37 | 整形外科
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