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ジェネリック医薬品について考える

なぜジェネリック医薬品は普及しないか?

一昨日、来院された患者様から今まで他院で処方されていた薬剤を当院で処方して欲しい旨お話がありました。
早速、処方内容を拝見すると6種類すべてがジェネリック、うち4種は名前では薬剤が判らないため薬剤辞書で調べました。当院のすぐそばの調剤薬局では取り扱いがないため、他の調剤薬局に問い合わせをし同等の薬剤を確保しました。
この一連の作業は時間を要します。結局薬剤に関して要した時間だけで20分ほどかかりました。
この患者様は、こうしたことにご興味があり、この際に交わした会話です。

“先生、なぜ薬をコンピューターで調べているんですか?”
“お薬がすべてジェネリックなので見ただけでは何の薬か判らないからです”
“ジェネリックなんですか?”
“すべてジェネリックです。ジェネリックは後発薬品の総称で、廉価ですが効果は先発品と同等といわれています”
“ジェネリックはいけないのですか?”
“いえ、そんなことはありません。ただ、一つの先発品に対し何十種類もの後発品があり、そのほとんどが名前が異なるので調べないと判らないのです。また、必ずしも先発品と効果が同等でない場合があります”
“私は、ジェネリックという安い会社のお薬だと思っていました。そんなに沢山の会社が出しているとはしりませんでした。先生はジェネリックが嫌いですか?”
“嫌いではありません。でも完全には信用していません。私たちがジェネリックを嫌う理由は経済的なものではありません”
“お薬を出すことで病院は利益がでるんでしょう?”
“お薬を出すことで利益が出ることは、私たちのような診療所で少なくとも一流薬ではありません。お薬の仕入れ値が何%と思いますか?”
“70%くらいですか”
“とんでもない。今は当院は院外処方ですが、以前院内処方の際は仕入れ値は平均92%でした、それに5%の消費税がかかりますから、96.6%になります。これは仕入れ値ですから、処方する費用や在庫管理費用は全く含まれていません。利益なんかありません。”
“そんなに高いのですか”
“そうです。本当に薬価差益がありお薬で利益が出るのなら、誰も院外処方なんかしません。”
“そうなんですか?失礼ですが、私たちはずっとお薬で儲かるものと思っていました”
“そうですよね・・・そんな風に報道されますから。でもそれは、何十年も前の話です”
“それでは、なんでジェネリックを出さないのですか?”
“私の場合は2つです。一つは薬剤の効果が保証できないこと、どんなに安くても効果がなかったり、安全でなければなんにもなりません。もう一つは、一つの先発品(一流品)に対して何十もの後発品があり訳がわからなくなるからです”
“そんなに沢山あるのですか?”
“具体的にお見せしましょう。ロキソニンという先発品に対し、今判るだけで45種類あります。薬価も先発品22.3円に対して6.1円〜11.2円まで非常に幅があります”
“ジェネリックでもそんなにいろいろあるのですか?”
“びっくりするでしょう?ジェネリックにも1流〜3流までいろいろあるんです。名前もロキソニンに対しオキミナスとかスリノフェンとか全く違うのです”
“私はなぜジェネリックをもらっていたんでしょうか?”
“それには多分二つの理由があります。ジェネリックは先発品と異なり比較的薬価差益があるので院内処方を出しやすいこと、もう一つはあなたがもらっていらっしゃったお薬の場合、ジェネリックでも薬剤の信頼性があるからだと思います”
“では安心していいのですね?”
“はい、全く同じではありませんが同等品のジェネリックをご用意できました”
“先生は今後、ジェネリックについてどのように考えられますか?”
“効果が同等で安全が確保できれば、経済面からいいことだと思います。薬剤の名前についても、最近の薬剤は成分名での表記に変わってきましたので判りやすくなりました”
“今日初めて、ジェネリックについてよくわかりました。先生も大変ですね”
“でしょう・・・。調べたり、安全性について検討したり、説明したりするのが大変ですからジェネリックは普及しないのです。でも、これからは必要なことですね。”

以上のような会話を患者様としました。
ジェネリック医薬品への移行・・・
必要なことではありますが、
まだまだ色々な面でハードルが高いといえます。

あなたはジェネリック医薬品について説明を受けたことがおありですか?
少なくとも、経済的な理由から(利益追求のため)お薬を処方する医師はいません。

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by ccr-net | 2010-01-31 18:02 | 医療 | Trackback
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