SENDA MEDICAL CLINIC BLOG

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医療連携の次のステップ

新しい事にはいつもワクワク感が一杯!

今日は午後から1時間ほど高村看護師長と平成とうや病院に出かけました。
目的は、施設見学と新しい医療連携を構築するためです。
施設見学は兎も角、『新しい医療連携ってなあに?』と疑問の方も多いと思います。
病診連携や診診連携は当たり前、今更“新しい”って言われてもね・・・
そういう声が聞こえてきそうですが、でも“新しい”のです。

現在の病診連携システムはその多くが基幹病院と診療所・基幹病院と個人病院という形で成り立っています。
これは、もう20年ほど前からおこなわれていたことで、勿論私が基幹病院に在職中も行われていました。
そして在院日数の短縮化が始まり、クリティカルパスが広まり、連携パスも登場したのはご存じの通りです。

この過程で出来たのが2000年に創設された回復期リハビリテーションです。
急性期病院からの患者移行がよりスムースにおこなわれるように作られたこのシステムも10年が過ぎました。
この移行がスムースにおこなわれるという意味は、
言うまでも無く、より高機能のリハビリテーションを受けることができるということです。
これにはPT(理学療法士)・OT(作業療法士)・ST(言語療法士)などの人的資源の投入が必要で、
例えば本日伺った平成とうや病院では105床に対して44名のリハビリテーションの専門スタッフがいます。
一方、国立病院機構熊本医療センターでは、550床に対してPT・OT併せて6名しかいません。
勿論、病院の目的が違うので当たり前なのですが、ことリハビリテーションについては勝負になりません。

今までの病診連携というのは、実はここの回復期リハビリテーションの部分が入っていませんでした。
診療所から基幹病院へ送り、あとは自宅へ退院するか、回復期へ転院するか、あまり考慮されていませんでした。
さて、このシステム、一見良さそうですが、実はちょっと不安です。

『この手術はA病院のB先生が上手だから、A病院に行きましょう』
そう医師から言われて、患者さんはA病院に行きます。
でも、その後の入院が必要になった場合、回復期リハの病院へ転院します。
勿論、執刀医のお勧めのはずですが、実は病床の都合で必ずしもそうとは限りません。
現在は基幹病院は『在院日数の短縮』という重い鎖があり、必ずしも患者優先とはならないこともあります。

さて、どうしましょう?

私たちは前より患者さんに入院→手術→転院→自宅退院(在宅)というパスウエイの提案をしてきました。
けれども、必ずしも思い通りにはならず、手がそこまで回らないこともよくありました。
今回の連携構築は、信頼できる回復期リハビリテーション施設と直接連携することで、
このクリニカル・パスウエイ全体を保証できるシステム構築をおこなうことにあります。
こうすることで、信頼できる執刀医→信頼できるリハ医→かかりつけ医・在宅医という一つの流れができます。

患者さんにとっては安心できるクリニカル・パスウエイが、
基幹病院にとっては在院日数の短縮が、
回復期リハビリテーション病院にとっては安心できる在宅復帰が可能となるのです。


けれどもそのためには、お互いの信頼関係、質の担保が必要になります。
すべての施設が医療の質の保証ができなければ、
こうした連携はあっという間に負の連鎖になってしまいます。

これからの医療の世界はより競争の厳しい世界になってきます。
その中で生き残って行くには、早く質の高い連携システムを構築することが必須です。
勿論、そのためには自施設の質の担保が必須ですが・・・。


医療連携の次のステップ_b0102247_23164847.jpg


より高い医療レベルを目指すこと、
よりよい医療を提供すること、
そのための、新しい第一歩が始まりました。

お忙しい中、時間を割いて頂いた、
森 孝志 院長、依光 茂太 副院長、山下 美智子 看護部長に大変感謝しています。


平成とうや病院、素晴らしい病院に発展しています。

さて、私たちも負けずにがんばらなくてはいけません。





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by ccr-net | 2013-01-30 23:18 | CLINIC
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