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食糧自給率の不思議

カロリーベースの食糧自給率は必要か? 

安倍首相のTPP参加表明を機に、食糧自給率の話題がまた出てくるようになりました。
TPPの是非は兎も角として、日本の食糧自給率がなぜ低いのか考えてみました。

現在、日本の食糧自給率に対して識者の意見は二つに割れています。
まず農林水産省を中心とした『食糧自給率40%は先進国中最低ライン危険!』という意見。
その代表選手が、FOOD ACTION NIPPONです。
日本の食料自給率は戦後大きく低下の一途を辿り、昭和40年度には73%だった自給率が、平成23年度には39%まで落ち込みました。米や砂糖などを除くほとんどの食料の自給率が昭和40年当時に比べて著しく低下し、その分を輸入に頼っているのが現状です。この数値は、世界の主要先進国の中でも最低水準に値します。

もっともよく耳にする意見ですので皆さんもよくご存じのことだと思います。

これに対して反対意見は『「食料自給率40%」は大嘘!』というものです。
その論拠は、『農業生産額で日本は世界第5位の農業大国』ということになっています。
はて、食糧自給率と農業生産額、これって何が違うのでしょう。

そもそも食糧自給率はカロリーベースで考えた日本独自のもの、それに対して農業生産額は金額ベースです。
これは、一般には米国からの規制緩和圧力を弱めるため1983年農林水産省がカロリーベースの農産物統計として食糧自給率を突然使い始めたといわれています。
グラフを見てみましょう。
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1960年と比較し、大きく食糧自給率が減っているのがわかります。
同様に小麦の自給率も大きく下がっています。
これはカロリーベースですので、小麦の輸入が増えれば当然食糧自給率が減ってくるのがよくわかります。
この原因は、食生活の変化ばかりではありません。
実際、小麦の生産量は昭和35年の150万トンに対し平成23年は73万トンに減少しています。
これは海外からの安価な小麦の流入が原因と言われています。
ではこれに対抗するにはどうしたらよいのでしょう?

TPP加入前の現時点で、すでに小麦生産額260億円に対し総額1300億円の補助金がでています。
なぜ、これだけの補助金が出て減産するのかはよく判りませんが、単純ではないようです。

次に、農業生産額について考えてみましょう。
b0102247_2255234.jpg

よく『日本は世界第5位の農業大国!』の根拠として示される図です。
これだけ見ると、『おお、凄い!』となってしまうのですが、ことは単純ではありません。
と言うのもブラジル・ウクライナなどの農業国が入っていないからです。
では、どう判断したらよいのでしょう?
ここで、世界食糧機構(FAO)が発表している農業統計FAOSATを見てみます。
ここでは、Top 20 農業品目についての生産金額(Value)と生産重量(Quantity)を比較しています。
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日本はそれぞれ13位・17位に入っています。
この辺が、世界標準の基準で見た実力といったところでしょうか。

要するに、日本は中の上くらいの食料生産国といえます。
こうなると、自給率40%は危険!というのは少し大げさなような気もします。

小麦はパンや麺などの直接口に入るもの以外に、飼料でもありますから簡単な比較は困難です。
そこで、単純にカロリーだけで考えてみました。
(もともとカロリーベースの食糧自給率ですから公平な気もします)
米の代表選手のご飯は茶碗一杯140gで235kcal、
それに対して、食パン1枚(八つ切り)で132kcal、
二枚食べるとご飯のカロリーと同じになります。
単純に考えると、もっとご飯を食べれば食糧自給率は上がるということになりますね。

食糧の自給は大切な問題です。
けれども数字だけで見ていると、なんだか本質を見失いそうですね。


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ということで、
お米の大好きな私は、取り敢えずお米を食べ、自給率のアップに貢献しましょう・・・
なあんて、単純な問題ではなさそうですが。





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by ccr-net | 2013-03-17 23:20 | その他
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