SENDA MEDICAL CLINIC BLOG

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かかりつけ医と専門医の大切さ

特定疾患には合併症がつきもの、まずは専門医に相談

原発性胆汁性肝硬変(PBC)という病気をご存じでしょうか?

PBCは、胆管が破壊されて起こった炎症と、胆管が破壊されることにより逆流し停滞した胆汁で次第に肝細胞が破壊され徐々に肝硬変へと進行していく病気です。
女性に多く、男女比は1:7です。
一般には無症状の方が多く、たまたま検査で発見されることが多いようです。
患者数は正確にはつかめていませんが、無症候性の方も含めると5〜6万人と推定されています。
このPBCの方が今日クリニックにみえました。

まだ初期の方で肝硬変などの症状はないそうです。
(紹介状がないので、詳細がわかりません:特定疾患手帳をお持ちなので判りました)
今回、クリニックにみえたのは、下肢の違和感です。
痺れや疼痛は無く、下枝がムズムズするようないわゆる蟻走感が問題のようです。
実際に神経所見をとってみると、神経学的には全く異常はありません。
では、なぜ?

PBCは合併症の多い病気です。
なかでも関節リウマチやシェーグレン症候群・SLEなどの膠原病を合併する確率が高いようです。
今回のような蟻走感がある場合、神経系に異常が無ければ血管の病気や膠原病を疑います。

『なぜ整形外科に来られたのですか?』
『脚の調子が悪いので、整形外科だと思って・・・』

もっともな話ですが、残念ながら行くべきは整形外科では無くて血液内科や膠原病科です。
勿論、その前にかかりつけ医やPBCの専門医に相談すべきなのです。

今回の患者さんはPBCの合併症について説明を受けておらず、受けていても理解されていませんでした。

自分独自の判断での行動はときとして危険です。
今回たまたまPBCについての知識が私にあったわけですが、
もしかしたら全く見当違いの治療を受けていたかもしれません。

すぐにかかりつけ医と専門医の両方に紹介状を書き、お返ししました。


何のためにかかりつけ医がいるのか

何のために専門医がいるのか・・・

答えは簡単・・・あなたのためにいるのです。





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by ccr-net | 2013-05-27 23:01 | 医療
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