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百聞は一見にしかず

避難所の現実は大変

本日熊本は朝から雨、途中から本降りになりました。
昨日、避難所に指定されている小学校の校長先生からご要望があり、
午前10時半から避難されている高齢の方のラウンド(巡回回診)をおこないました。

午後1時くらいまで宜しければ診て頂きたいという申し出に、
『そんなにはかからんもんね!』と高をくくっていました。

この避難所は総勢700名、高齢者が150名くらいということです。
巡回回診ですので、実際にはそんなに診る方はいないだろうと思っていました。
ここには3日前から当院のPT・OTが主に下肢の血栓予防での運動やマッサージにはいっています。
事前情報からは医療必要度は十数名ではないかという話でした。

ところが、行ってみると大違い。

150名をすべて回るどころか、実際に回れたのは50名くらい、そのうち医療介入が必要な方は10名程度です。
エコノミークラス症候群のチェックを主な目的としていたので、全員下腿〜足を診ます。
勿論基礎疾患の有無もお聞きするのですが、大変でした。
時間がかかった原因の一つは急な話でしたので、看護師が同伴できなかったことです。
けれども、帯同してくれた女性作業療法士(ここに3日間介入している)の働きは素晴らしいものがあります。

結果、救急搬送が1名、下肢静脈血栓及び疑い2名、低血糖2名、低栄養2名、感染症(感冒・膀胱炎など)2名、創傷処置数名でした。勿論、腰が痛い・膝が痛い・足がしびれる・倦怠感がある・血圧が高い等の方は沢山います。
この施設は3階の教室まで避難所となっており、構造が複雑で迷路のようです。
実際、救急搬送となった方の場合、その方のおられる場所に担当保健師が救急隊を案内できない状態でした。

午後から、別の小学校と中学校も回りました。
午後は2名の訪問看護師が帯同しました。
救急搬送こそ有りませんでしたが、似たような状況です。
結局、全体のラウンドを目的としながら、全く目標が達成されていません。
にも関わらず、疲労は増していき、午後5時に帰院したときにはぐったりでした。

震災後1週間経ちました。
この時期に、全体を一度診ておくことは大切なことです。
避難されている方々の疲労も大きくなっています。

それでも、皆さん文句も言わず、静かに横になったり、座ったり、談笑されていました。
でも、必ずしも健康とは限りません。

百聞は一見にしかず
勿論一見では判りませんが・・・





by ccr-net | 2016-04-21 21:36 | 医療
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