SENDA MEDICAL CLINIC BLOG

ccrnet.exblog.jp ブログトップ | ログイン

外傷後の破傷風に注意

動物の咬傷を放置していませんか?

昨年末から動物による咬傷や釘・古い木材での怪我が増えてきました。
多くの場合“たいしたことない”と結構のんびる構えておられる方が比較的多いのですが、実は注意が必要です。
咬傷や刺創はほとんどが入り口が狭く奥行きがあるので開放創でも十分な洗浄や消毒ができません。
また土などに汚染されていることが多く、土壌菌や嫌気性菌の温床になりやすい危険性があります。
ここで忘れてはいけないのが“破傷風”です。

不思議なことに動物の咬傷で皆さん心配なさるのは“狂犬病”です。
ところが日本では動物の狂犬病は1953年以来発生していません。
(外国特にアジアではポピュラーな病気ですから外国で犬に咬まれ日本で発症した例は数例有ります)
心配なのは『破傷風』です。
2000年以降の報告患者数は1 年間に100人前後で、けっして多いわけではありません。
けれども致命率が高く(20 ~50%)比較的発見が遅れやすい感染症なので要注意です。

ここで大切なのは、きちんとした治療と予防をおこなうことです。
破傷風については、詳細は感染症情報センターのIDWRをご覧下さい。

さて、それでは破傷風感染の予防対策はどうすればよいのでしょう。
これは、上記IDWRのページにもありますが、現在もっともわかりやすくまとめてあるのは、下関市立中央病院 救急センター運営委員会・感染管理委員会のものです。
きちんとまとめてあり説明書やチェックリストもあります。
外傷時の破傷風予防注射に関するマニュアル 下関市立中央病院版
同院のホームページよりダウンロードも許可されていますが、著作権は下関市立中央病院にあり、引用される場合は「下関市立中央病院 感染管理委員会」とする旨明記されています。

せんだメディカルクリニックでは、必要に応じて沈降破傷風トキソイドとグロブリンを投与しています。
ただ、迷うのはトキソイドの3回目の接種をいつおこなうかですね。
上記下関市立中央病院版版は6ヶ月となっていますが、1年ごとしているところが多いようです。
6ヶ月〜18ヶ月の間でいつでもよいのですが、あまり後だと忘れてしまわれる方もおありなので私たちは6ヶ月後としています。

外傷後の破傷風に、くれぐれもご用心を!



にほんブログ村 病気ブログ 医療・医者へ
Please click me
by ccr-net | 2011-01-10 21:59 | 感染管理
line

医療と健康について


by ccr-net
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31