SENDA MEDICAL CLINIC BLOG

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奇跡は起きる

諦めないこと、それが大切

先日、当ブログで譲ってはならないことというタイトルで書かせて頂いた症例があります。
ブログでははっきり書きませんでしたが、画像上は進行性肺がんで既に時期を逃していました。
ご本人が希望された『がん粒子線治療』や最先端の『放射線治療装置』も適応がありません。
さて、どうしたものか・・・

ここで諦めず、少しでも可能性のある方法を探す
それが、主治医と患者の最善の道です。
幸い、私が紹介した医療チームは最高でした。
いつも、お話しするようにこのチームには患者も入っています。
呼吸内科医・胸部外科医、そして患者、
彼らは少ないチャンスに賭け、手術という選択肢を選びました。

術後10日経過した今日、患者さんは私のクリニックを訪れました。
持参された紹介状は驚くべきものでした。
手術が無事成功したのは勿論ですが、画像診断から予想されたリンパ節転移や心嚢液への播種など、いわゆる転移は、術中確認で全くなかったのです。
手術は見事でした。
右肺の全摘出や浸潤した心膜の切除や再建を短時間でおこない、わずか1週間で自宅退院となっています。

まさに奇跡です。

現在の医学は完璧ではありません。
だからこそ、可能性は常にあるのです。
術前に、執刀医と私が個人的に話をしたときの見通しはとても暗いものでした。
でも、残された数%の可能性に賭け、彼らは勝利したのです。

今日久しぶりにお会いした患者さんは満面の笑みを浮かべてこう言われました。
『本当に有り難うございます。
あのとき先生に見つけて頂いたので間に合いました
先生は、名医です』
『とんでもない、私は名医ではありません。
普通の医師です。
ただ良医でありたいと、いつも思っています。
今回のあなたの医療チームは本当に皆良医でした』

選択肢を奪わないこと、
それでいて自分が最良と考える方向に患者を導くことができること、
けして諦めないこと、
それが私にとっての良医の条件です。


今回のチームは最強でした。
呼吸器内科の一門先生、胸部外科の吉岡先生、本当に有り難うございました。
あなたたちは、最高です。

奇跡は起きる_b0102247_2231346.jpg


医療の世界では常に奇跡がおこっています。
それは、気づかないような小さな奇跡ですが、
時にはこんな大きな奇跡もおきるんです。


諦めないこと、

それが、あなたと私の最初の約束です。





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by ccr-net | 2013-08-21 22:13 | 医療
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