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疲労骨折とシューズの不思議な関係

シューズの重さをご存じ?

スポーツ活動の盛んな時期になり、スポーツ障害も増えてきました。
最近多いのは野球肘、サッカーでのグロインペイン症候群、そして下肢の疲労骨折です。
下肢の疲労骨折を起こしやすいのは陸上長距離選手ですが、先週も一人の中学生がやってきました。
大腿部の痛みがあり他医でのMRIで大腿骨の疲労骨折を指摘され、某高校の陸上監督の紹介で来院しました。

MRIをみると、なるほど大腿骨骨幹部・骨膜の炎症像を認め、骨膜炎および軽度の疲労骨折像を呈しています。
現在の練習メニューは、ウオーキングとスイミング(ビート板使用)です。
可能な限り原因を廃し、早期復帰を目指しての紹介受診です。
基本は、フォームチェックとトレーニング(ストレッチトレーニング+パワートレーニング)ですが、一つ大切なものを忘れてはいけません。
それは、シューズです。

当日、練習用シューズの持参がありませんでしたので、次回のチェックとなりました。
チェックポイントはソール・インソールそして重量です。
ソール・インソールは実物を見ないと判りませんが、来院時履いていたシューズと練習用シューズの重さが実感では同じくらいということから、重量は概ね予想ができました。
履いていたシューズは220gの軽量シューズ、これと同重量ということは練習用としてはかなり軽量です。

一般に、シューズは練習用は重め、レース用は軽めのシューズを選択します。
単純に考えれば、シューズのソールのクッション性が増せば重くなり、薄くなれば軽くなります。
当然着地した際の衝撃はクッション性があるほど弱くなります。
またクッションが薄くなると逆に、蹴り出す際の力のロスは少なくなり、より早く走ることができます。
練習では足への衝撃が少なく、レースでは速く走ることができる、それが理想のシューズです。
従って一般に上級者では練習は300g前後、レースでは200g前後のシューズを選択します。
勿論、使用する人の状態によりシューズの重量は変わりますが、今回の故障を考えると少し練習用シューズの重量が軽すぎたのかもしれません。

また、次回ランニングフォームのチェックに入りますが、もしかしたらランナー特有の踵から着地するスライド走法に問題があるのかもしれません。
『え?綺麗なフォームは当然踵着地でしょう?!』

その通り、ほんの数年前まではね!

今でも基本は踵から着地するスライド走法ですが、最近はこれと逆の『ベアフットランニング: barefoot running 』が注目されています。

ベアフットランニングは、足裏全体で着地すること(ミッドフット着地)で踵・足首・膝・腰への負担を体全体で吸収し、故障しにくく効率的な走りができると言われています。
勿論、実際のレースで裸足で走ることはないでしょうから(アベベがいましたね)、そのためのシューズとしてNB minimusやナイキ フリーなどが開発されています。
故障の多いランナーにはトライする価値がありそうです。

疲労骨折とシューズの不思議な関係_b0102247_2291100.jpg


いずれにしても、走るにはシューズはつきもの。
あなたは、あなたのシューズの重さをご存じですか?




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by ccr-net | 2012-06-24 22:15 | 医療
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