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MERSについて考える

韓国でのMERSにみる感染制御の大切さ

韓国でのMERS感染が拡大しています。
産経新聞の20時34分の発表です。
【ソウル=名村隆寛】韓国保健福祉省は7日、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染者が新たに14人確認され、このうち男性(75)が5日に死亡したと発表した。感染者は死者5人を含む計64人。隔離対象者は2300人を超えた。韓国政府はまた、感染者を出した国内の6病院と、感染者が滞在した18病院の名前を公表した。

これまでMERSは致死率431/1149 ( 37.5% )といわれていましたから現時点では少ない死亡数です。
(2015年5月30日現在)
MERSは発見されてまだ3年足らずの疾患です。
これまでは、中東での感染発症例がほとんどでした。
今回のような一人の感染者による比較的多くの二次感染者の発症(三次感染あり)は珍しく、WHOからのMERS対策チームが韓国に入るようです。

今回のMERS騒動で感じるのは、初期対応が感染管理ではとても大切だということです。
この初期対応を間違えると、対象は個人ではなく地域や国となります。
東北大学の賀来満夫教授が専門とされる感染制御の分野です。

本日、感染者が発生した6病院と一時滞在した18病院のリストを韓国政府は発表しましたが、一部間違いがありすぐに訂正があるなど、情報公開においても混乱しています。
情報の信頼性がないのです。

私は感染症の専門家ではありませんが、
感染対策にとって大事なのはスタンダードプリコーションなどの予防策の遵守と、
情報の迅速で正確な公開です。
今回は、その点が上手く機能していないようです。

もちろん、日本も対岸の火事ではありませんから、十分な注意が必要です。

それにしても、動物園のラクダを隔離したのには驚きました。



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by ccr-net | 2015-06-07 23:11 | 感染管理
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