先入観を捨てよう
診療に潜むピットフォール(落とし穴)
一昨日、一人の腰痛の方が来院されました。
腰部〜右臀部の疼痛で2−3の病院を受診され腰痛症と診断されましたが、症状の改善無く当院におみえになりました。
神経学的には異常なく、疼痛は腰部から右腸骨にかけて限局しています。
XPにて腰椎に軽度の変形性変化はありますが、大きな異常はありません。
通常でしたら、筋膜性の疼痛と診断するのですがこの方の場合、明らかな疼痛性の跛行があること、安静時痛があることが典型的な筋膜性疼痛とは異なります。
そこで骨盤のXPの追加検査をおこないました。
すると右腸骨に明らかに腫瘍と思われる大きな異常像がみつかりました。
すぐにMRI検査をおこない転移性骨腫瘍と診断し来週基幹病院を受診していただく予定です。
先週も似たような症例がありました。
同じような頑固な腰痛で、いくつかの病院を受診され腰痛症と診断され、症状の改善無く歩行が困難となりクリニックに来院されました。
診察で明らかに股関節の異常を認め、XP検査をおこなうとかなり進行した股関節の変形(臼蓋形成不全に伴うもの)を認めました。
このいずれの症例も主訴は腰痛です。
『腰痛だから腰が悪い』という先入観が、他の医療機関での見逃しにつながったのです。
ここに日常診療におけるピットフォールがあります。
私たちは診療を行う場合、主訴や問診・エピソードでいくつかの疾患を頭に浮かべ、診断の過程で絞り込んでいきます。
思い込みがあるとこの最初の過程(想定する疾患の数)に間違いが生じます。
簡単なことですが、陥り易い落とし穴です。
先入観を捨てる・・・
診療の基本ですが、とても大切な事です。
一昨日、一人の腰痛の方が来院されました。
腰部〜右臀部の疼痛で2−3の病院を受診され腰痛症と診断されましたが、症状の改善無く当院におみえになりました。
神経学的には異常なく、疼痛は腰部から右腸骨にかけて限局しています。
XPにて腰椎に軽度の変形性変化はありますが、大きな異常はありません。
通常でしたら、筋膜性の疼痛と診断するのですがこの方の場合、明らかな疼痛性の跛行があること、安静時痛があることが典型的な筋膜性疼痛とは異なります。
そこで骨盤のXPの追加検査をおこないました。
すると右腸骨に明らかに腫瘍と思われる大きな異常像がみつかりました。
すぐにMRI検査をおこない転移性骨腫瘍と診断し来週基幹病院を受診していただく予定です。
先週も似たような症例がありました。
同じような頑固な腰痛で、いくつかの病院を受診され腰痛症と診断され、症状の改善無く歩行が困難となりクリニックに来院されました。
診察で明らかに股関節の異常を認め、XP検査をおこなうとかなり進行した股関節の変形(臼蓋形成不全に伴うもの)を認めました。
このいずれの症例も主訴は腰痛です。
『腰痛だから腰が悪い』という先入観が、他の医療機関での見逃しにつながったのです。
ここに日常診療におけるピットフォールがあります。
私たちは診療を行う場合、主訴や問診・エピソードでいくつかの疾患を頭に浮かべ、診断の過程で絞り込んでいきます。
思い込みがあるとこの最初の過程(想定する疾患の数)に間違いが生じます。
簡単なことですが、陥り易い落とし穴です。
先入観を捨てる・・・
診療の基本ですが、とても大切な事です。
by ccr-net
| 2010-04-16 06:25
| 医療