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HTLV-1感染症について

ATL(高月病)とHAM

本日朝のNHKでHTLV-1感染症についての報道がありました。
前宮城県知事の浅野史郎さんが献血でHTLV-1に感染しATL(Adult T-cell Leukemia)を発症されていることがセンセーショナルに報道されていました。
朝の忙しい時間帯でしたので少ししか見ていませんが、おそらく患者様からお話があるだろうなあということで、疾患についておおまかなお話を朝のラインナップでしました。
その後、スタッフに患者様から質問があったかどうかは知りませんが、本日の午後手術中に患者様からこの疾患(HAM)について質問がありました。

ATL(高月病)は、私たち熊本大学医学部出身者にとって非常に思い出深い疾患です。
丁度、私たちが学生の頃赴任された高月教授が世界にAdult T-cell Leukemia(高月病)として発表されたものだからです。
そうした世界的な発表をされた教授を私たちは尊敬のまなざしでみていました。
この病気は西日本に多く、熊本の中でも地域性があり、一種の『風土病』として記憶していました。
実際には、男性からの性行為や母子感染(母乳からの移行)・献血での感染(現在はないと言われています)でおこる感染症です。

私はまだ若いときリハビリテーション病院に勤務していましたが、そこで同じくHTLV-1感染症である幾人ものHAM症候群の方に接する機会がありました。
こうした感染症は誤解が多く、正確な知識を伝えることが大切です。
日本のHTLV-I感染者は120万人といわれ、ほとんどがキャリアと呼ばれ発症する方は数%です。
発症する場合も潜伏期が平均55年と長いため、幼少期の感染予防をおこなうことが大切です。

本日の報道の中で、あまりまじめな学生ではなかった私が尊敬した高月清先生(現 北野病院理事、熊本大学名誉教授)のことを思い出しました。
本当に素晴らしい先生でした。

学問的に素晴らしいだけでなく、人として素敵な先生でした。
この機会に調べてみましたらまだご健勝の由・・・ほっとしました。
HTLV-1感染症について_b0102247_16171820.jpg

ATLに特徴的なFlower Cell



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by ccr-net | 2010-03-10 16:26 | 感染管理
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