SENDA MEDICAL CLINIC BLOG

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環境や目的によって治療は変わる!

あなたはどうして欲しいのか?ただ痛みを訴えるだけでは駄目!

今日は久しぶりの休日当番!
朝は雨でしたが午後からは快晴、
そのせいでもないでしょうが、外来はがらがら・・・
いったい熊本の外傷患者はどこに行ってしまったのやら、
それとも最近ちょっとばかり体調を壊している私への神様の贈り物?

そんなわけで、当番医だというのに本当にのんびりした1日でした。
そこへ一人の高校生がご両親とやってきました。
主訴は腰痛、バスケットの一流選手で、ここ1週間腰痛で満足に練習もできません。
XPで異常なく、診察上もただの筋膜性腰痛、ただし疼痛は中等度です。
疲労(オーバーユース)による筋膜性の腰痛で心配ない旨、本人とご両親にお話ししました。

とここまでは、普通の診療です。
『で、いつまでに治したいのですか?』
思わぬ私の質問に皆びっくりした表情です。
『いや、その前に教えていただきたいのですが、今日ここにみえたのは当番医だからですか?』
『当番医ということでおみえになったのであれば、安静にすればいずれ治ります。けれども・・・』
ちょっと皆身を乗り出してきました。
『うちのクリニックが希望でみえたのであれば、事情がちょっと違います』

『どう、違うのでしょうか?』とお父さん。

『私たちのクリニックでは、できるだけ患者さんの要望に応える努力をしています。』
『例えば、1週間後に試合に出たいとか、3週間でフルに動けるようにしてくれとか・・・』
『先日は、4週間後に大学の推薦入学の実技試験があるからと来院した腓骨骨折の高校生がいました。』

『あ、それうちの高校の先輩です!』と女の子。

『走れるところまでは治せましたが、なんと当日三段跳びをやれと言われ、飛び、見事合格しました』
『この話はちょっと無茶ですが、目的に応じて治療を加速させることは可能です』
『もちろん、出来ないこともありますが・・・』

『私は今週土曜日の試合に出たいのです!』

『あなたは、ポイントガードですよね』

『え、そうですが・・・なんで判るんですか?』

『あまり身長が高くなく、3年生でレギュラー、しかも動きは機敏・・・ポイントガードにぴったりです』
『このポジションは非常に負担の多いポジションなので、数日で復帰するにはお薬よりも積極的なコンディショニング・トレーニングが必要です』
『それに加えて、アイシングや体のケア、練習前のアミノ酸摂取も大切ですね』

『どうしたらいいでしょうか?』

というわけで、明日から数回クリニックでの治療と指導・コンディショニングトレーニングを行うことになりました。
まるで、霊感商法のような会話ですが、スポーツ選手の復帰には本来こうした細かな指導が必要です。

環境や目的によって治療は変わる!_b0102247_2117565.jpg


『肩が痛いです!』
『じゃあ、休もうね』

『腰が痛いです』
『はい、湿布』

こうした治療、意外と多くありませんか?
野球選手であれば、ポジションはどこか?右投げ右打ちか?といったことが非常に大事です。
内野手でもショートストップとファーストでは全く違います。
前述のバスケットでもポイントガードとパワーフォワードとでは全く異なります。

目的は何か、ポジションはどこか、いつまでに治したいのか・・・
そうしたことを基に、私たちは治療プランを立てていくのです。

もし競技だけでポジションも、希望も何も訊かれないとしたら、
そんな施設での治療はとっとと辞めてしまいましょう。

でも、そのためには相手にきちんと伝えることです。
自分の希望を、目的を・・・
それが、治療の第一歩です。

ちなみに今日みえた女の子は、休日当番を探し、たまたまうちに見えた方でした。
人の出会いは不思議ですね。


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by ccr-net | 2012-04-22 21:21 | 整形外科
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