SENDA MEDICAL CLINIC BLOG

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優先すべきものは安全性と確実性

無理は人の余裕を奪い、安全を毀損する

ここ5年ほどノンストップ診療でがんばってきましたが、最近はちょっと疲れが出てきました。
昨日も患者さんが途絶えることなく、結局6時40分までノンストップでした。
午後3時過ぎから私は少し疲労を感じ、5時には余裕が無くなっていたようです。
それでも可能なかぎりきちんとした診療をおこない、自分自身では特に問題を感じていませんでした。
診療が終わり帰宅して、ふとあることに気づきました。
『今日午後5時頃診察した女性に授乳の有無を確認しただろうか?』
ご本人は言われませんでしたが、家族の方が1歳児を抱えていらしたとの話を診療終了後耳にしていました。
その子がこの女性のお子さんか否かは、判りません。
けれども、その可能性はあるのです。
私は授乳の有無を確認せずに、消炎鎮痛剤を処方していました。

慌てて、電話で連絡を入れましたが、なかなか繋がりません。
5回目にようやく連絡がとれました。
結果的に、授乳はされておらず、問題はありませんでした。
結果オーライです。

私は愕然としました。
“授乳の可能性のある方に、確認をせずに処方した”
私としてはあり得ないことです。

要するに、過労が安全を毀損したのです。
若いときは普通にできたことが、出来なくなったのです。
“そんな大げさな!”
そんな声が聞こえてきそうですが、医療において最も優先すべきなのは安全性と確実性です。

これと同様のことが8年前にありました。
開業後も、あちこちで呼ばれれば手術をおこなっていた私がメスを置いた時です。
この時も、他の人からみたら大したことではありませんでした。
某病院で腰椎後方除圧術をおこなっているとき、いつもより出血が多いように感じました。
腹臥位の手術ですから、こうした場合、腹部を布などで圧迫している可能性があります。
術中、助手の先生に『腹部を圧迫していないかどうか確認して!』と指示を出しました。
彼はすぐに腹部を確認し、『大丈夫です』と答えました。
“そうか、体が大きいからかなあ”そう言いながら、私は手術を続行し、手術は無事に終了しました。
閉創後、自分で腹部を確認すると、腹部は圧迫されていました。

『今日の手術が最後で、もう手術はしないから』
そういうと助手の先生は驚きました。
『そんな先生、私の確認が悪かっただけで、たいしたことではないでしょう』

私にとっては、とてもショックな事だったのです。
術中に自分の目で確認すること、これは私にとって手術の基本です。
それを、自分でせず、人の言葉のみで手術を続行したのです。
当たり前のことが、当たり前に出来なくなったのです。

今回のことは、この時と同じくらい自分にとってショッキングな出来事でした。
当たり前のことが当たり前にできない・・・
大問題です!


ということで、13時〜15時までの適当な時間に15分ほどの休みを必ず取ることにしました。
おそらく、この15分で、また当たり前のことが普通に出来るようになるでしょう。


大山鳴動して鼠一匹・・・

針小棒大・・・

そうかもしれません。

でも、このわずかな出来事が、大きな安全性の毀損に繋がるのです。


安全の担保は、難しいですね。



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by ccr-net | 2013-12-04 21:31 | 医療
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