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アップルにみる自社製品の競合戦略に学ぶ

Disruptive Technologyによる自己破壊ができるかどうか、それが大切

1月26日のcnet Japanにアップルにみる自社製品の競合--共食い容認姿勢と市場破壊という非常に興味深い記事が出ました。
iPadとMacBookが競合するのではないか、あるいはiPhoneとiPodの明らかな競合については以前から言われています。
この疑問に対し、AppleのCOOであるTim Cook氏は次のように述べています。
「確かに、ある程度の共食いは起きていると思う。だが、ハロー効果もあると考えている。iPhoneによってアジアの多くの人々にAppleを知ってもらうことができた。現在はiPadを通じてもっと多くの人がApple製品に触れており、その中から『Mac』を購入する人も出てくると思う。市場が縮小しているにもかかわらず、Macがアジアで67%、日本で56%、米国と欧州で2桁の成長を達成していることに注目してほしい。これが共食いだというのなら大歓迎だ」

かたやsonyやDellはこうした競合製品を自社内で出すことはありません。
これはWintel(WindowsとIntel)陣営のネットブックを見れば明らか、ノートPCより遙かに機能が劣り使い勝手も悪くいつのまにか消えつつあります。

また、Cook氏はMacBookAirとiPadに関して次のように述べています。
「Steveがこれをうまく説明していると思う。『仮にMacを開発しているのが別の企業で、iPadを開発しているのもさらに別の企業だとしたら、Macを開発している企業はiPadに対抗するためにどのような製品を開発するだろうか。その答えがMacBook Airだと思う』と言っている。驚くべき洞察力であり、非常に優れた見方をしていると思う」

これを医療に置き換えて考えてみましょう。
例えば、私は整形外科医ですからクリニックでリハビリテーションをおこないます。
理学療法士がリハビリテーションをおこなえば、運動器リハビリテーション料という点数が発生します。
一方、私たちのクリニックには健康運動指導士という職種が存在します。
彼らは理学療法士と似ていますが、運動や健康を中心とした指導を得意としています。
スポーツ障害患者には、この理学療法士が指導をおこなう場合と運動指導士が指導をおこなう場合があります。
前者は点数が発生しますし、後者は特別な点数はありません。
『点数の取れない職種なんて?!』と他の先生方から言われることがあります。
『理学療法士と競合するでしょ?』とも言われます。
確かに、スポーツ指導をおこなうとき、どちらに任せるかで迷うこともあります。
けれども、それぞれの職種に個性があり見る視点も指導法も異なります。
一見競合する理学療法士と健康運動指導士はMacBookとiPadの関係によく似ています。
健康運動指導士を使えば理学療法士の出番は減ります。
けれども、そのことで『あそこにいけばリハビリと運動指導の両方を受けることができる』という、ブランド力の拡大に繋がります。
結果的には、それが医療機関の魅力となり患者数の増大となっていくのでしょう。

というわけで私たちのクリニックには、MacBookとiPadがありお互いに競合し刺激しています。
私?
私は勿論Steve!と言いたいところですが、今のところCookにも届きません。
ただ私とSteveの似ているところは、自分が欲しいと思う製品を躊躇せず世の中に送り出すことでしょうか。

勿論、医療は単なる商品ではありません。
例えば昼休みなしの診療、例えば電話での医療相談・結果説明、迅速検査の携帯への通知、
手術日時まで決定する完璧な紹介システム etc・・・
すべて、私自身が欲したものです。

競合を恐れず、自己破壊も恐れず、自分の描くビジョンを達成する、
今後Steve Jobsはどこに行くのでしょう?
できれば噂される健康問題を克服し、また新たな夢を私たちに見せて欲しいものです。
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by ccr-net | 2011-01-28 21:13 | 医療経営
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