SENDA MEDICAL CLINIC BLOG

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診療所の役割

クリニックにおける診療の限界
本日、両足が痺れるという女性の方が遠方より来院されました。
現病歴は日本紅斑熱リケッチアに3年前に罹り、その後足の裏の痺れが取れないとのことでした。
診察してみて驚いたのは、まずこの方、立位保持ができません。手を取ってあげれば2分ほどは可能です。
歩行は両手を添えれば5mほどは可能・・・つまりほとんど動けないのです。
神経所見をとってみると、両下肢の脊髄後索障害があり、位置覚・振動覚が著名に低下しています。
粗大筋力は正常ですが、下肢の知覚も極端に低下しています。
上肢は全く異常ありません。排尿障害があります。
専門的な話で申し訳ありませんが、つまり胸椎レベルでの脊髄後方の障害がある可能性が大です。

ここまでは、整形外科特に私のような脊椎外科を専門とする医師で診断がある程度可能な範囲です。
ここで、問題になったのが『日本紅斑熱リケッチアってどんな病気?』ということです。
『リケッチア』については学生時代に学んだことがありますが、『日本紅斑熱リケッチア』は全く知りません。
こういう時に役に立つのがWikipediaでありIDWRです。
IDWR 日本紅斑熱をご覧ください
でも結局重篤化したときにどうなるかはよくわからず、更に調べると、どうも麻痺や筋硬直をおこすようです。

結局、今回の症例は胸椎レベルのMRIでの精査をおこなうことになりましたが、これはもはや私の守備範囲を超えています。
こうした診断は、大学病院などの大きな施設で診療科を横断した形でおこなうべきです。
この方は、私のクリニックにお見えになる前に大きな病院におかかりになっていますが、頸椎・腰椎の検査をおこなった後『原因不明』の一言で片付けられています。
日本紅斑熱を治療した病院への問い合わせもなかったとのことです。

病院には病院の役割、
診療所には診療所の役割があります。
今回のケースは明らかに病院で精査をおこなうべきものです。

人づてに評判を聞きはるばる遠方から当クリニックにおみえになった方ですが、今後ある程度の情報を整理ししかるべき病院をご紹介する予定です。

1時間弱の診療を終えたときには、電子カルテの待ち患者のリストが画面から大きくスクロールしていました。

このあと地獄のような忙しさであったことは言うまでもありません。

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by ccr-net | 2010-04-13 22:31 | CLINIC | Trackback
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