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旅行医学からみるデング熱

ご心配な方は、旅行医学の専門家にご相談を

厚生労働省1月10日発表のデング熱の国内感染疑い例の報告についてという通告はちょっとショッキングです。
これは昨年日本を旅行したドイツ人観光客が日本でデング熱に感染した可能性が高いというものです。

デング熱は世界中で毎年5,000万から1億人が感染していますが、日本では過去60年間感染例はありません。
*発症例(他国で感染し日本で発症する)は年間50〜200例ほど報告されています。
これが、日本で感染したということになるとちょっと問題です。
感染の媒介動物はネッタイシマカ・ヒトスジシマカですから日本にも生息しています。
今回ドイツ人観光客は『山梨県笛吹市で蚊に刺された』とのことですので、日本での感染が否定できません。
けれども今回の報告例以外現時点では、報告例はなくあまり日本では心配要らないのではないのでしょうか。

デング熱と言えば、今年大流行しているシンガポールについて12月12日付けの報告が興味を引きます。
12月11日付けで公表されたシンガポール保健省の情報によりますと、シンガポールでは、デング熱とチクングニア熱の患者が増加しています。
 デング熱の患者は、第49週(12月1日から7日まで)に347人が報告され、今年の累積報告数は20,936人となりました(昨年の第49週は78人、同時期までの累積報告数は4,295人でした)。また、重症型であるデング出血熱の患者の累積報告数は92人となりました(昨年同時期までの累積報告数は26人でした)。

この何が問題かというと、デング熱が今までみられなかった市の中心部で発症していることです。
これについては産経ニュースのデング熱流行で東南アジア随一の高級ブティック街に衝撃がショッキングです。
高級ブティックが軒を連ねるシンガポールのオーチャード地区で、蚊が介在するデング熱が流行し、市民にショックを与えている。感染者には建設現場で働く労働者が多く、当局は作業中止命令を出して蚊の発生源を特定するなど対策を進めたが、同地区の感染者は100人を超えてしまった。

さて、困ったことになりました。

このデング熱、実はワクチンなどはありません。
蚊に刺されないように予防するしかないのです。

治療法は対症療法しかなく、基本的に補水(経口または点滴)です。
大切な事は、アスピリンが禁忌ということです。

旅行医学からみるデング熱_b0102247_21393728.gif


現時点では、日本での流行は心配ないようですが、海外にお出かけの方はくれぐれもご注意を!


旅行医学認定保健師 寺本恭子
医師  千田治道




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by ccr-net | 2014-01-11 21:46 | 感染管理
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