手術部位感染(SSI)リスクを増大させる因子は?
術後高血糖がいけないなんて・・・しかも140mg/dL以上が駄目という厳しい基準!
今日のcareNet.comに面白い記事が出ました。
高血糖が一般外科手術の手術部位感染を増大というその記事はちょっとショッキングかもしれません。
「Archives of Surgery」9月号に掲載された報告では、下記のようになっています。
周術期の血糖コントロールが大切なことは、急性期医療に関わる医師特にICUやCCUなどハイリスク患者を抱える医師の間では、以前から広く知られています。
けれども、従来ハイリスクと呼ばれるのは血糖値180〜200/dlを超える群で、いかにして強化インスリン療法で血糖値を80~110/dlレベルに維持するかが問題となっていました。
今回の発表はそれを裏付けると共に、より厳しい「140/dl以上が駄目」という結果を出しています。
しかも、従来SSI感染の重要な因子とされていた年齢や全身の健康状態・糖尿病の有無も術後血糖さえコントロールすればOKということになりました。
これは、画期的なことです。
平成9年に済生会熊本病院に赴任しクリティカルパスをはじめた私は、糖尿病患者の術後血糖値を強化インスリン療法でコントロールすることで高カロリー輸液を可能にするということを知りびっくりしました。
(まだNSTという言葉さえ一般的でなかった時代の話ですので、お許しあれ)
ただしこれは糖尿病患者のことで、一般の患者の血糖値には無頓着でした。
今回の研究の結果、高血糖がNo1の感染リスクとなり、感染予防をおこなうには厳格な血糖コントロールを必要とすることが明らかになりました。
もし、Ata氏が述べるように「高血糖が免疫システムを“日和見化”させることにより感染リスクが上昇する、あるいはインスリンが何らかの抗炎症作用を持つ可能性がある」のであれば、現在の創感染者も血糖管理を厳密におこなうことにより、治癒を早めることが可能となるのでは?
明日早速、某病院から委託されている足部MRSA感染者の厳密な血糖コントロールに挑戦してみましょう。
Please click me
今日のcareNet.comに面白い記事が出ました。
高血糖が一般外科手術の手術部位感染を増大というその記事はちょっとショッキングかもしれません。
「Archives of Surgery」9月号に掲載された報告では、下記のようになっています。
手術部位感染を起こしていた症例は7.42%で、大腸手術、血管手術などが含まれていた。手術部位感染の因子としては、年齢や全身の健康状態、糖尿病の有無が知られるが、Ata氏らが術後血糖値で調整した結果、これらはいずれも感染の有意な予測因子ではなかった。
実際的には、大腸手術患者においては、140mg/dL以上の高血糖が手術部位感染を予測する唯一の因子になっていた。しかし血管手術患者では、術後血糖ではなく手術所要時間および糖尿のみが有意な予測因子となっていた。
周術期の血糖コントロールが大切なことは、急性期医療に関わる医師特にICUやCCUなどハイリスク患者を抱える医師の間では、以前から広く知られています。
けれども、従来ハイリスクと呼ばれるのは血糖値180〜200/dlを超える群で、いかにして強化インスリン療法で血糖値を80~110/dlレベルに維持するかが問題となっていました。
今回の発表はそれを裏付けると共に、より厳しい「140/dl以上が駄目」という結果を出しています。
しかも、従来SSI感染の重要な因子とされていた年齢や全身の健康状態・糖尿病の有無も術後血糖さえコントロールすればOKということになりました。
これは、画期的なことです。
平成9年に済生会熊本病院に赴任しクリティカルパスをはじめた私は、糖尿病患者の術後血糖値を強化インスリン療法でコントロールすることで高カロリー輸液を可能にするということを知りびっくりしました。
(まだNSTという言葉さえ一般的でなかった時代の話ですので、お許しあれ)
ただしこれは糖尿病患者のことで、一般の患者の血糖値には無頓着でした。
今回の研究の結果、高血糖がNo1の感染リスクとなり、感染予防をおこなうには厳格な血糖コントロールを必要とすることが明らかになりました。
もし、Ata氏が述べるように「高血糖が免疫システムを“日和見化”させることにより感染リスクが上昇する、あるいはインスリンが何らかの抗炎症作用を持つ可能性がある」のであれば、現在の創感染者も血糖管理を厳密におこなうことにより、治癒を早めることが可能となるのでは?
明日早速、某病院から委託されている足部MRSA感染者の厳密な血糖コントロールに挑戦してみましょう。
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by ccr-net
| 2010-10-15 22:39
| 感染管理