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CPXってなあに?

CPXによる心肺機能評価

〝「健康維持のために適度な運動を」と言われますが、「適度」ってどのくらい?〟というご質問をよくいただきます。「適度」というのは、もちろん「テキトーに自己判断で」という意味ではありません。

それでは、「適度な運動」とはどの程度の運動なのでしょう?
キーワードは、「有酸素運動」、「AT値」、そして「トレーニングの原則」です。

「適度な運動」を決定するには、運動の種類・強度・継続時間・頻度を具体的に決定することが必要です。一般にスポーツジムでは、性別や年齢・普段の身体活動状態で大まかに決めていますが、それでいいのでしょうか?
メディカルフィットネスを行う際には、客観的な指標で運動処方をおこなうことが大切です。せんだメディカルクリニックと付属のフィットネスのハーモニーでは、通常の身体評価に加えて心肺運動負荷テスト(CPX)をおこない「運動処方」を決定しています。
CPXで評価の指標となるのはAT値と言われるものです。

それでは、AT値とはなんでしょう?
運動が激しくなると酸素が不足した筋肉で乳酸が産生され、血液が酸性に傾きます。すると、これを中和する働きが活発化し、二酸化炭素が余分に吐き出されます。その際、酸素消費量と二酸化炭素排出量の関係を見ていると、どの程度の運動強度で体が酸性に傾きはじめてきたかがわかります。
このときの運動強度が嫌気性代謝閾値(AT値)で、この程度の運動が、体への負担も少なく、かつ効率的な運動といえます。
このAT値は、トレーニングをおこなうことにより上昇していきますので、トレーニング効果の指標になります。
AT値を運動療法の処方強度として用いた場合、1)有酸素運動の範囲なので長時間の持続的運動が可能。2)高血圧や糖尿病、肥満、高脂血症など生活習慣病の危険因子を改善するための運動強度として望ましい代謝強度である。3)心臓に悪影響を生じにくいなど多くの利点があります。
また、これまでの多くの研究から、(心臓リハビリにおける回復期運動療法では)約20%の運動能力の増加も期待されています。

それでは、心肺運動負荷テスト(CPX)は実際どのようにするのでしょう?
まずフェイスマスクをつけエルゴメータ(エアロバイクのようなもの)に乗ります。その後、エルゴメーターのペダルがだんだんと重くなるような運動負荷をおこない、呼気中の酸素摂取量と二酸化炭素排出量を測定します。
運動が激しくなるにつれ血液が酸性に傾き、二酸化炭素がたくさん排出されますので、二酸化炭素排出量を見ていると、どの程度の運動強度で体が酸性になってきたかがわかります.
このときの運動強度が先ほどのAT値で、これを基に運動処方をおこないます。
一般に私達が運動を行うとき、その指標として運動中の血圧や脈拍の上昇を参考にしますが、それだけではどこまでの運動が安全かは判定が難しいでしょう。

せんだメディカルクリニックでは、医学的な見地から、CPX評価による1人1人の要望や健康状態にあった運動療法を、安心・安全な形で提供いたします。

CPXいかがですか?CPXってなあに?_b0102247_13532067.jpg
by ccr-net | 2009-07-11 22:43 | CLINIC
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