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患者力を育てよう

患者の権利、患者の義務

本日は建国記念日、朝から休日恒例となった早朝診療(といっても9時ですが)を4名行いました。
皆様感謝して頂いたのですが、病気や怪我の場合は毎日診なければいけないものもあり当然のことなのです。
これは、病院にかかる患者の権利といってよいでしょう。
勿論、医師もさまざまな理由で休日診療や時間外診療ができないこともありますので、その場合は他院を受診していただくことになります。
私の場合、休日の午前中は時間があることが多くほぼ毎週対応していますが、既に生活の一部となっています。

こうしたことと逆に最近首をかしげるような、患者様の要求が多くなってきました。
ご自分の都合を最優先され、医療機関の事情を考慮しない方が増えてきたのです。
お忙しいのは判りますが、医療機関にもそれぞれのルールがあります。
一例を挙げてみます。

手足の骨折で装具作成を必要とすることがあります。
この場合、義肢装具の専門家(クリニックスタッフではなく他所の方です)による装具採型(型取り)が必要になります。
当然、決まった時間に来て頂かなければいけません。
でも用事があるから来れないと言われる。
ある程度の時間の操作はお願いしてできますが、時間外のとんでもない時間を要求される。
これは単なる我が儘で、許容範囲を超えています。
患者には権利もあれば治す義務もあるのです。
当然ある程度のルールも守って頂かなければなりません。

また、ある方は疾患相談を受けたいと言われる。
家族同伴での説明をご希望で、所要時間は30分〜1時間かかることが予想されます。
当クリニックのような多くの患者様を診療する施設では通常の時間内では困難です。
当然、平日の診療の最後や土曜日の午後になります。
ところが平日の診療時間内や土曜日の午後6時(診療時間は12時半までです)を要求される。
疾患に緊急性があったり悪性疾患であれば別ですが、そうではありません。
これも常識の範囲を超えた我が儘と言えます。

こうしたルールを逸脱した患者の権利の行使が、医療の崩壊を招くのです。
救急外来の疲弊の一因にもなっています。

なにがいけないのでしょう?
それは、私たち医療者が力をつけていかなければならないのと同様に、患者も力をつける必要があるのです。
この患者としての力を患者力といいます。

患者力については、さまざまなところで語られていますのでご存知の方も多いと思いますが、誤解もあります。
患者力とは、“事前に情報を集め、納得がいくまで調べ、信用できる病院を探し、受けたい医療を受けられるように医師と交渉する力である”と語られていることが多いようですが、それだけではありません。
患者力については皆様それぞれに捉え方はあるのでしょうが、私は『医療を支える関西オカンの会』の考えが素晴らしいと思います。

医療を支えるのも患者力、良いかかりつけ医を見つけるのも患者力、医療者を育てるのも患者力、最新の病気の情報を得るのも患者力、最先端の治療法を見つけるのも患者力、病気にならないように予防するのも患者力・・・大きく揺れ動く時代に自分や大切な人を守るために、どんな力を身につければよいのかといえば、それは「患者力」ではないのでしょうか。

以上、医療を支える関西オカンの会より引用

医療は医療者と患者の両方で支えていくものです。
患者力を育てることは、一人ではできません。
氾濫する多くの情報の中から、正しいものを取捨選択していくことが必要です。
そのときに助けとなるのが医師・看護師・薬剤師・栄養士といった医療者です。
けれども、多くの医療機関は疲弊し医療者も弱っています。
それを支え育てていくのも患者力なのです。

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by ccr-net | 2010-02-11 15:17 | 医療
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