超高齢化社会の医療
社会全体の意識改革が必要
以前、2025年問題と在宅とペンギンという題でこれから迎える超高齢化社会について触れました。
これは、勿論私たち医療者だけでなく、日本人全体の問題です。
社会構造が大きく変わっていくので、私たちも変化していく必要があります。
さて、10月4日厚生労働省保険局医療課長の宇都宮啓氏が第57回社会保険指導者講習会で講演されました。
その中で宇都宮氏が再三強調されたのは、高齢者の増大に伴う医療の変化の必要性です。
以下は日経メディカルオンラインからの抜粋です。
これは、来年度から始まる地域包括ケアシステムの確立を念頭においての発言です。
現状を考えると、こうした意味での『医療の縮小』は仕方のないことだと思います。
ただ、これは前述のごとく医療者だけの問題ではありません。
社会全体の問題なのです。
従って、国はこうした問題についてきちんと国民全体に説明する義務があります。
多くの医療介護従事者は、すでにこうしたことを理解しています。
でも、はたして一般の方がどのくらい理解されているでしょうか?
先日もテレビで文化人の方が、
『日本は高福祉高負担だ!』と言われていました。
とんでもない!
日本は中福祉中負担です。
厚生労働省の2010年資料で先進国中医療費の対GDP比はほぼ最低です。
そして医療レベルは、最高レベル。
非常にコストパフォーマンスの高い医療が日本ではおこなわれているのです。
しかもこれがフリーアクセス(好きな病院に誰でも受診することが出来る)なのですから、凄いことです。
さて、前述のように今後医療を縮小にもっていくとすると、まずフリーアクセスはできなくなります。
高齢者への医療も宇都宮啓氏が言われるように、cure(治療)からcareへのシフトが進みます。
つまり医療から介護へシフトしていくのです。
まさに大きな医療の転換がおこなわれていきます。
問題は、この議論や説明が一般の方にほとんどなされていないことです。
自分が望むからといって、必ずしも医療を受けることができないことがあるのです。
それを、果たしてどのくらいの方が理解されているか・・・
私たち医療者は、機会ある毎に今後の医療について患者さんにお話ししています。
でも、行政にそれができているでしょうか?
これは、本来国が責任を持って国民に問いかけるべき問題なのです。
現状の医療の継続を望むか、そうでない身の丈に合った医療を望むか・・・
前者であれば、勿論高負担になります。
後者であれば、縮小型の医療になりますが、それが今後の社会にあったものかもしれません。
もうそろそろ、
本当の意味で、この国の医療の未来について真剣に話し合う時期です。
まだ、遅くはありません。
私たちは、フリーアクセス、世界でトップレベルの医療体制と低負担、そうした日本の現実について、きちんと諸外国の実情と比較して説明をしなければなりません。
そして、今後の高齢化社会では今の体制を維持できないこと、
医療・介護の包括的ケアが必要な事も・・・
それをおこなうのは、私たち医療介護従事者でしょうか?
行政と私たち全員が、こうした事実について真剣に向き合い、国民に説明する義務があります。
国に望むこと、
それは正確で客観的なデータの提示と説明、そして私たちの未来を見据えた提案です。
押してね ♪
以前、2025年問題と在宅とペンギンという題でこれから迎える超高齢化社会について触れました。
これは、勿論私たち医療者だけでなく、日本人全体の問題です。
社会構造が大きく変わっていくので、私たちも変化していく必要があります。
さて、10月4日厚生労働省保険局医療課長の宇都宮啓氏が第57回社会保険指導者講習会で講演されました。
その中で宇都宮氏が再三強調されたのは、高齢者の増大に伴う医療の変化の必要性です。
以下は日経メディカルオンラインからの抜粋です。
そうした時代には、治らない慢性疾患を幾つも抱えた高齢患者が医療機関で圧倒的多数を占める。すると、治すための医療「Cure」よりも、支える、場合によっては看取るための医療「Care」が求められる。高齢者は、代謝機能の低下などにより比較的若い世代に対する治療をそのまま当てはめられないという事情もある。
これは、来年度から始まる地域包括ケアシステムの確立を念頭においての発言です。
現状を考えると、こうした意味での『医療の縮小』は仕方のないことだと思います。
ただ、これは前述のごとく医療者だけの問題ではありません。
社会全体の問題なのです。
従って、国はこうした問題についてきちんと国民全体に説明する義務があります。
多くの医療介護従事者は、すでにこうしたことを理解しています。
でも、はたして一般の方がどのくらい理解されているでしょうか?
先日もテレビで文化人の方が、
『日本は高福祉高負担だ!』と言われていました。
とんでもない!
日本は中福祉中負担です。
厚生労働省の2010年資料で先進国中医療費の対GDP比はほぼ最低です。
非常にコストパフォーマンスの高い医療が日本ではおこなわれているのです。
しかもこれがフリーアクセス(好きな病院に誰でも受診することが出来る)なのですから、凄いことです。
さて、前述のように今後医療を縮小にもっていくとすると、まずフリーアクセスはできなくなります。
高齢者への医療も宇都宮啓氏が言われるように、cure(治療)からcareへのシフトが進みます。
つまり医療から介護へシフトしていくのです。
まさに大きな医療の転換がおこなわれていきます。
問題は、この議論や説明が一般の方にほとんどなされていないことです。
自分が望むからといって、必ずしも医療を受けることができないことがあるのです。
それを、果たしてどのくらいの方が理解されているか・・・
私たち医療者は、機会ある毎に今後の医療について患者さんにお話ししています。
でも、行政にそれができているでしょうか?
これは、本来国が責任を持って国民に問いかけるべき問題なのです。
現状の医療の継続を望むか、そうでない身の丈に合った医療を望むか・・・
前者であれば、勿論高負担になります。
後者であれば、縮小型の医療になりますが、それが今後の社会にあったものかもしれません。
もうそろそろ、
本当の意味で、この国の医療の未来について真剣に話し合う時期です。
まだ、遅くはありません。
私たちは、フリーアクセス、世界でトップレベルの医療体制と低負担、そうした日本の現実について、きちんと諸外国の実情と比較して説明をしなければなりません。
そして、今後の高齢化社会では今の体制を維持できないこと、
医療・介護の包括的ケアが必要な事も・・・
それをおこなうのは、私たち医療介護従事者でしょうか?
行政と私たち全員が、こうした事実について真剣に向き合い、国民に説明する義務があります。
国に望むこと、
それは正確で客観的なデータの提示と説明、そして私たちの未来を見据えた提案です。
押してね ♪
by ccr-net
| 2013-10-14 23:23
| 医療