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トリガーポイント・ブロックにご用心

ブロックは、必ずしも痛い場所に打つわけではありません

YOMIURI ONLINEに注射ミスで腰痛患者が死亡、医院長を書類送検というちょっと怖い記事がでました。

詳細はいつものようにlink先をご覧になるとして、
『えー、そんなことってあるの?』とお思いのあなた、意外と危険性はあるのです。
この注射は、トリガーポイント・ブロックと言われるもので、基本的に圧痛点にうちます。
その他、経穴(いわゆるツボ)にうつこともよくあります。
またブロックでも、硬膜外ブロックや神経根ブロックなど特殊なものもあります。
いずれにしても、針を刺し局所麻酔薬を注入しますので、十分な注意が必要です。

さて、話を今回の“注射ミス”に戻しましょう。
注射の結果『肺に複数の穴がみつかった』というのだから、おだやかではありません。
これは『誤って』ではありません。
複数の穴(穿刺箇所)ですから、明らかに技術的なものです。
まず、腰痛で肺のある高さにブロックをすることはありません。
これは、おそらく“あそこが痛い、ここが痛い”と言われるままにブロックをした結果としておこったものです。
では、なぜ肺に穴をあけてしまったのでしょう?

背部・腰部には中央に背筋があり通常は十分な厚みがありますから、トリガーポイント・ブロックで使用する23G針(25mm,32mm)では筋肉を超えることはありません。一方カテラン針と呼ばれる長い針(透視下ブロックなどで私は使用します)は60mmとなり、容易に筋肉の奥に達します。
ところが、高齢になり筋肉が薄くなると、ちょっと横(外側)にいくと簡単にこの32mmの針でも胸腔内や腹腔内に達することがあります。
これが胸部となると更に薄くなります。

私もよく『脇腹が痛いから、肋骨部が痛いから、痛いところにうって!』と言われることがありますが、多くの場合、『内臓が近いから』という理由でお断りし、経穴にうっています。
高齢の方になると、この部位は筋肉の厚みが皮下も含めて10mm程度しかないかたも多く危険です。

いずれにしても、ペインクリニックには十分な経験と知識(解剖も含め)が必要です。

くれぐれも用心しましょうね。


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by ccr-net | 2010-11-04 21:30 | 整形外科
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