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側わん症について考えよう

側わん症検診のピットフォール

毎年この時期になると、側わん症検診での二次検診目的での受診が増えて来ます。
側わん症とは一言でいえば「背骨が曲がった状態」です。

この“背骨が曲がった状態”には2種類があります。
一つは機能性側わん症、もう一つは構築性側わん症です。

機能性側わん症は、痛みや疲労による背骨のゆがみや曲がりですから、単なる姿勢の問題です。
ですから、姿勢矯正や疼痛などの原因を取り除けばまた真っ直ぐになります。

側わん症検診が目的としているのは、構築性側わん症の検診です。

いろいろな原因で、背骨が曲がっていくので、姿勢の矯正などでは元には戻りません。
中でも、思春期におこる特発性側わん症(原因のはっきりしない側わん症)の発見が大きな目的です。
早期に特発性側わん症を発見し進行を予防すること、これが二次検診の目的です。

ところが、構築性側わん症は特発性側わん症だけではありません。

先天性側わん症や症候性側わん症があります。

先天性側わん症は名前のように先天性ですから、背骨の奇形を伴いXPで簡単に鑑別できます。
問題は症候性側わん症です。
症候性側わん症は神経性側わん症や筋原性側わん症といった神経や筋肉の異常を原因とするものがあります。
これは、前述の先天性側わん症とは全く異なりますから、MRIや神経学的検査が必要になります。
ところが、明かな麻痺や筋肉の異常が一見無い場合、症候性側わん症を見落とすことがあります。
特発性側わん症と間違うことがあるのです。


最近たまたまそういう症例に遭遇しました。
XPでの側わんの割に、見た目の側わんが強く、
“何となくへんだなあ・・・”と思い、ご家族に既往歴をあらためて尋ねました。
すると、幼少期に脳炎の既往が有り、一時期麻痺があり治療を受けられたことが判りました。

つまり、症候性側わん症を疑わなければいけません。

さっそくMRI検査で脊髄空洞症や脊髄腫瘍の有無の精査をおこなうことにしました。
筋原性側わん症を疑う場合は、電気生理学的検査や筋生検が必要になります。

側わん症検診で来院される方で、こうした症候性側わん症に遭遇することは比較的希です。
だからこそ、問診が大切なのです。

側わん症で有りながら、特発性側わん症とは対応が全く異なる症候性側わん症。
側わん症検診のピットフォールです。



大切なのは正確な診断とトリアージ

そのためには、二次検診機関の全体的なレベルアップが必須です。

ハードルが高いですが、これからの課題です。



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by ccr-net | 2015-05-15 23:31 | 整形外科 | Trackback
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