SENDA MEDICAL CLINIC BLOG

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マッケンジー法の不思議

腰を大きくそらしたら痛みが悪化するって誰が言ったんだ?!

せんだメディカルクリニックでは、少し前より腰痛の方にマッケンジー法による治療をおこなっています。
勿論、マッケンジー法は数多い治療法の一つでこれだけをクリニックでおこなっているわけではありません。
このマッケンジー法について今日朝のテレビで放送があったようです。
『とくダネで、マッケンジー法について最新の腰痛治療法として放送があったのよ』と珍しく昼の休息をもらった私に妻がやや興奮気味に言いました。
『ふーん。前からあるのに・・・』
と、聞き流していましたが、さすが全国放送!すぐに問い合わせの電話がありました。

さて、本日センセーショナルな登場をした“マッケンジー法”ですが、はたしてどんな治療法なのでしょう?

マッケンジー法の考案者は、ニュージーランドの若き理学療法士 Robin McKenzieです。
ある日彼はとても忙しい中、Mr.Smithという腰痛・坐骨神経痛の治療にあたることになりました。
このSmithさん、これまでどのような治療を行ってもなかなかよくなりませんでした。
この日、PT RobinはMr.Smithに「治療ベッドに俯せになって寝ているように」と伝え数分間留守にしました。
しかしたまたまそのベッドは、前の患者の治療で背もたれを起こした状態になっていました。
PT Robinが診察室に戻ってくるとMr.Smithは腰を大きくそらした過伸展肢位で治療ベッドに寝ています。
それを見てPT Robinはびっくり!
なぜなら50年前のニュージーランドでは、その姿勢は腰痛患者に最も悪い姿勢と考えられていたからです。
(今の日本でもそう考えている医療者は沢山いますが)
PT Robinが尋ねてみると、なんとMr.Smithは今までで一番調子がよいと答えたのです。
翌日、数分間また同じ姿勢をとってもらうと、わずかに残っていた腰の痛みも完全に消失しました。
これが、マッケンジー法の始まりです。

誤解しては、いけません。
マッケンジー法は腰椎伸展エクササイズではありません。

まず、きちんとした問診と理学検査を十分時間をかけておこないます。
これをもとに、良い反応を引き出せる運動方向を見つけ出します。
ここが一番大切です。
この運動方向を見つけ出すことが出来れば、その方向への反復運動、または持続的姿勢保持を行わせることで疼痛を緩和し、機能を改善させていくことが可能となります。

少し難しいですか?
マッケンジー法で大切なのは「Centralization(良い反応)」を示す運動方向と「Peripheralization(悪い反応)」を示す運動方向を見つけることです。
良い方向は反復し、悪い方向は避けます。

またマッケンジー法は患者主体の「self treatment(自己治療)」を基本的な治療方針として取り入れています。
再発を繰り返しやすい問題にたいして「医療者に依存する治療」を行っていては、その場しのぎの治療から抜け出せません。
自分自身で治療する術を身につけ、再発を繰り返さず腰痛をコントロールしていくことが可能になります。



こうした治療法は、現在当クリニックで取り組んでいる行動変容プログラムの一つです。

あなたは、いつまでも治療をおまかせにしていませんか?

治療に参加すること、

それもあなたの行動変容のひとつです。


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by ccr-net | 2010-05-25 22:54 | 医療
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