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特発性側弯症:その決断があなたの未来を決める

価値観は人それぞれ、否定しないことが大事

昨日、最後の診療は1時間ほどかかりました。
クリニックの理学療法士の紹介で、母親と共に来院した15歳の少女です。

診断は特発性側弯症
思春期に発症し背骨が捻れを伴い左右に曲がる病気です。
軽度であれば外観から判りませんが、進行すればあきらかに曲がっているのが判ります。
特発性側弯症は進行しても一般に機能障害をおこすことはなく、あくまでも美容上の変化が問題となります。

今回、基幹病院で手術を勧められ、疾患説明を求めて来院されました。
熊本市ではもう随分前から側弯症検診をおこなっています。
目的は、側弯症を早期に発見しできるだけ進行をさせないことです。
今回の患者さんは県外の方ですが、すでに発見時進行しており明らかに手術適応でした。

では、なぜ相談にみえたのでしょう?

特発性側弯症の手術は一般には数多く経験するものではありません。
日本で一番多い施設で年間40例前後
一般には年間数例しか経験しません。

例えば私の場合
ピークで年間300例の脊椎手術をおこないましたが
側弯症は年間数例しか経験していません。
済生会中央病院のような全国から患者が集まる病院以外は非常に執刀数が少ない症例なのです。
けれども技術的には脊椎固定術ですので、他の手術の技術が応用できます。

今回、患者家族の疑問の一つは
〝該当病院の側弯症手術数が少ない〟ということでした。
もう一つは
〝十分な説明をしてくれない〟というもの。
でも、これは通常の外来では無理なのです。
私の場合
今回と同様、多くの時間を側弯症の説明に割きます。
ですから説明は、診療の最後や別日なのです。

特発性側弯症は非常に誤解の多い病気です。
また民間療法や誤った情報が数多く存在します。
だからこそ、時間をかけてお話しする必要があるのです。

側弯症の民間療法は数多くあります。
その多くは効果がないものですが、逆に害があるものもあまりありません。
ですから、必ずしも否定する必要がないのです。

大切なのは医学的に正しい治療を共にやっていくこと
否定して一方に追いやらないことです。

今回は、手術を受けるか否かという大きな決断を本人と家族がおこなわなければいけません。
特発性側弯症の手術の目的はコスメティックなもの、放っていても麻痺がおこるわけではありません。
けれども、この手術は時期を逃すと良い結果が得られません。
そう、チャンスは今なのです。

15歳の少女が大きな決心をし
両親が我が子の未来を決める。
それは、とてもとても大変なことです。

私たちはただアドバイスすることしかできません。
けれどもできれば私たちが正しいと信じた未来を選んで欲しいと思います。


by ccr-net | 2016-12-20 23:22 | 医療
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