話すことからはじめよう
最近、ちょっとクリニックはぎくしゃくしています。
きっかけは、私のこの一言、
『カルテの入力は発生源入力、だからできるだけ現場で入力するように』
電子カルテの入力は、基本的に発生源入力。
これは、医療行為の起こるところで入力するという基本原則があるからです。
医療行為のコンピュータへの入力を医師や看護師・理学療法士といった医療従事者が直接おこないます。
すると必ずこんな声が出てきます・・・
『これって私たちの仕事?』
そう、あなたたちの仕事なのです。
クリニックの中で起こることで、私たちの仕事でないものなんてありません。
廊下に落ちている紙くずだって、泣いている子供の世話だって、みんな私たちの仕事です。
ところが、事務作業に関しては何故か“事務の人の仕事!”となってしまいます・・・
なぜ?
それは、私たちが長い間、“専門職=技術屋”として働いてきたからかもしれません。
自分の仕事をやっていれば、それでよい・・・そんな想いがないでしょうか?
今回、この“発生源入力”に理学療法士が異論を示しました。
曰く、
『とてもそんな時間はありません!どの施設もそんなことはしていません!』
『時間なんてあるじゃない・・・』
という私に対し、理路整然と答えました。
『現在、呼び込み・リハビリテーション・リハ後の消炎鎮痛処置・予約票渡しをおこなっています。
それに加えて、カルテ入力をおこなうと、実際のリハビリテーションの時間が削られます』
『先生は電子カルテをクリックするだけと言われますが、カルテがどこかで開いていると入力できません。また一斉に入力するとリハビリテーション室にある5台の電子カルテでは対応できないことがあります。』
『なるほど、で、解決策は?』
『え?』
今回の私の一言で、皆がそれぞれ考えたようです。
なぜ自分たちが忙しいのか?
なぜ発生源入力が大事なのか?
忙しさを解決するにはどうしたらよいのか?
そして、自分たちの仕事はなんなのか・・・・
私は何もすべて理学療法士がやれといっているわけではありません。
大切なのは、自分の仕事が何なのかを理解すること、
出来なければ、他の誰かに任せればよいのです、
もちろん、それがクラークであれば、より効率的な運用が出来るでしょう。
また、他の業務の効率化を考え、リハ助手など他の職種の有効活用もいるでしょう。
必要であれば、増員もいるかもしれません。
私の真意がどこにあるか?
それは話してみないと判らないこともあるでしょう。
今回、意を決してやってきた一人の理学療法士、
彼女が私の気持ちを理解してもらえたかどうか、それは判りません。
でも、少なくとも私は、
彼女の真摯な気持ち、危機感、リハに対する想いを、少し理解することができました。
さて、今後私たちのクリニックがどの方向に進むのか判りません。
けれども、彼女と話し、翌日、また一人と話し、今週はまた多くのスタッフと話していく予定です。
話すことから始めよう・・・
当たり前だけれど大切な事、
そして忘れがちなことです
押してね ♪