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明日まで待てない救急搬送

大切なのはタイミング

今日は新患ラッシュで診療が終わったのは午後8時。
その後、在宅の方が高熱があるとのことで緊急の往診に出かけました。
問題の方は90代の女性、1週前から37度程度の発熱が有り、今日は午前中に38度の発熱で近くの病院を受診。
抗生剤の点滴をされ帰宅、夕方から39度の発熱となったようです。
さて、明日から在宅医療をということで紹介状を頂いていますが、全くの新患ですので把握できていません。
診察してみると、BT 39.6度、SPO2 86、脈拍120、聴診すると全肺野に喘鳴を認めます。
意識レベルは認知症がおありなのではっきりしませんが、JCS 20です。
基礎疾患に糖尿病・高血圧・心不全・低栄養があり、軽度の脱水も認めます。

さて、どうしましょう。

明日まで待てるか?
それは判りませんが、こうした場合大切なのは安全策をとることです。
というわけで、救急搬送となりました。
連絡した1件目の病院は満床、2件目の古巣の病院で受け入れていただき、同乗して救急外来へ。
さて、胸写やCT検査、血液検査の結果がどうだったか、それは別の問題。
今は快く受けて頂いた病院に感謝するのみです。

夕方、夜間に容態の変化した患者はどうするのがよいか?
在宅医が往診・点滴で繋ぐか、それとも入院か、それはケース・バイ・ケースでしょう。
でも高齢のハイリスク患者の場合、急変はあっという間におこります。
ですから、迅速な判断が必要なのです。

以前、私はこうした患者を病院に送るのは、『押しつけ』ではないかと考えた時期があります。
でも、それは送る側の覚悟にあるのではないかと最近思うようになりました。

『めんどくさいから』
『夜だから』
『夕方だから』

そうした理由で送るのは、もちろん『押しつけ』でしょう。
でも、患者のリスクと安全を考え病院へ搬送するのは“恥”ではないのです。
結果がどうであろうと、送る側のきちんとした覚悟があればよいのだと、最近は考えています。
その想いは、受け入れる側にも伝わるはずです。


いつも受け入れて頂いて、有り難うございます。

救急医療の大変さ、過酷さは存じているつもりですが、

そのおかげで何名もの命を救って頂きました。

本当に心から感謝しています。






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by ccr-net | 2014-01-14 23:21 | 医療
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