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腰椎椎間板ヘルニアの手術法は?MEDは万能か?

たまには整形外科の話をしよう

このblogは整形外科医のblogにもかかわらず、整形外科疾患の話をすることは少ないとおっしゃる方々に、
たまには本業の話をしましょう。

私の専門領域は脊椎外科ですので、多くの脊椎疾患を扱います。
毎週のように手術を決定し、予約し、紹介します。
(私自身が執刀することは原則として今はありません)
昨日、基幹病院のH先生に紹介したAさんからお電話を頂きました。
内容は次のようなものです。
『先生に勧められたMED(MicroEndoscopic Discectomy :内視鏡下椎間板摘出術)を受けようと決心して行ったのですが、H先生にマイクロラブ法とMEDのどちらか選んでくれと言われ判らなくなりました』

一般の方に『どちらにしますか?』と複数の手術法を提示すると、混乱することがあります。
理由は判断できないからです。

複数の手術法を提示することは私もありますが、最後に必ず『お勧めはこれ!』というのを付け加えます。
そうした方法をとらない場合、またはネガティブな情報を並べる場合は、術者が様々な理由で手術に気が乗らないことがその理由としてあります。

果たして、今回は?  
そう思ってH先生に連絡すると、答えは別のところにありました。

『最近の報告で、MEDの手術成績が必ずしも経験とパラレルではないので・・・』
つまり、技術に習熟しても手術結果が伴わないという報告が多くなされているというのです。

念のためにお話しますが、H先生の手術成績はとても良好です。
腰椎椎間板ヘルニアの手術成績については、以前腰椎椎間板ヘルニアの再発率で報告したとおり、
私自身勿論100%ではありません。

さて、果たしてMEDの手術成績は本当に良くないのか?

ここで、pedicle screwによる腰椎後方固定術の術後成績の学会報告の経緯を思いだしました。
もう15年以上前になりますが、腰椎をチタンスクリューで後方から固定する手術の黎明期がありました。
様々な学会でスクリューの破損や脱転が報告され、その原因はinstrumentsの不出来にあるとされていました。
でも数年後、それらはすべてtechnical failure(技術的問題)にあるということが判明しました。

MEDは日本でおこわれるようになって10年ほどが経過しています。
私自身が執刀したのも11年前です。
これだけの時間が経過したのですから、本来なら技術的問題や器械的問題(随分改良されました)は解決していていいはずですが、なかなかそうはいかないようです。
その理由は、この手術に慣れるまでの時間的煩雑さにあります。
オープンで行うマイクロラブ法では半分の時間でできるのですから・・・
それで、相変わらず従来手技との比較がおこなわれているのでしょう。

異なる術者での手術法の比較はあまりあてになりません。
自分が信じた方法できちんとした結果が出ていれば、それがその人にとって現時点でのベストの手術法なのだと思います。

さて、話を今回のMEDに戻しましょう。
Aさんの椎間板ヘルニアは脱出型の大きなものですが十分にMEDで摘出が可能なものです。
再発リスクは熟練した術者であれば変わりません。
勿論、H先生はエキスパートです。

腰椎椎間板ヘルニアの手術法は?MEDは万能か?_b0102247_22412013.jpg
手術は多くの方にとって一生に一度きり、

迷いがあればいくらでもご相談下さい。

決めるのはあなた、

でも私はあなたのパートナーです。



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by ccr-net | 2011-10-14 22:42 | 整形外科
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