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大切なのは情報

問診が決める診断の正確性
1ヶ月前に膝の異常で来院し、その後久しぶりに一昨日診察に訪れた中学生がいます。
はっきりしたエピソードがなく、所見もほとんどないため念のため1週間後に再来して頂く予定でした。
それが1ヶ月後となった訳ですが、相変わらず明確な異常がありません。
(あまり協力してくれないので十分な診察ができていません)
けれども、いくらなんでも1ヶ月の異常はおかしい・・・ということで昨日MRI検査をおこないました。
するとACL(前十字靱帯)が完全に断裂していました。
予想しなかったことなので改めて外傷の有無がなかったのか尋ねたところ『そういえば・・・』と言う答え、
今度は診察にも協力的で明らかな膝関節の動揺性(Lachman・Anterior Drawer共に陽性)を認めました。
ACLの新鮮断裂の場合、通常は著明な関節血腫と明らかな受傷歴(膝を捻った・ジャンプして痛めたなど)があります。
今回の症例は、そうしたエピソードの聞き取りができていませんでした。
もう少し、聞き取れていたら・・・と悔やみました。

診断をする場合、一般の方がお考えになるよりその多くの部分を問診が占めています。
私の場合では、その80%を問診で決め、診察で15%、検査が占める割合はわずか5%です。
(これは整形外科特有かもしれませんが)
従って、問診がとても大切なのです。

看護情報学・医療情報学という言葉があるように、医療の基本は情報とその分析です。
そのなかには問診や検査結果・vital signや診察結果・それに患者周辺情報もあり、そのどれもがとても大切なのです。

肝心の問診がきちんと取れていないと、ミスリードされることがあります。
今回の症例は受傷のエピソードがはっきりしないという、この疾患としては希なケースでした。
けれども改めて問診の大切さを教えてくれました。

情報はすべて大切、
捨てるものはありません・・・

医療の基本は問診、
それを教えてくれた症例でした。


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by ccr-net | 2011-04-21 21:33 | 医療
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