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感謝の心を忘れない

どこかでずれてしまった医療・福祉に対する認識

今日も午前中は外来、午後は在宅といういつもの水曜日。
でも、最近気になることがあります。
それは、私たちがどこかで『感謝する心』を失ってはいないか、ということです。

外来で診療中に看護師から注射器を受け取る際、クラークから電話を受け取る際、
『ありがとう』の言葉を忘れません。
『ありがとう』『すみません』『お願いします』・・・
社会生活をおこなっていく上での、大切な言葉です。
ちょっとした気遣いや心配り、交わす言葉、感謝の気持ちが、私たちの日常にはとても大事です。

最近こうした感謝する心がなくなっているのではと感じることが時々あります。
医療を受けるのは当たり前、
介護サービスを受けるのも当たり前、
入院も当たり前、
すべて当たり前で当然のこと・・・そう考えておられる方にたまにお会いします。
でも実はそれは少しも当たり前ではありません。

医療も介護も社会のみなさんのバックアップで成り立っています。
義務ではありますが人の善意でなりたっているのです。
ご自身が支払っておられる年間介護保険料でまかなわれるのは訪問介護月2回分程度です。
これは介護保険が健康保険と同じ皆で支え合うものなので当たり前ですが、介護サービスの受給者はその対価を決してご自身のみで支払っているわけではありません。
社会の多くの方の善意と現場のスタッフの献身(仕事ですから報酬はありますが、それだけではできない厳しい現場です)で成り立っているのです。
それでも、個人負担分を請求すると『お金をとるの?』と言われることがあるそうです。
その裏には“当然の権利”との傲慢な思いがあるように想えます。

これは、医療も同じです。
疲れた身体に鞭打って訪問診療にでかけても、
“ああ、どうぞ・・・”といった対応をされると、すっかり萎えてしまいます。
腰痛で入院を希望される方に、ようやく入院先をみつけても、
『え、基幹病院じゃないの?!』といった言葉をかけられると、思わず
“今の医療状況を判っとるんかい!!”と心の中で叫んでしまいます。あげくに、
『入院してやってもいいけど・・・』といわれると、“してもらわなくていいよ”と臍を曲げそうになります。

これって、どこか間違っていないでしょうか?
医療を受けることも、介護を受けることも、当たり前のことではありません。
その裏では多くの税金や保険料が使われ、多くの医療者や介護従事者の献身でなりたっているのです。
もちろん、医療・福祉サービスばかりではありません。
すべてのサービスや産業が、そうした従事者の献身でなりたっているのだとおもいます。

子供の頃、給食の時皆でこういっていました。
『お父さん、お母さん、お百姓さん、ありがとうございます』

感謝する心、
あなたはいつのまにか忘れてはいないでしょうか?


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by ccr-net | 2011-03-02 18:05 | 医療
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