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災害時こそ大切なコミュニケーション・スキル

JMR渡部須美子氏に学ぶコミュニケーション力
今日テレビでの自衛隊の方と被災地の方との会話。
とても礼儀正しく暖かい口調でしたが、思わず『そうだよねえ』と頷いてしまう部分がありました。
『今日の援助物資はこれだけですが、何か必要なものがおありですか?』
『はい、燃料と水が不足しています』
『判りました。すぐに用意します。ところで、今までこのような質問を受けられましたか?また、要望はされましたか?』
『いえ、今回が初めてです。要望もしていません。』
『そうですよね。是非今後はご要望を遠慮無くおっしゃって下さい』

一見普通の会話ですが、実はこれ被災地に必要な物が届いていないのです。
支援物資は一方的に送りつけられ、そこにはコミュニケーションがなかったのです。
災害時や救急時はこうしたコミュニケーション力(コミュニケーション・スキル)がとても大切です。

必要なことを簡潔に的確に伝える、
自分の状態や気分を表現する、
短時間で詳細な情報を聴き取り情報を共有する、
これがコミュニケーション・スキルです。

私たちのクリニックでは、このコミュニケーション・スキルについて震災前の3月5日JMR(ジャパン・メディカル・レスポンス)の渡部須美子氏から3時間にわたるレクチャーを受けました。
多くの方がコミュニケーション・スキルのレクチャーと接遇教育とどこが違うの?とお思いでしょうが、実は全く違うのです。
一般におこなわれている接遇教育とは、実は社会人として当たり前のことを教えているだけです。
電話の取り方、受け答えの仕方、お辞儀の仕方など・・・
直接医療と関係のないことですから、『何でこんなことを?!』と多くの施設で医療者の反発を受けています。
(できて当たり前のことですが、出来ない方が多いのも事実です)

ところがコミュニケーション・スキルとなると話が違ってきます。
医療の基本は、聴く・情報を分析する・伝える(共有する)の3つです。
とくにこの聴く・伝えるの部分が大切です
いかに相手の情報を聴き取るか、
それを相手に伝えることで情報を共有するか、
そのどちらもがとても大切です。
救急や災害の現場では、これをコンパクトにしなければいけません。
その最たるものがトリアージでしょう。
私たちはこうしたレクチャーをたっぷり受けたのですが、まだまだ身についていないようです。今後も複数回の研修が必要ですね。

講師をして頂いたJMRの渡部須美子さんはとてもユニークな経歴をお持ちです。
ホテル学校を卒業後、旅行代理店に勤務、医療機器の会社を経てアンブジャパン株式会社取締役となり日本の救急医療教育の一端を担われています。その後、独立起業されJMR(ジャパン・メディカル・レスポンス)を設立されていますが、この時期にAHAの日本でのBLS研修の基礎を築かれています。
この時の様子は、AHAのCurrentsに『Japan`s “Magnificent Seven” (Schichinin No Samurai) Could Inspire Millions』として紹介されています。
お仕事の中で多くの救急医療に従事する方と知り合われ、その際コミュニケーション・スキルの大切さを実感されたことが現在のレクチャーに繋がっているのだと思います。
私は、実際の経験の裏打ちがない講演(机上の空論)は嫌いです。
渡部氏のご講演は、彼女の実務経験とキャラクター(とても楽しいお人柄)による素晴らしいものでした。
今後、シリーズで彼女の講演を受ける予定です。

コミュニケーション・スキル、あなたは自信が有りますか?

一度渡部氏のレクチャーを受けてみませんか?

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by ccr-net | 2011-03-19 20:04 | 医療
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