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葛根湯は何の薬

風邪をひいたら葛根湯って本当?
ここ数日とても寒い日が続いています。
こんな風に寒いと、風邪をひくかたが多くなります。
で、風邪の時あなたは何を飲みますか?
パブロンやルルなどの感冒薬とともに意外と多いのが葛根湯です。

でも葛根湯って風邪の薬なのでしょうか?

ここで葛根湯の成分を見てみましょう。
葛根(カッコン)
麻黄(マオウ)
桂皮(ケイヒ)
芍薬(シャクヤク)
甘草(カンゾウ)
大棗(タイソウ)
生姜(ショウキョウ)
この中の、葛根と麻黄を除いたものを桂枝湯といい弱い発汗薬としての効果があります。
これに発汗薬である麻黄と鎮痛作用のある葛根を加えたものが葛根湯です。
勿論、葛根にも発汗作用はありますが、麻黄にはおよびません。
麻黄はエフェドリンですから咳や気管支症状によく効きます。

こうした成分でできている葛根湯ですが、代表的な感冒薬である小青竜湯と比較し鼻水を止めたり咳を止める力は弱く、一般的な鼻や喉などの風邪症状にはあまり効果がありません。
では、いつ飲めばいいのでしょう?
それは、寒気があり肩や首筋のこり・軽い頭痛・鼻水・鼻詰まりなどの症状といった風邪の初期症状の時期に飲むと効果があるのです。
「なんとなくおかしい」「寒気がする」
こんな時、葛根湯の出番です。
のどが痛かったり、悪寒ではなく既に高熱が出ていたり、口の渇きや喉の痛みが強い方にはむきません。

当クリニックでは、葛根湯を風邪以外の場合によく使います。
それは、多関節痛・体の調子が何となく悪いといった場合や膝痛・腰痛などで消炎鎮痛剤の効果が今ひとつの場合、単独使用や他の薬剤への追加投与をおこないます。
こうした時、概ね葛根湯錠を用い、通常量の1/3とします。
これで多くの場合、症状は緩和します。

葛根湯の薬効を見てみますと、頭痛、腹痛、鼻炎、関節炎、結膜炎、神経痛などとなっておりこれが本来の使い方・・・すなわち一種の万能薬です。
(ちなみに落語で葛根湯医というのがありますが、なんにでも葛根湯を使うヤブ医者のことです・・・)

最後に、私は葛根湯の処方をするとき“葛は体を暖めます”と判りやすく言いますが厳密にはこれは嘘です。
葛根湯は何の薬_b0102247_21471212.jpg
葛は性は冷、麻黄は温・・・
結果として葛根湯は体を暖めるのです。

さて、葛根湯を常備薬としていかがですか?



葛根湯エキス顆粒 45包 (クラシエ薬品)

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by ccr-net | 2009-12-20 21:53 | 健康
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