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術後XP撮影の意味

滋賀医大病院での腰椎手術金属ピン遺残について考える

本日のニュースで腰椎手術での金属ピン遺残が話題になっています。
*詳細はこちら
脊椎外科手術を行う場合には、金属のピンや針を使ってマーキング(位置決め)をおこないます。
金属ピンでマーキングをおこなった後XP撮影し脊椎の位置を確認、誤った部位の手術をおこなわないためです。
通常はマーキング確認後すぐにピンを抜去し、置き忘れないようにします。
脊椎外科手術の基本ですが、置き忘れる可能性は常にあります。
そのために術後XP撮影をおこないます。(他にも目的はありますが)

今回の事件は非常にお粗末です。
理由は次の4点。
1)ピンを取り残した。
2)術後XPをきちんと見ていない、または全く見ていない。
3)CTも見ていない(アーチファクトと呼ばれるハレーションがあり明確なはず)
4)予防策がお粗末

特に納得がいかないのは、4)予防策です。
本来は医師2人でする術後のX線写真確認を、執刀医1人しかしなかったことが判明。再発防止のため〈1〉手術終了時に2人以上の医師がX線写真を確認する〈2〉手術のチェックリストを改訂して手術前にも使用するピンの本数を数える――などの対策を決めたという。
一見きちんとしているようですが、これは変です。
厳しいようですが見る気がなければ何人で見ても同じ・・・これは個人の資質の問題です。
難しい読影ではありませんので、見ていないとしか思えません。
次に、『手術前にも使用するピンの本数を数える』!!
ピンは術前に刺入しているわけですから、マーキングのXP確認後、速やかに抜去すべきです。
通常、ここで『ピン抜去』の確認をおこないます。
全員で、ここで確認すれば済むことで、わざわざ余計な手順を踏むことはありません。

私自身はこうした遺残の経験はありませんが、以前同僚医師の執刀例で術直後にXPで執刀医が発見しすぐに抜去した例があります。
通常は遅くとも術後病棟に帰った際に気づくものです。

今回の報告は二重三重の意味で非常にお粗末でした。
こうした初歩的なミスが、いたずらに医療不信を生み出すのでしょう。

今回は、ちょっと厳しい話になりましたが、こうした基本的なことが一番大切なのです。


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by ccr-net | 2010-09-10 21:23 | 医療
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