SENDA MEDICAL CLINIC BLOG

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腰痛治療の新しい波

我々は従来の腰痛治療の考えを捨てるべきか?
腰痛は、整形外科で比較的多く見られる症状の一つです。
しかも、ほとんどの初診の方が重症だと思い込んで来院される特異な疾患でもあります。

動けないような強い腰痛の方が来院され、
『これは強い筋肉の硬直でヘルニアではありません』とご説明すると、必ずといっていいほど、
『そんなはずはないでしょ。こんなに痛くて動けないのに』と強い反論があります。
確かに腰部・背部周囲の痛みは強いのですが、神経所見が全く正常です。
こうした腰痛は、短時間の筋弛緩剤や鎮痛剤の投与(場合によっては静脈内投与)により改善します。
救急車で運ばれた腰痛の方が帰りはにこやかに歩いてお帰りになるのは、当院では特別な事ではありません。

こうした腰痛に対する思い込みは、時として過剰な検査や治療に繋がります。
実は国際的には急性腰痛・慢性腰痛ともに特殊な例(レッドフラッグと呼ばれる疾患群)をのぞき、脊椎の姿勢や変性等(例えば椎間板ヘルニア等)は直接的な腰痛に繋がらないものが多いと言われています。
最近、欧米の腰痛疾患治療プログラムが、行動変容プログラム(認知行動療法)に移行してきました。
以前ご紹介したリエゾン療法等もその一つです。

こうした行動変容療法については、すでに2005年に東京都リハビリテーション病院の本田先生が発表されていますが、まだ日本ではメインストリームとはなっていません。

その一部をご紹介すると、まず下記の事柄を患者本人が理解するように、繰り返し教育していくこと。
①医療従事者がすべての痛みを取り除けるわけではない
②痛みが必ずしも身体の重篤な傷害を意味しない,
③適切な身体活動はかえって痛みを減少させる.
④痛みがあってもそれなりに生活を充実させていくことが長期的には痛みの軽減につながる

次に、患者を医療チーム全体でサポートしていくこと。
多くの場合、慢性疼痛患者は痛みを家族にも医療機関にすら理解してもらえず心理的に深く傷ついています。
(当クリニックの患者様にも、周りに症状を理解してもらえない方が大勢おられます)

こうした物事の受け止め方を変えることで、対処の仕方・行動を変えると同時に心理的ストレスを軽減する治療法を認知行動療法といいます。

現在、せんだメディカルクリニックではこうした腰痛のための認知行動療法プログラムを作成中です。

痛みに対して正しい理解をすること、
それが治療の第一歩です。

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by ccr-net | 2010-04-26 23:02 | 整形外科
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